- 302 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 mailto:sage [2007/09/27(木) 18:02:25 ID:???0]
- 修学旅行の夜、夜風に当たりたくなりこっそり旅館を抜け出したオレ。
すると後ろから律子の声が。 「○○くん、どこに行くの?」 「うん、ちょっと夜の街を歩いてみたくて」 「あ、いいね。私も一緒に行っていいかな?」 そんな笑顔で言われると断りようもないです。 「先生達にバレてないかなー」「今頃みんな何してるのかね」「夕飯、ちゃんと食べた?」 いつになくよくしゃべる律子。なんだろう、旅先で少し興奮してるのかな。 少し先にあった土産屋に入った。人気のお店なのか沢山のお客さんで賑わっている。 僕のシャツの袖をそっとつかむ律子。思わず振り向くと真っ赤な顔をして 「・・・はぐれないようにね」とつぶやく律子。 「いやいや秋月さんこそはぐれないでね」 お店を出ると袖から手を離し、僕がちょっと残念に思ってると律子が言った。 「手、繋いでもいい?わ、私、目が悪くてさく、暗くて道、よく見えないんだ」 さっと僕の手を握る律子。冷たくて細くて折れそうな指。 止まる会話。静寂の中、律子がぽつりと言った。 「将来、もし神様が好きな時間に戻してくれるって言ったら、私、今のこの時間を選ぶよ」 なんてことがあったら絶対に好きになっちゃうだろ。
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