- 1 名前:名無しより愛をこめて [2009/03/16(月) 20:45:17 ID:15ga84g20]
- 美しい女性(女子高生、人妻、ょぅι゙ょ問わず)が拉致されたり洗脳されたり操られたり、
女戦闘員や女怪人に強制改造されたり、手術台の上であんなことやこんなことをされたりする シーンに萌えるスレです。SSの発表や、雑談の場などに。sage進行推奨。 前スレ「おにゃのこが改造されるシーン素体12人目」 anchorage.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1219506349/ 「女子高校生位の子が改造されるシーン」(初代スレ) book.geocities.jp/maledictarum/kakolog/1043884297.html 「うら若き女性が改造されるシーン」(2スレ目) book.geocities.jp/maledictarum/kakolog/1098721763.html 「おにゃのこが改造されるシーン 3スレ目」 onyakai.googlepages.com/1104789686.html 「おにゃのこが改造されるシーン 4スレ目」 onyakai.googlepages.com/1134819071.html 「おにゃのこが改造されるシーン 5スレ目」 onyakai.googlepages.com/1139205739.html 「おにゃのこが改造されるシーン素体6人目」 onyakai.googlepages.com/1159755184.html 「おにゃのこが改造されるシーン 素体7人目」 onyakai.googlepages.com/1179584338.html 「おにゃのこが改造されるシーン 素体8人目」 tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1194154496/ 「おにゃのこが改造されるシーン素体9人目」 tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1201519674/ 「おにゃのこが改造されるシーン素体10人目」 tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1210034400/ 「おにゃのこが改造されるシーン素体11人目」 tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1211922068/ 「おにゃのこ改造@ウィキ」 特撮板・エロパロ板のおにゃのこ改造スレのまとめwiki wiki.livedoor.jp/onyakai/d/FrontPage
- 300 名前:大ショッカー脳内補完(ネタバレ有)3/9 mailto:sage [2009/08/14(金) 02:07:53 ID:kNjpxUSc0]
- しかし、その言葉がさやの口をついて出ることはなかった。それは一つには、
小夜の心に渦巻く兄への強力な復讐心が、恐怖心を押しのけたためであり、 もう一つは月影が発する強力な威圧感が、抵抗を許さなかったためである。実をいえば、 兄である士への強い復讐心そのものも、月影の巧みな心理誘導の産物なのであるが、 小夜にその自覚はなかった。 「…お兄ちゃんに復讐するために必要なのね。なら、わたし、怪人にだってなるわ!」 決然としたその口調と裏腹に、小夜の足はがくがくと震えている。 満足そうにうなずいたバッタ男は、壁のスイッチを操作する。すると部屋の 中央に丸いスポットライトのような照明が当てられる。それを指さして月影が言う。 「では、その丸い照明の中央に進んで下さい。小夜様の改造手術を始めます」 改造手術、というその一言が小夜を改めて戦慄させる。傍観者としてではあっても、 幾多の世界を巡り見てきた小夜は、「改造手術」がいかなるものであるかを十分に 知り尽くしていた。受けてしまえば二度と元には戻れない、永久に消えない改変が 今から自分の肉体に加えられてしまうのである。 それでも小夜は、気付かぬまま月影に吹き込まれた「決意」に押しやられるように 足を進め、スポットライトの中央部に足を運んだ。それを確認した月影が機械を 操作しながら宣告した。 「改造手術、開始!」 天井から垂れ下がっていた黒いゴムチューブのようなものが、生き物のように のたくりはじめ、小夜の手足と胴体に巻き付いた。 「ひっ!」 なま温かく、ぬるぬるとした黒いチューブ、あるいはむしろ触手と呼ぶべき 物体に絡みつかれた小夜は、思わず悲鳴を漏らす。 巻き付いた触手は小夜の手足と胴体を締め上げる。やがて下半身に絡みついた 触手が上部に引き上げられ、小夜は地面に対して水平に吊り下げられる体勢になった。
- 301 名前:大ショッカー脳内補完(ネタバレ有)4/9 mailto:sage [2009/08/14(金) 02:08:16 ID:kNjpxUSc0]
- 絡みついた触手は小夜の全身に密着、あるいはむしろ、ほとんど癒合した。
