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LLにおける関数型プログラミング



54 名前:28 mailto:sage [2012/08/18(土) 13:54:42.00 ]
(>>49の続き)

二番目の要望は、「可変(mutable)な操作と不変(immutable)な操作の明確化」です
具体的には、Rubyにはオブジェクトの状態を破壊的に更新するメソッドであれば、
そのメソッド名の末尾に !(感嘆符) を付けようという弱いルールが昔から存在していました
(この末尾感嘆符ルールは、Lisp文化に由来すると思われます)
けれどもこのルールは一般にはほとんど普及していませんし、
残念なことに組み込みクラスですらルールが守られていないケースがあります
たとえば、Hashクラスには二つのハッシュを(破壊的に)結合する可変操作merge!と
破壊せずに結合するmergeがある一方で、merge!と同じ可変操作updateが存在します
これはRuby 1.8 -> 1.9 の時点でupdateを廃止するか、あるいはdeprecate(非推奨)を
判断して、リファレンスへ反映させるべきでした
組み込み/標準のクラスですら平気で逸脱しているのだから、ユーザが遵守する訳がありません

関数型プログラミング作法の基本は
「(破壊的代入を含む)副作用を避けた参照透明性のあるプログラミング」
であり、Rubyにおいては
「副作用を極力避けたり、参照透明性のある部分とない部分を意識的に使い分ける、
 あるいは副作用のあるコードを隠蔽する」
ことが、高品質コード設計技法では重要になります -- (LLバトルスレ25のレス#255も参照)

一般に普及している手続き型プログラミングでは破壊的操作が基本ですから、
「可変な操作と不変な操作の明確化」への関心はさほど強くなかったことが
現状の背景にあると思いますが、関数型プログラミングによる高品質コード設計では
こんな些細なこだわりも大切になるでしょう

(終わり)






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