- 1 名前:優しい名無しさん mailto:sage [2008/07/08(火) 12:33:37 ID:WfX+p60x]
- やれやれ、またクソスレか、と僕は思った。
- 2 名前:優しい名無しさん mailto:sage [2008/07/08(火) 14:17:28 ID:fC2zEP8Y]
- かっこう。
- 3 名前:優しい名無しさん mailto:sage [2008/07/08(火) 20:40:59 ID:hmnK2SXz]
- 「かっこう?わからないな」
白衣の下からのぞいているラコステのサマー・ニットに、彼の上品な育ちと趣味に 費す時間のない生活スタイルを垣間見ながら、僕はさっきから絶え間なく続いてい るこのラウンジ・ミュージックのような音楽(それが音楽と呼べればの話だれども)を 疎ましく思った。この診療所に遍在する、スウィングといったものとは無縁の空気に、 僕は少しいらいらしたけれども、長いこと通っている常連の患者らしく、つとめて平 静なふりをして、八月の蝉のようにあっけらかんとした表情を変えずにいる彼に尋 き返した。 「幻聴でないというのなら僕に聞こえているこの音は、いったい何なんですか?」 サマー・セーターの衿についた小さな しみ が蜂のように彼の首筋を狙っているの が見えた。
- 4 名前:優しい名無しさん mailto:sage [2008/07/08(火) 21:01:42 ID:lNXLkid6]
- 「とにかく、深呼吸してリラックスするんだ。そうすれば少なくとも、
一つ一つのセンテンスが長過ぎる事には気付けるんじゃないかな。」 彼は自分の首もとの危機的状況を気付いていない風で答えた。
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