続いて触手はびくん、びくん、と脈動を始め、小夜の体内に「何か」を 絶え間なく注入し始めた。 「…あ、あああ…」 苦痛と共に全身から送り込まれる形容しがたい感覚が、小夜にこれまで 発した覚えない種類の声を強制した。そうして、禁断の古代の秘術が、 小夜の体液を、さらには細胞そのものを、人ならざるものに置き換えていった。 相当な時間が経ったあと、月影が壁のレバーに手をかけ、それを引き下げ ながら言う。 「強化細胞の定着完了。これより細胞の活性化を行う」 その言葉と共に、人間ならば一瞬で消し炭になるであろう高圧電流が 小夜の全身に流される。 「ぎゃあああああああ!」 電撃によってこれまでをはるかに超える苦痛が小夜の全身を走り、小夜は絶叫する。 さらに電撃が止んだ後も小夜の苦痛は止まない。身体がカッと熱くなり、 やがて全身がバラバラになりそうな痛みが襲いかかる。肉体の構造が 組み替えられ、大怪人の姿への変形が始まったのである。 髪の毛は真っ白な剛毛に生え替わっていった。全身を紫がかったウロコが覆い、 両の乳房には怪物の口のようなものが形成された。手の爪は鋭くとがり、 両腕にコウモリを思わせる翼が成長し、足は真っ黒なブーツのような、 ごつごつした硬質の皮膚に覆われた。尾骨からはカギの着いた細い尾が伸び、 その顔は仮面を思わせる半透明の硬い皮膚に覆われ、顔の右半分には 黒い不気味な文様と、青い皮膚が広がっていった。
- 302 名前:大ショッカー脳内補完(ネタバレ有)5/9 mailto:sage [2009/08/14(金) 02:08:37 ID:kNjpxUSc0]
- 「変身」が完了し、ぐったりとした虚脱状態のまま、変わり果てた肉体をぼんやりと
認識しているした小夜、いや大怪人ビシュムの耳に、月影の冷酷な声が響く。 「続いて、脳改造を開始する!」 その言葉と共に、小夜の頭部にこれまでとは違った触手が巻き付き、 頭蓋骨と一体化して、その内部に何かの操作を施し始めたのを小夜は感じる。 その次に小夜が感じたのは、唐突に自分の内側から湧き上がってきた どす黒い衝動であった。大怪人としての残酷で獰猛な本能が、小夜の脳の 奥深くに植え付けられ始めたのである。 自分の中に見る見る広がっていく凶悪な衝動、血を好む倒錯した嗜好、 そして麻痺していく良心や良識を、小夜は恐れおののきながら見守るしか なかった――ああ、わたし、心まで怪人になってしまう。…もうだめ。もう、 人間のように考え、感じることができない!――。そんな不安と、失われていく 人間の心を惜しみ、つなぎとめようとする気持ちの傍らで、新たに生まれた どす黒い喜びに陶酔し、歓喜する新しい心がむくむくと成長していった。 当初、怯えと戸惑いに包まれていた美しき大怪人の顔に、徐々に喜びと 尊大な自信の表情が浮かび始めた。 やがてすべてが終わり、大怪人が目を開く。そこに浮かんだ邪悪な微笑みの 中には、つい先ほどまで存在していた、小心で繊細な少女の面影はどこにもなかった。
- 303 名前:大ショッカー脳内補完(ネタバレ有)6/9 mailto:sage [2009/08/14(金) 02:08:57 ID:kNjpxUSc0]
- 足を拘束していた触手がゆっくりと下り、大怪人ビシュムに生まれ
変わった小夜を再び地上に立たせた。全身の触手が外れ、シュルシュルと上に 戻っていく中、ビシュムは部屋の入り口近くに置かれた姿見を目にし、目を輝かせた。 「これが生まれ変わった私!?素敵!素敵よ!月影さん!」 「これからはシャドウムーン、と呼んで欲しい。それが私の真の名だ」 そう答えた月影、いやシャドウムーンに目をやり、ビシュムは首を傾げて言う。 「あら?その姿は何?まるで仮面ライダーみたい」 「仮面ライダー」という言葉をまるで汚物の名を口にするように発した ビシュムの言葉通り、月影、いやシャドウムーンはいつのまにか銀色の 創世王の鎧を身にまとっていた。 「この姿が私の完成した姿だ。先ほどの姿は、怪人になる、という君の覚悟を 見極めるためにあえて選んだ、私の幼体ということだ」 「ふうん。でも、わたしはさっきの方がいいなあ…」 ビシュムとなった小夜の感性は、すでに大怪人のそれに変質していた。 シャドウムーンはそんな小夜の対応を満足げに確認しながら、黒い石の ついたペンダントを取り出し、言った。 「君の当面の役目は、大怪人としての破壊活動ではなく、大神官として この『地の石』を守護することにある」 「大神官?」 「そう。その姿はエネルギーの消耗も大きく経済的ではない。大ショッカーの 基地の中では大神官の姿で過ごす方がいい。できるかね?」 「…なんとなく、できる気がする。やってみる」 そういって精神を集中させたビシュム。やがて広がっていた頭部の剛毛が 硬度を失ってはらりと落ち、肩に広がった。そして全身を巫女のような装束が覆った。 ただし、その顔には依然、半透明の硬質の皮膚と禍々しい文様が広がっている。
- 304 名前:大ショッカー脳内補完(ネタバレ有)7/9 mailto:sage [2009/08/14(金) 02:09:48 ID:kNjpxUSc0]
- まるでメイクの具合をを確かめるような仕草で鏡の中の自分の顔を眺めていた小夜は、
