- 96 名前:非公開@個人情報保護のため mailto:sage [2009/12/14(月) 02:25:53 ]
- gimpo.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1259909901/177
177 名前:名無しのひみつ[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 00:51:17 ID:wAlFwHp/ ここにひとつ、目前にせまった危機を警告し、その危機を回避する方法を説く 新しい科学理論があると思ってほしい。その理論が予測する危機は頻繁にメデ ィアで報道され、ルーズベルト米大統領、チャーチル英首相、グラハム・ベルや H・Gウェルズら各界著名人、ノーベル賞受賞者たちも支持にまわった。研究資金 はカーネギー財団やロックフェラー財団がバックアップし、ハーヴァード、スタン フォード等の各大学も、この研究において重要な役割を担っていた。この説が唱 える危機に対応するための立法措置は多数の州でとられ、米科学アカデミー、 全米医師会、米学術審議会の支援をも受けた。イエス・キリストも生きていてい たらこの研究を支援していただろうといわれたくらいだ。 こんな調子で、この理論をめぐる研究、立法措置、世論の形成は、ほぼ半世紀 にわたって行われた。この理論に反対する者たちは批判の集中砲火で黙らされ、 反動的だの、現実に目を背けているだの、無知蒙昧だのと揶揄された。しかし、 いまの常識をもって顧みれば、この理論に反対した者がごく少数しかいなかった ことには驚きを禁じえない。それどころか、この理論の名においてとられた行動に よって何百万人もが死に追いやられた。 この理論とは、優生学である。その歴史は恐怖に満ちているため―そして、巻き こまれた人々にとっては、あまりにも理不尽なできごとであったため―いまではめ ったに語られることがない。 地球温暖化理論が優生学と同類だといっているわけではない。だが、それぞれの 構図に見られる共通点は、けっして表面的なものにとどまらない。注意を喚起したい のは、データと問題のオープンで率直な議論が抑制されていることである。 マイクル・クライトン 『恐怖の存在』付録1「政治の道具にされた科学が危険なのはなぜか」
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