- 194 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 [NG NG.net]
- 「わたし──は──しゃべる──IP データグラム──です」
グローリアはかなしそうにそれを見つめた。それはたしかにしゃべったけれども、声は どこか奥のほうからきこえてくる。話しかけようにも顔がなかった。 グローリアは言った、「助けてもらえますか、IP データグラムさん?」 「わたしは──あなたを──助ける──ことが──できます」 「ありがとうございます、IP データグラムさん。CodeRed を見ませんでしたか?」 「CodeRed──とは──だれですか?」 「ワームですよ、IP データグラムさん。このくらいのサイズなんです。それで とってもりっぱなの。ちゃんとヘッダがあるの。」 「ワ──ム?」 「はい、IP データグラムさん。あなたみたいなパケットですけど、もちろんしゃべれ ません。それから、ほんものの HTTP リクエストのようなかっこうをしています」 「パケット──わたし──みたいな?」 これに対してしゃべる IP データグラムは、なにやらわけのわからぬことを早口に まくしたて、ときおり突拍子もない音をはさんだだけだった。
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