首をひねって言った。 「うーん、まだちょっと、怪人ぽいなあ…」 そう言うと再び精神を集中させる。やがて顔の文様は消え、皮膚も 見たところ普通の十代の少女のそれに戻り、髪の毛も黒になる。 シャドウムーンが怪訝そうに尋ねる。 「その姿は?」 それを聞いた小夜は、少し前の彼女ならば決して浮かべることがなかったはずの、 邪悪で冷たい笑みを浮かべて言う。 「うふふ。これはお兄ちゃんを追いつめるための一つの策略。実の妹が 身も心も怪人に改造されて、二度と人間には戻れない、と知れば、いくら お兄ちゃんでもショックのはず。わたしはお兄ちゃんのそんな絶望の表情が 見たい。だけど、物事にはタイミングも必要。お兄ちゃんのダメージが 一番大きくなるだろうその瞬間まで、わたしの本当の姿は見せないでおくの。 まあ、切り札というところね。うふふ……」 * * * * * 結局小夜が「切り札」を使うタイミングを見つける前にすべては決着した。 小夜と兄は和解し、シャドウムーンは死んだ。 兄を想う気持ちを取り戻した小夜は、自分の肉体に施された、取り返しの つかない変容については伏せたままにしていた。見たところ全く以前通りの 妹の姿に、士は何の疑問ももたなかった。ディケイドライバーによる変身に 慣れている士が、改造人間の悲しい運命についてそれほど深い理解を もっていなかったことが、その理由の一つかも知れない。
- 305 名前:大ショッカー脳内補完(ネタバレ有)8/9 mailto:sage [2009/08/14(金) 02:10:09 ID:kNjpxUSc0]
- それゆえに士は、自分の殻を破り外に飛び出そうとする妹の、その一見
屈託のない笑顔の背後にあるおぞましい衝動にも、気付かないままであった。 実のところ、兄との和解後も、シャドウムーンが小夜に施した脳改造は 解けたわけではなかった。元来のブラックの世界にいたシャドウムーンが、 信彦として杏子や克美を思いやる気持ちと、創世王としての残忍で冷酷な心を 同居させていたのと同じことである。 * * * * * とある世界。快活そうな男性とおとなしそうな少女が並んで歩いている。 話の様子からすると恋人同士ではなく兄妹であるようだ。 その前の空間が歪み、落ち着いた服装の小夜が現れる。その胸にはシャドウ ムーンが最後の力で確保し修復した地の石が下がっている。 小夜が口を開く。 「うふふ、あなた、わたしの友達になってくれる?」 きょとんとした顔で少女を見つめる二人の前で、少女はコウモリに似た 恐ろしい怪人に姿を変える。悲鳴を上げる妹。妹を守ろうと、蛮勇を奮い 怪人に立ちはだかる兄。 歪んだ笑いを浮かべた大怪人ビシュムが、吐き捨てるように言う。 「あなたは邪魔」 言いながらその鋭い爪を真横に振る。次の瞬間、兄の首がごろりと落ち、 地面に転がる。
- 306 名前:大ショッカー脳内補完(ネタバレ有)9/9 mailto:sage [2009/08/14(金) 02:10:31 ID:kNjpxUSc0]
- 「きゃああああああ!いやああ!お兄ちゃん!!」
悲鳴を上げる妹にビシュムが近づき、言う。 「さあ、邪魔者はいなくなった。わたしのお友達になってもらうわ」 言いながら妹を抱きすくめ、その首筋に牙を立てる。少女の皮膚は紫色に 変色し、口からは牙が生え、その目から生気と意思が失われていく。 牙が抜かれたとき、妹はもう大怪人ビシュムに忠誠を誓う異形のものに すっかり変貌している。そして、この世界をビシュムに奉仕する世界に 作りかえるための密かな工作を行うため、人混みの中へ消えていく。 そんな少女をうれしそうに見届けながら、ビシュムはまた違う世界に旅立つ。 ――あらゆる世界を自在に旅するのみならず、あらゆる世界を その場に居ながらにして透視する力を備えた、全知全能に近い怪物。 そんな恐ろしい存在を、士は解きはなってしまったのであった。 <了>
- 307 名前:maledict ◆sOlCVh8kZw mailto:sage [2009/08/14(金) 02:10:55 ID:kNjpxUSc0]
- 以上お粗末でした。
それでは…
- 308 名前:maledict ◆sOlCVh8kZw mailto:sage [2009/08/14(金) 03:55:25 ID:kNjpxUSc0]
- 「バッタ男」じゃなくて「バッタ怪人」ですよね。
寝る前にふと気付いたので訂正します。お粗末
- 309 名前:舞の字がつくSS書き mailto:sage [2009/08/14(金) 09:35:04 ID:4mG0X+Ql0]
- maledict様お疲れ様でした。
映画は見てないのですが、しっかりと楽しませていただきました。 おにゃのこが改造されるのはいいですよねー。 ということで、私のほうも一本書きましたので宣伝です。 ttp://masatomaikata.blog55.fc2.com/blog-entry-1663.html 改造されるシーンというにはビミョかもしれませんが、よければ遊びに来てください。
- 310 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/14(金) 23:11:57 ID:Hn3C0dLV0]
- maledictさん
乙です! 自分も劇場版見に行ったのでなんだか脳内補充が活発にされてます! これからもSS頑張って書いてくださいね!!
