Windows 3.x 版の SimCity を書いた Jon Ross 氏が私に語ったところによれば, 氏は件のゲームにおいて,解放されたばかりのメモリをリードするという バグを誤って残してしまったそうだ。これは Windows 3.x ならば問題無い。 メモリはどこにも移動しないからだ。さて,ここからが素晴らしいところだ。 ベータバージョンの Windows 95 を試してみたところ,案の定 SimCity は動かなかった。 そこで Microsoft はバグの追跡を行い, SimCity の監視を行う特殊コードを Windows 95 に組み込んでしまった。そのコードは SimCity が動いていることを検出すると, メモリアロケータを特殊なモードへ移行させ,メモリをすぐには解放しないような設定にしてしまう。 これは,後方互換性に対する執念の一例であり,これこそが人々を Windows 95 へ アップグレードさせようとする要素であったわけだ。