- 735 名前:名無しさん動画閲覧中@全板トナメ出場中 [2008/06/28(土) 07:38:39 ID:HN/sBNZA0]
- 灰羽連盟
要するに「殻に閉じこもってないで、さっさと過去に落し前つけて一皮剥けようね」がテーマ。 テーマにしても極々平凡であるし、外壁で外と閉ざされた世界という舞台設定もこの手の文学としてはありきたりで新鮮味がない。 ぶっちゃけていえば「単なる寓話」とも言える。 が、しかしこの作品はそこで終わりにはなっていない。 まず一見して、この話の舞台となる都市や風景、調度品など小道具が非常に丁寧に描きこまれていることに気づく。 建物に使われる石材、時計の部品、陶器の風合い、家具のデザインなど、全てにおいてマジメに考証されている。 独自設定バリバリのSFやファンタジーに安易に逃げ込むのでなく、既視感のある風景にしているところに好印象が持てる。 (まぁ話の展開上どうでもいいっていえばどうでもいいし、いっそ凶悪犯罪者収容の刑務所を舞台にしても同じテーマで作品を作れるんだがw) そして何より、主要登場人物の心理が非常に丁寧に描写されている。 アニメによくあるパターンとして、安っぽい台詞で心理状態を表現することが行なわれるが(シムーンなどはその際たる例、酷いものだ) この作品はそうでなく、ちょっぴりオサレなフランス映画のように、表情や間のとり方で表現をしようと試みている。 これらの演出の上手さによって「単なるメタファを語るためだけのペラい作品」からの脱却を目指しているし、実際にそれがかなりの部分においてできていると思う。 100点満点中80点くらいだろうか。 総じて満足。 ただし、最終話のED歌、あれはいただけない。 ダサい。本当にダサい。全く以てダサい。 日本の音楽家特有のパチモノ臭がぷんぷんしている。 残念で仕方がない。
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