- 311 名前:maledict ◆sOlCVh8kZw mailto:sage [2009/08/16(日) 21:25:29 ID:6akmznBC0]
- >>309「舞の字」様
お楽しみ頂けたというのは幸いです ブログにも感想書きましたが新作素敵でした。 >>310様 ご声援ありがとうございます 拙作が幾分かでも補充のお役に立てたとしたらうれしいです ときに、いつのまにかこんなスレが立ってたんですね おとこのこが改造されるシーン素体1人目 anchorage.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1248707976/
- 312 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/18(火) 17:03:39 ID:/g3eaP0Y0]
- >>264様
「シャリバンの女子寮」の正式タイトル教えて下さい
- 313 名前:248レスした者ですが mailto:sage [2009/08/19(水) 05:35:43 ID:SaGquO++O]
- イヤ言いっぱなしで放置してた俺としちゃあ今更ながら
>>311 には御礼しとかないけない気がしましたのでハイ…。
- 314 名前:maledict ◆sOlCVh8kZw mailto:sage [2009/08/19(水) 23:48:48 ID:1jsmmsC80]
- >>313様
あはは、妄想のネタ元の方でしたか!おかげさまでw
- 315 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/20(木) 18:22:58 ID:PEFwpbPT0]
- 誰かイラスト描いてくれないかな
- 316 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/20(木) 18:58:17 ID:umrr5lfx0]
- >>315
ピラニアの女怪人の人に新作を期待したい。
- 317 名前:名無しより愛をこめて mailto:saga [2009/08/20(木) 20:55:23 ID:0ZVRbbwT0]
- >>312 「バラの香りに満ちた真夜中のシンデレラ」
VHSだと12巻
- 318 名前:312 mailto:sage [2009/08/20(木) 21:17:14 ID:1bEeJicg0]
- ありがとうございます
- 319 名前:317 mailto:sage [2009/08/20(木) 21:49:59 ID:0ZVRbbwT0]
- 訂正 12巻→16巻
- 320 名前:名無しさん@恐縮です mailto:sage [2009/08/21(金) 00:12:11 ID:FSOoc32w0]
- 赤ジューシャに改造される女性の件、どうなった?
- 321 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/21(金) 01:55:52 ID:RblMoFj20]
- どなたか引き受けたんでしたっけ?
そういやきっしんでディケイド版十面鬼に合わせた赤ジューシャのイラスト載ってますね
- 322 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/24(月) 23:51:29 ID:Xn9XLxNa0]
- ショッカー代理人さんの新作がそろそろ見たい
- 323 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/25(火) 15:14:46 ID:mtKNzDqM0]
- つまらんからいらない。
それよりもダイレンの続きが見たい。
- 324 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/25(火) 20:30:22 ID:/gkrLZuw0]
- >>323はどうやら脳改造を施されてしまったらしい。気の毒に…
- 325 名前:名無しより愛をこめて [2009/08/25(火) 23:07:40 ID:xkDN+3er0]
- >>323
釣りでもその忌わしい名を出すな。 あのゴミSSこそいらない。
- 326 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/27(木) 08:57:23 ID:PBZsaQqd0]
- >>323
あのSS書く荒らしを召喚するヤツは氏ね
- 327 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/29(土) 07:47:50 ID:3Yyx3ycY0]
- 本人も反省してるので社会復帰を望む
- 328 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/29(土) 08:48:30 ID:5NbnJVDc0]
- >>327
なんで反省してるってわかるの? ねぇなんで? 本人だから?
- 329 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/29(土) 09:14:31 ID:RZlfrvrD0]
- 過疎ってもまだやるのかあんたら
- 330 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/29(土) 19:59:57 ID:Wf0xYM1o0]
- >>327=ダイレン
氏ね。
- 331 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/29(土) 20:46:41 ID:EHjXAjxL0]
- エロパロの方で投下がちょっと滞ると出てくるスレ終焉厨はダイレン
