- 28 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。 mailto:sage [2008/11/07(金) 19:55:06 ID:lCFsUGUj0]
- じゃあ俺が詳しく森之進の引退説をもっともらしく説明してやろうか
あいつは以前から森之進を演じることに疲れている。
再生数とコメント数などの数字に関しては充分に満足してるだろう。
しかし…
ある日、まおはふと思った。
「これはあくまで『森之進』に対する反響であって、俺（まお）へのものではない」と。
まおはブログを作った。
主コメで「僕はまおです！森之進ではありません！」とアピールするようになった。
彼は素の自分を ”森之進へのファン” にも知ってもらいたかったのだ。
しかし、そんな目論見は彼の思惑通りにはなかなか行かなかった。
彼の動画視聴者はあくまで森之進としての実況プレイを期待していたのである。
ある時、まおは有名実況者たちと一緒にコラボ実況することになった。
モノマネ実況で人気を得たまおは、メンバーの中では異色とも言えた。
まお以外の実況者たちは、特に奇をてらうことのないしゃべりでのし上がってきたからだ。
ただ、これはまおにとってチャンスとも言えた。
彼が最近望んでいた素の自分のアピールをできることになるからだ。
深夜、男臭い部屋で総勢4人のホラー実況が開始される。
彼以外の3人は、いつもの調子で実況をしていた。
個性の強い者が揃っていたためにしゃべり合いの場と化していたが、
それでも彼らは肩に力を入れることなく実況を進めていた。
…しかしまおは…
まおはしゃべることが出来なかった。
周りの3人を見ながら、彼はおびえて縮こまっていた。
3人は、話さないまおに気を遣って幾度となく話を振った。
しかし、まおはどうしても勇気を出せない。
森之進という殻を捨てて、素の自分を出すことができないのだ。
何故だろう…あんなに彼が望んでいたことなのに…
明け方になって実況は終わった。
最後までまおは「普通に話すこと」ができなかった。
彼は自己嫌悪した。温室から出る勇気を出せなかった自分を呪った。
その後、まおの動画更新の頻度はがくりと落ちた。
人気は以前と変わらない。
実況のスタイルも変わらない。
素を出したくても出せない自分も変わらない。
このシリーズが終わったら引退しよう…
まおは現在、そう考えている。
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