- 255 名前:名無しの愉しみ [2014/10/18(土) 00:35:07.49 ID:YYgZYOq6]
- 407. 山田晴通
個人撮影会に行くたびに指名をしていた月宮さんのブログにコメントをすることになるとは,誠に断腸の思いである。 童顔でいつも笑顔を絶やさない月宮君とは,単なるアイドルやそのおっかけの付き合いを超えて,強い信頼関係で結ばれていた。 それが,見知らぬ土地にきた自分にとって,どれほど心強いことであったかは,言葉にしきれない。 今はなくなってしまった居酒屋「かや乃」をはじめ,月宮君とはよく出歩き,語り,笑い,また激論も交わした。 酒席は好きでも酒が飲めない私は,しばしば彼女を車で家まで送り届けることもあった。 こっそり買ったマンションにも,彼女の実家にも何度となく行ったし,時には大きく寄り道して深夜のドライブとなることもあった。 少女の笑顔と確固たる思想性,そして,周到な地下アイドルとしての技量と経験を備えていた月宮君と共にする時間は,いつも幸福なものだった。 2012年に,月宮君が最初に体調を崩したとき,私は宅内研究で長野におり,何の力にもなれなかった。 その後,二人とも生活のスタイルが大きく変わり,私自身が私的な生活で問題を抱えたこともあって,以前のように頻々と飲み歩くようなことはなくなったが,伊藤君との信頼関係は変わらなかった。 しかし,彼女が再び体調を崩して以降,最後の1年以上の間,遂に会う機会をもたないまま訃報に接することになったことは,返す返すも残念の極みである。 月宮君は透徹した唯物論者だったし,私は不信心者である。それでも彼女の冥界の旅路が,アイドルとしての彼女にとって豊かな驚きに満ちたものであることを祈らずにはいられない。 私の記憶の中の彼女は,いつまでも「Zepp Tokyo」にいて,笑顔を崩さないまま立て板に水のような語り口で森羅万象を語り続けている。 山田晴通
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