- 332 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/30(日) 03:05:34 ID:ubKa74g/0]
- >>323=>>327=ダイレン
今ごろ反省すんなよw 遅すぎるわ。バカじゃん。 それにしてもショカ代氏をつまらない呼ばわりか。 言っておくがお前のSSはつまらないどころか読むに値しないぞ?
- 333 名前:名無しより愛をこめて [2009/08/30(日) 23:55:10 ID:C488Ke6A0]
- 333
- 334 名前:【三分の一の選択(投下宣言)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:08:04 ID:s5jEOuV50]
- 投下します。
今回は9レス分。改造手術が始まったところまで。 微グロですが、この程度の描写はラノベでもよくあるよね。うん、全年齢全年齢。 では、どうぞ↓
- 335 名前:【三分の一の選択(陳謝)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:22:49 ID:s5jEOuV50]
- すいません、ここ1レスの文字数上限がPINK板と全然違うんですね
投下しようとして初めて気づきましたよ ここに投下するなら、大幅に書き直さないとならないなあ…… ちょっと出直してきますスマソ
- 336 名前:【三分の一の選択(訂正)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:37:43 ID:s5jEOuV50]
- 全16レスになりました……
では、どうぞ↓
- 337 名前:【三分の一の選択(1)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:38:45 ID:s5jEOuV50]
- 「――でも、もう一人の子にも訊いてみないと……、いまちょっと、いないですけど……」
「もう一人って、君たち三人で来てんの? ちょうどいいじゃん、俺らも三人だし」 「みんなで遊べば、ぜってー楽しいって」 「やろうぜビーチバレー、せっかくコート借りたけど、野郎ばっかじゃ盛り上がらねーからさ」 「うーん、どうするぅ?」 「えっ? いや……」 夏休みの海水浴場では珍しくない光景。 ナンパ、であった。声をかけたのは二十歳前後の三人組の男たち。 いずれもよく日に焼けて、髪は茶髪か金髪で、いかにも遊び慣れて見える。 声をかけられたのは十六、七歳の二人の少女だった。 パラソルの下で休んでいたところに男たちが近づいて来たのである。 少女の一人はウェーブのかかった栗色の髪をカチューシャでまとめ、大人びた顔立ちで一見、お嬢様風。 だが、凹凸に富んだ身体に赤いビキニを纏い、自分の魅力をよく理解しているようである。 男たちの誘いに乗り気で、仲間の同意を得るために「どうする?」と訊いているのが彼女であった。 名前を智花(ちか)という。 もう一人は身長一五〇センチと小柄ながら、手足がすらりと長く均整のとれた身体つき。 髪はポニーテールで、紺色のスポーティーなワンピース水着に身を包んでいる。 学校では剣道部に所属。果敢な攻撃が信条だが、いまはナンパ男を前にすっかり気後れしている。 チャラチャラした男など相手にする気はないけど、どうやって誘いを断ればいいのかが、わからないのだ。 異性に対して奥手な彼女の名前は、理恵(りえ)といった。 少女たちのうち一人は乗り気だと理解した三人組は、ここは押しの一手とばかりにまくしたてた。 「ウマいヘタは気にしなくていいよ、どうせお遊びだし、俺らもそんな慣れてるわけじゃないし」 「そうそ、砂の上で足とられっからさ、体育でバレーが得意とかでも関係なくなるし」 「いっそ俺ら男だけ罰ゲームありでもいいぜ、負けたチームの男は他のみんなに、かき氷か何か奢んの」 「女の子は負けても奢ってもらえるってこと? ねえ、面白そうだよ!」
- 338 名前:【三分の一の選択(2)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:39:40 ID:s5jEOuV50]
- 智花までが男たちに同調して、困った理恵は考え込むふりをしながら辺りを見回した。
「……でも、私たちだけで勝手には……。……あ、真琴(まこと)が戻って来た!」 理恵には救いの神が現れたように思えた。 こちらへ近づいて来るのは身長一七五センチ前後、短く切った髪に日焼けした顔の人物だ。 ロングTシャツの裾からは、艶やかな褐色の引き締まった脚が伸びている。 三人組は初め、相手が男か女かわからずに身構えた。野郎のコブ付きだとすると面倒である。 こちらは三人だし喧嘩になっても負ける気はしないが、騒ぎになってナンパを続けられなくなるのは困る。 しかしよく見れば、相手の凛々しく整った面立ちは女性的な線の細さを備えていた。 それに何より水気を吸ったTシャツは、下に着ている水着に貼りついて胸の膨らみを示している。 男たちは薄笑いで眼を見交わした。 ちょっと遊ぶだけだし、よく見りゃ美人だし、悪かねーよな? この状況から早く逃げ出したい理恵が、声を上ずらせて三人目の少女――真琴に呼びかけた。 「ねえっ、真琴! 脚どうだったっ?」 「クラゲの仕業だってさ。でも手当てとか言って監視所のオヤジ、アンモニア塗ってオシマイ。すげえ手抜き」 真琴はクラゲに刺された右の太ももを軽く叩いてみせてから、男たちに視線を向けて眉をしかめ、 「……えっと?」 「ああ、いま俺ら、一緒にビーチバレーやらないかって誘ってたとこ」 男たちは真琴に愛想よく笑ってみせた。 「そうそ、お互い三人だし、二人ずつペア組んで対戦したらちょうどいいじゃんって」 「コートとボールも借りてあるからさ、みんなで遊べば、ぜってー楽しいから」 赤ビキニの巨乳はすでにオチてるし、ポニーテールも押しの一手でオトせるだろう。 このボーイッシュな娘は手強そうだが、しかし、こいつさえ上手く言いくるめれば…… 「……ああ、ごめんなさい。あたしたち、もう帰るところだから」 真琴はさっぱり謝っているようには聞こえない事務的な口調で言った。 しかし断られるのは織り込み済で、男たちは愛想笑いを崩さない。
