- 700 名前:名無しさんの次レスにご期待下さい mailto:sage [03/06/27 21:05 ID:gDh7z5R/]
- それを「正統派」によるラカンの除名の反復としてフレーム・アップするかのごとく、ミレールは一連の公開書簡を発表し(『啓蒙された公論への書簡』[スイユ、2002年]という一書にまとめられる)、
さらに、若い頃の自分にも助力を求めると称して高校時代のサルトルとのインタヴューや高等師範学校時代の『分析手帖』の論文(いま読み返しても実にシャープだ)まで収録した『人生へのデビュー』(ガリマール、2002年)を出版したのである。 それだけならまだ精神分析の枠外まで大きな波及効果を及ぼすことはなかっただろう。 ところが、かつての極左運動でミレールらとも近い位置におり、その後カトリック左派の『エスプリ』誌に加わったダニエル・ランダンベールが、 ピエール・ロザンヴァロン(フランスの左翼を現実主義へと導いたこの人物は今やコレージュ・ド・フランスの教授として故ピエール・ブルデューに替わる影響力を手にしつつある)の編集する叢書の一冊として 『秩序回帰−−新反動派研究』(スイユ、2002年)という書物を出版したとき、「新反動派」の中に自分も挙げられているのを見たラカンの婿は、 100頁にも満たないこの書物(それなりに目配りはよく、ミシェル・ウエルベックのような新世代の作家たちの反68年感情に対する批判などは的確だが、結局はジャーナリスティックなパンフレットに過ぎない)を素材に、 『ラカンの甥』(ヴェルディエ、2003年)という400頁近いサタイヤ(諷刺)を発表したのである。 タイトルの元になっているディドロの『ラモーの甥』と違って、この本では対話体の他にもさまざまなスタイルが駆使されており、ランダンベールへの反撃をきっかけに、才気煥発な議論が縦横無尽に展開されている。 ミレールによれば、ランダンベールはスターリン主義的な「告発」を続けているのだが、今やその対象が民主主義的市場主義(ロザンヴァロンの推奨するような)に改宗したふりをしている「マラーノ」 (スペインでキリスト教に改宗したふりをしていたユダヤ人)に替わっただけであり(ランダンベールはかつて『イスラエルの形象−−シオニスムとマラニスムの間で』において一般化したマラーノ主義を提唱していたのに)、 ランダンベール(そして背後にいるロザンヴァロン)はそのような告発によって自らの右傾化を偽装しているに過ぎない、という。
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