- 584 名前: ◆SIPPE.07SY mailto:sage [2012/03/28(水) 14:35:44.70 発信元:210.255.6.163 ]
- >>580
> 思わず、目の前の女の子と顔見合わせちゃうぐらい。 僕らは、ふと同時に肩を上げるそぶりをしたんだ。 「困った人だ」 お互いにそう言いたげだったのは、 北極星が明日も同じ位置に瞬くぐらい明らかなことだった。 彼女は一瞬、笑った。 考えてることが同じで、仕草も同じ。 確かにおかしな状況だよな。 男性のイビキと、電車の軌道音、それだけが響くなかで、 僕はハッキリと彼女のクスッとした音を聞いたんだ。 10分後。 僕らは一緒に電車を降りた。 「あの。。。」 彼女の薄目の唇から出てきた言葉と、 僕の自身なさげな表情から出てきた言葉。 言葉さえも同時。 “運命?ってわけじゃないけどさ” 僕の中でリフレインしてた。いや、させてたんだ。 ビターチョコのような苦い経験を重ねてきたんだけど、 それでも、やっぱり、また、、、僕は新しい期待を感じた。 『はらぐろが勃起するとき』より
|
|