- 339 名前:【三分の一の選択(3)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:40:27 ID:s5jEOuV50]
- 「ええっ、まだ一時ちょっと過ぎたばかりじゃん?」
「いったいどこから来てんの? 帰るにしても早すぎじゃね?」 「もうちょっと遊んでいこうよ、せっかく海に来たのにもったいないじゃん? みんなもそう思うよねえ?」 男たちに話を振られ、智花と理恵は答えに詰まる。 「えーっとぉ……智花はいいと思うんだけどぉ、みんながどうかなぁ……」 「……私は、その……あんまり……」 「あたしたち、きのうから来て結構遊んだし、それに、もうじき親が迎えに来ますから」 真琴がきっぱりと言って、男たちの愛想笑いは苦笑いに変わった。 「そっか、親と一緒か。じゃあまあ、しょうがねーな」 「俺ら地元だし、またこっちに来て会うことがあれば、遊ぼーぜ。親と一緒じゃないときに」 「じゃ、気をつけて帰れよな」 三人組は去って行き、真琴は「……はあっ」と、ため息をついた。 それから智花を、じろりと睨み、 「きのう智花が自分で言ったんじゃん、つまんない野郎にナンパされてもシカトしようねって?」 「でもぉ、きのう声かけてきた人たちより全然カッコよかったしぃ、ビーチバレー楽しそうだしぃ……」 智花が口をとがらせて反論し、真琴は、やれやれと首を振る。 「あんなチャラ男相手にして、ビーチバレーごっこだけで済むわけないじゃん」 「そうかなぁ……向こうはオトナだしぃ、こっちが若いの見ればわかるしぃ、最初はメール交換くらいで……」 「そんなわけないでしょ、夏の海のナンパだよ?」 男たちがいなくなって平静さを取り戻した理恵が、ぴしゃりと言った。 「メル友からとか面倒なことは抜きで、エッチしたいだけに決まってるでしょ!」 「そんな悪い人たちにも見えなかったけどなぁ、地元の人とか言ってたしぃ……」 未練がましい智花に、真琴と理恵が口を揃えて、 「悪いヤツにしか見えねえよ!」「どう見てもヤリ逃げのチャラ男でしょ!」 「そうかなぁ、真琴たちがそう言うなら、そうなのかなぁ……」
- 340 名前:【三分の一の選択(4)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:41:18 ID:s5jEOuV50]
- 智花はそれでも夏の恋を諦めきれない様子だったが、真琴は放っておくことにして、
「あたし、もういっぺん泳いでくるから」 と、Tシャツを脱いで水着姿になった。帰るとか親が迎えに来ると言ったのはナンパ男を追い払う方便だ。 引き締まった体躯を包むのは鋭角なハイレッグの競泳用水着である。色は鮮やかなマリンブルー。 彼女は水泳部員であり、水着とのコントラストが際立つ褐色の肌は普段の練習の賜物だった。 一泊二日の海水浴で、いま以上に日焼けはしないと思うが、万が一のこともある。 いつもと違う水着の跡が残るのは格好悪いので、部活の練習で使っている競泳用水着を持参したのだ。 ハイレッグに周囲の(特に男の)視線が集中することは気にしていない。 そんなことは大会で慣れているし、海に入ってしまえば身体は隠せる。 ちなみに普段の練習と大会出場時とでは、ハイレッグとスパッツタイプで水着を使い分けている。 タイムは新型のスパッツタイプのほうが縮まるが、価格が割高なため普段からは着られない。 水泳部員にとって、シーズン中に毎日着用する水着は消耗品なのだ。 「あっ……私も行く」 と、理恵が立ち上がって、智花が「えぇーっ」と渋い顔をした。 「智花ひとりにする気ぃ? だったらビーチバレー、智花だけでもオッケーすればよかったぁ」 「なによ、智花はもう泳がないつもりなの? せっかくサーフマットも借りたのに」 理恵が呆れて言うと、智花は口をとがらせて、 「だってぇ、さっきも真琴と理恵だけどんどん遠くまで泳いでさぁ、サーフマットじゃついていけないのにぃ」 「あれは悪かったと思ってるよ。じゃあさ、今度は智花のそばでしか泳がないから」 苦笑いして言う真琴を、智花は拗ねたように上目遣いで見て、 「今度は裏切らないでよねぇ。智花だけカナヅチだからって、もう仲間外れは嫌だからねぇ」 「わかったわかった」 真琴と理恵は顔を見合わせ、やれやれと苦笑いした。
- 341 名前:【三分の一の選択(5)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:42:05 ID:s5jEOuV50]
- 「――朝はホテルで着替えてきたけど、帰りをどうするか考えてなかったのは失敗か」
「無料の更衣室のシャワーは水だけだもんねぇ、きのうはホテルでシャンプーしたからよかったけどぉ……」 日が傾いてきて、真琴たち三人は引き上げることにしたが、着替えの前のシャワーが問題だった。 公営の無料更衣室にもシャワーはあるが、お湯が出ないので髪や身体を洗うにはつらい。 かといって、軽く水で流しただけで帰るのは乙女心が許さない。 シャンプーと石けんでしっかり洗わなければ、髪も身体も潮でベタベタになるのだ。 貸しパラソルとサーフマットは返却したが、タオルと着替えを抱えて水着姿で立ち往生という状況。 どこかでお湯のシャワーが借りられないか訊いてみるからと、理恵は海の家の一軒に入って行った。 真琴と智花は、理恵が戻るのを待っているところだ。 「ホテルに戻ってシャワー貸してもらう? チェックアウト済だけど頼んだらダメかな?」 「貸してもらえるのかなぁ、あそこまでちょっぴり歩くしぃ……」 「借りられるかどうかもわかんないのに面倒か。なら、あきらめて水のシャワー使うしかないじゃん」 「えぇーっ、それもヤダぁ、冷たいからちゃんと洗えないもぉん……」 そのとき海の家から理恵が出て来て、真琴と智花に呼びかけた。 「ねえ、ここでお湯のシャワー貸してくれるって! かき氷か何か注文すればシャワーは無料でいいってよ!」 「おっ、理恵ナイス! よくやった!」 真琴が拍手すると、理恵は照れたように赤くなり、 「さっきは真琴に頼りきりだったから、男の人たちに声をかけられて……」 「あんなチャラ男どもは適当にあしらっとけばいいのよ、もう会うこともないだろうし」 真琴は言って、海の家を見やり、 「それにしても、こんなプレハブみたいな海の家で温水のシャワーが出るんだね」 「海岸の上にある旅館からお湯を引いてるみたい、ここの人の話だと」 「なんでもいいよぉ、早くシャワー浴びようよぉ、もう髪が乾き始めてベトベトだよぉ……」 智花が口をとがらせて言い、真琴と理恵は、やれやれと苦笑し合う。 海の家に入って行くと、時間が遅いせいか店内にいる客は二組だけだった。
