- 547 名前:名無シネマさん mailto:sage [2006/04/28(金) 03:48:26 ID:FDk9W2Su]
- >>544
馬車の後ろで崩れ落ちる建物は>>546の通りだそうです。 『キング・コング』の原住民の村の城壁のセットですね。 要するにミニチュアじゃなく、原寸大。 RKOのバックロットに建てられたまま、解体されていなかったのを 安く譲り受けて燃やしたのだとか。 ちなみに爆発する貨車はミニチュア。この背景はスクリーンプロセスです。 で、馬車なんですが。これを「合成」と呼ぶかに関しては少々ビミョーだったりする。 何故かって言うと、馬車そのものは合成されていないのね、これ。 この作品が撮影されたテクニカラー初期の頃は、カラーフィルム (と言っても三色分解されたモノクロフィルムなんだけど) の色再現性が不安定だったので、何回ものデュープにが必要になる合成は避けられていた。 なので、白バックの前で馬車をモノクロフィルムを使って撮影。 それで出来上がったシルエットをマスクとして、RGB各色のフィルムをデュープ。 本来なら反転したマスクを使って馬車そのものを合成するんだけど そうしようとすると、もう一回デュープが必要になるのでこれはやらず シルエットが焼き込まれた時点で「完成」としていたわけ。 ま、イメージそのものは迫力あるので、これでも十分だったわけだけど 合成する背景が単一の色調でなければならない (RGB各色のモノクロフィルムのコントラストが高くなり色ノイズが出やすくなる) など、何かと制限が多かったそうです。この技法が使われたのは三カ所くらいかな? このカットと、映画の最初の方で父とスカーレットが大樹の下でタラを見渡す夕焼けの中のトラックバック、 そしてラストでタラに戻ったスカーレットが、やはり大樹の下でタラを見るラストカットですね。 よく見ると馬車、父娘、スカーレットは単なるシルエットでしかない。
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