- 533 名前:いやあ名無しってほんとにいいもんですね [2011/01/16(日) 01:25:10 発信元:123.108.237.4 ]
- フローラを嫁にした後もおれは気になって時々ビアンカのところに訪れた
あいつは他の男を作るでもなく、台所の前で、いつも訪れたおれに微笑んでいた 幼かった時のままの天真爛漫な明るさとは裏腹に 実はおれは彼女が無理に気丈に振る舞っていることを密かにわかっていたんだ おれはなにかココロの大事な部分に穴を開けたまま冒険を続けていた もう会いにいかない方がいいのはわかってた それでも冒険に迷った時、戦いに疲れた時にふと思い出すのはビアンカだった おれはフローラになにかしらの理由をつけ、あの村に何度も訪れた おれは完全にビアンカに甘えていた 苦しい懊悩の中、世界に平和をもたらしたのはおれだった でもおれ自信のココロはちっとも平和になんかならなかった…おれは5であたかも人類を救った英雄のように言われる しかし今になって思えばおれには世界の平和なんて別に必要じゃなかった ただビアンカの微笑みさえあれば、薄汚れた邪悪な世界でも幸せだったんだ
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