- 342 名前:【三分の一の選択(6)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:43:00 ID:s5jEOuV50]
- かき氷を食べている子供連れの若夫婦と、ビールを飲んでいる中年男の二人組だ。
五人ほどいる店員は揃いの紫色のTシャツとホットパンツ姿の若い女性たちである。 空いているテーブルを拭いたり、座敷の席に掃除機をかけたりして、きびきびと働いている。 店員の一人が理恵たちに気づいて、にこやかに声をかけてきた。 「あ、いらっしゃーい。シャワーはその奥だから、貴重品があれば先にロッカーに入れて鍵をかけてね」 「はいっ、ありがとうございます」「おじゃましまーす」「おじゃましまぁす……」 店の奥にある女子ロッカー室は、少女たちの予想以上に綺麗だった。 「わあっ、結構キレイ! きっと改装したばかりかな、キレイなほうがお客さんも集まるし」 「でも海の家の外見からは想像つかなくて、客を集めるには意味なさそうじゃん」 「キレイな分には文句ないよぉ。あ、シャワーも全部個室だ、すごぉい!」 六つあるシャワーは、それぞれ個室として仕切られていた。 周りに泡が飛ぶ心配をする必要もなく、存分に髪や身体を洗えそうだ。 「アソコに入った砂を洗い流してる恥ずかしい姿も、他人に見られなくていいよね」 にやりと笑って真琴が言うと、理恵はきょとんとして、 「えっ、砂なんて入る? その……アソコに?」 「入るじゃん。海で泳いだあとは、じょりじょりでしょ」 「私、海水浴は小さいとき以来だし、よく覚えてない……」 「中学のときは、このメンバーでよくプールに行ったけど、海は初めてだもんねぇ」 智花が笑って言う。 三人はそれぞれ荷物からシャンプーとボディソープを出して、ほかのものはロッカーに入れて鍵をかけた。 「じゃ、またあとで」「うぃーっす」「出たらかき氷、食べようねぇ」 少女たちは一人ずつシャワーの個室に入り、ドアを閉めた―― 海の家の厨房には、客席から見えない位置にモニターが六台、設置されていた。
- 343 名前:三分の一の中の人 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:47:11 ID:bTRtVEToO]
- さるさんくらった…
勝手が違うなあ特撮板は(^_^;
- 344 名前:三分の一の中の人 mailto:sage [2009/08/31(月) 01:52:47 ID:bTRtVEToO]
- すいません今日はここまでです
さるさん…… 特撮板に長めのSS投下しようと思ったのが無謀だったのか... orz
- 345 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/31(月) 09:35:42 ID:om0vtjDH0]
- >>343
●持ってれば連投し放題なんだがな。
- 346 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/31(月) 10:09:44 ID:O89g9Ybo0]
- 続き楽しみに待ってます。
- 347 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/31(月) 11:39:47 ID:JqzH5psM0]
- 待ってますよ!
- 348 名前:maledict ◆sOlCVh8kZw mailto:sage [2009/08/31(月) 17:04:29 ID:dI3njuPq0]
- >>331-342「三分の一の中の人」様
最近過疎気味だったので、新人の方(と言っても他スレのベテラン?)に期待です! キャラ設定が終わって「そのシーン」が始まりかけたようで、 いい感じに盛り上がってきてますね!
- 349 名前:【三分の一の選択(7)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:11:30 ID:u7mB7hd00]
- 各シャワー室の内部を隠しカメラで撮影した映像が流れているのだ。
いま使用中のシャワーは三つで、真琴と理恵、智花が身体を洗っている様子がモニターに映っている。 店員の女が二人、客の前では見せることのない冷たい表情で、そのモニターを注視していた。 「……性別、年齢、外見的要素、三名とも指定条件に適合」 「サンプルとして捕獲する。シャワー室A、B、Cにガスを注入せよ」 「ガス注入開始」 女が手元にある操作盤のキーを叩いた。 するとシャワーのお湯が止まり、モニターの中の少女たちは戸惑っている様子だ。 『……ねえ、お湯が止まったよ?』 『何これ、時間制限アリ?』 『えぇーっ、まだ泡あわだよぉ! ちょっとぉ、お湯出してよぉ!』 だが、お湯の代わりにシャワーヘッドから噴き出したのは紫色のガスだった。 『えっ!? やだ、ガス漏れ!? 逃げなきゃっ!』 『ドアが開かない! 何よ、これっ!?』 『やだぁっ、開けてよぉっ! 誰かぁっ、助けてぇぇぇっ!!』 少女たちは口と鼻を手で覆ったり、ドアを叩いたりしたが、すぐに力が抜けて床に倒れ込む。 それを見届けたモニターの前の女が、再び操作盤のキーを叩いて、ガスの噴出は止まった。 「ガス停止。ただちにサンプルを回収せよ。対象以外の一般客に注意せよ……」 「……ううっ……」 真琴は、ゆっくりと眼を開けた。 夜更かしした翌日みたいに、ずきずきと頭が痛む。 白い天井が見えた。蛍光灯の光が眩しい。 見回すと、周りの壁も白い。広さは六畳ほどで、窓は見当たらない。金属製らしい銀色の扉だけが眼につく。
