- 720 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 mailto:sage [2009/08/04(火) 23:26:40 ID:YlOTSOIG0]
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スクランブル交差点の真ん中には丸裸のルーツが磔にされていた。 股間にのみ薄いふんどしがのせてあり、申し訳程度の膨らみを作っている。 ふんどしは頼りない風が起こるだけで、ふわりと持ち上がってしまう。 小ぶりな一物があらわになるたびに、ルーツは色を失い声を上げる。 紅潮した頬からは、わずかに快感の色も伺える。 ルーツの一物を目にし眉根を寄せる通行人たちの、少なくない人数が電話を手にする。 「写メ撮らないでください!」 潤んだ眸でルーツは訴える。声は子犬のように震えている。 駆けつけた警官が言う「君、どういうつもりだ」 距離をおいた警官は、腰から警棒を取り出す。 「その棒で、どうする気なんですか」 ルーツは希求を含んだ視線で警官を見つめる。 怯んだ警官は影を縫われたようにその場から動けなくなる。 「どうしようもないんです。自制が効かない」 ルーツは狼狽しながらも確固たる意思を持ち叫ぶ「自制が効かない……」 ルーツの激しい陳情に、警官は曖昧に頷く。 「僕には決まった婚約者がいる。だから、セックスはしない」 警官はルーツをベッドへと招き入れる。ルーツの控えめな大きさだが雄々しくそそり立つ一物が、警官の腿の裏に当たる。 「やれやれ」 それは細かく痙攣を続け、何かを訴えるように腿を這いずり回る。 警官は身体の向きを変えると、ルーツの一物を手に含んだ「出すときは言いなさい。シーツが汚れたら困るから」 警官の柔らかな手の感触に、ルーツはマスターベーションと違う人為的で作為的な快感を感じる。 「君は殺人を犯したことはあるかい」 警官は含みを持たせず、あくまでさりげなく質問する。 「……ないです」 喜悦の声を隠そうともせず、ルーツは息を吐くように言う。 警官は幼い子を諭すように柔和な表情でルーツを見つめる。 「君はいま、人を殺そうとしている。多くの場合、その行為は何かを汚すことになる」 「メタファー」「そう」 警官は左手で陰茎をしごき、右手で睾丸をまさぐる「君はそれでも射精したいというのかい?」 ルーツは質問に答えず、警官の肩に触れる。母親の乳を探す子猫のような頼りなげな仕草に、警官は薄く笑みを浮かべる。 「おまわりさん……」 短く言うと、ルーツは激しく身を震わせる。警官の手の温度に包まれてルーツは果てる。 「君、もう少し猶予をもって言ってくれないと――」 警官は呆れた様子で自分の手のひらを見る「取り返しがつかなくなる」 ティッシュで精液を拭き取る警官の姿をルーツは伏目がちに見つめる。 ベッドに戻ると、警官は一度だけ優しくルーツの頭を撫でる「おやすみ。明日僕は仕事だけど、君はゆっくりと眠ると良い」 ルーツは黙って頷く。股間の疼きは未だ収まらない。目の前にある形の良い背中に触れようとし、留まる。 「あなたの名前は?」ルーツは蚊のように呟く。警官は背を向けたまま、眠りに入ろうと安定したリズムの呼吸を続ける。 ルーツは小さくため息をつき、毛布を胸に引き寄せ目を閉じる。 「祐一だ」 警官の声の心地よい重低音にルーツの一物が反応する。防音室で音が跳ね返ってくるのが感じ取れるように、確かな心地よさを感じる。 警官の声がいつまでも耳に残り、それからルーツが眠りにつくのには時間がかかる。
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