- 516 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 mailto:sage [2008/05/02(金) 02:03:05 ID:Rr6ZmYHW0]
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私はハーモニカである、名前はまだ無い。 何故私は思考を持っているのか、それは私にも判らない。 気づいた時には、私には思考があり、私は此処に居た。 視界、目の無い私が視界と言うのもおかしいが、私の視界には木々が溢れている。 ――そうか、此処は森なのか。 何故私は此処に居るのだろうか。 動かぬ自らの体を想いながら、私は考える。 空すら見えぬ程の木々に覆われた森林。 私のようなハーモニカが存在する様な場所ではない。 ――捨てられた、と言う事だろうか。 自らの記憶を探っては見るが、思い起こされるのは変わらぬ森の姿だけだった。 ――このまま、私は此処で朽ちるのか。 それは嫌だった。 それだけは、嫌だった。 私はハーモニカである。 楽器として生まれたからには、私は誰かに演奏されたい。 その後、その後なら朽ちても良い。 だが、誰に使われる事もなく、ただ朽ちる等、それだけは嫌だった。 ――誰か、誰か私を。 声は出ない。 私には声を出す機能が無いからだ。 ただ、静かに思考を続ける事しか出来ない。 此処まで書いて楽器が幻想入り飽きた\(^o^)/ この後凄いシリアスでハートフルな物語が始まったり始まらなかったりするかもしれない。
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