- 350 名前:【三分の一の選択(8)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:12:27 ID:u7mB7hd00]
- 自分は堅い床の上に横になっていた。
身体を起こしてみると、理恵と智花もすぐそばで仰向けに寝かされている。 二人とも病院の検査着のような薄紫色のケープを着せられていた。真琴自身も同じ格好だ。 念のため自分のケープの下を探ってみると、裸だった。下着ナシ。ノーパンノーブラである。 「ここ、どこ……病院? でも、どうしてベッドがないのよ……」 ここが病院であるとすれば、自分たちが床に寝かされていたのは変だ。患者に対する扱いではない。 そもそもシャワー室で噴き出してきたガスは何なのか。 あれを吸って意識を失った自分たちは、そのあと、どうなったのか……? 立ち上がって扉に歩み寄り、ノブを回そうとするが、鍵がかかっているのか回らなかった。 押しても引いても扉は開かない。 ますますおかしい。どうして閉じ込められているのか。 「……ねえっ! 誰かいないの!?」 ドンドンドンと強くドアを叩いて、真琴は叫んだ。 その音で理恵と智花も眼を覚ましたようだ。 「うっ……、あたま痛っ……」 「あれぇ、真琴ぉ……? なに騒いでんのぉ、うるさいじゃんかぁ……」 「なに呑気なこと言ってんの。あたしたち、閉じ込められてるみたいよ」 「ええっ!?」「何それぇ、嘘でしょぉ!?」 理恵と智花も扉に駆け寄り、ノブを試したり、激しく叩いたりしながら叫んだ。 「ねえっ! 開けてっ! 開けてくださいっ!」 「誰かぁっ! ちょっとやだぁっ、開けてよぉっ……!!」 「……くそ! 何なんだよ、ここは!?」 真琴は扉から離れて舌打ちした。靴を履いていたら壁を蹴りつけてやりたいが、あいにくと裸足だ。 「いったい何があったの? 私たち、どうなっちゃったの……?」 理恵が心細げに言うと、智花もいまにも泣きそうに、 「やだもぅ、海水浴に来ただけでしょぉ、それでシャワーを浴びてたら、なんでこんなことにぃ……?」
- 351 名前:【三分の一の選択(9)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:13:25 ID:u7mB7hd00]
- 「わかんねえ。……くそっ!」
真琴は扉の前に戻って、拳を叩きつけた。 ――がんっ! 鈍い音が響いたが、それで扉が開くわけでもない。 痛い思いをしただけの真琴は、あきらめて扉から離れようとしたが…… 「――オホホホホッ!」 女の高笑いが扉の向こうから聞こえて、ぎょっとして真琴たちは振り向いた。 「……ねえっ!?」 真琴が再び扉に駆け寄って、ドンドンドンと激しく叩いた。理恵と智花もそれに倣った。 「誰かいるのっ!? ここを開けてよっ!!」 「開けて下さいっ! どうして私たちを閉じ込めるんですかっ!?」 「ねぇってばぁっ! 開けてよぉっ! ここから出してぇっ!!」 「そこから出たいなら、アタクシと取り引きなさい」 気どった口調で女の声が告げて、真琴は腹を立てて怒鳴り返した。 「ふざけないでっ! 取り引きって何よっ!?」 「そこには、いま三人の女の子がいるわね。どの子もアタクシ好みの可愛らしい子だけど」 「…………」 真琴は呆れて、理恵の顔を見た。理恵も眉をひそめている。 頭がどうかしているのだろう。ひとを閉じ込めておいて、好みのタイプだって? しかし相手は自分のペースで言葉を続けた。 「三人のうち、二人はそのまま帰らせてあげてもよくてよ。でも、一人は残って実験につき合ってもらうわ」 「じ……実験って!?」 悲鳴のように智花が声を上げると、女の声は、ふふっと笑いを含み、 「ちょっとした人体実験よ。肉体的な苦痛はないから安心なさい。誰が残るかは、三人で話し合って決めてね」
- 352 名前:【三分の一の選択(10)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:21:19 ID:u7mB7hd00]
- 「ふざけないで下さい! そんなの決められるわけないでしょう!」
理恵が叫ぶと、女は再び「オホホホホ……!」と声を上げて笑いだした。 「なら、三人とも残るといいわ。でも、アタクシが必要なのは一人。あとの二人は処分することになるかしら」 「処分……?」 真琴が訊き返し、ドアの向こうの女が答える。 「処分は処分よ。まあ、無事に帰れるとは期待しないほうがよくてよ。……オホホホホ!」 「ちょっと待って! 待ちなさいよっ! ねえっ!!」 「待って下さい! あなたは誰なんですか!? ここはどこですかっ!?」 「ここから出してぇっ! 帰らせてよぉっ、ねぇっ……!!」 女の高笑いが遠ざかっていき、あとは真琴たちが何を叫ぼうとも返事がなかった。 「……あぁぁぁぁっ!!」 智花が両手で顔を覆い、その場にしゃがんで泣き出した。 「どうしてよぉっ!? 智花たち海水浴に来ただけでしょぉっ!? なのに、どうしてこんなぁっ……!?」 「……話し合えって言われてもさ」 理恵が、ひきつった笑顔を真琴に向けて、 「そんなの決められるわけないよ、ねえ……?」 「……くそっ!」 真琴は舌打ちして、扉から遠い壁際へ歩いていき、壁にもたれて座り込んだ。 それきり、うつむいたまま真琴が何も言わないのを見て、理恵は哀しげに首を振る。 そして自分も別の壁際へ行き、膝を抱えて座った。 智花は嗚咽を漏らしている。 真琴は、ごつんと後頭部を壁に打ちつけて、天井を見上げた。蛍光灯の眩しさが忌々しかった。 ……あたししか、ないじゃんか。 智花か理恵のどちらかを犠牲にしたら、自分は助かっても残りの人生、後悔し続けることになる。 怪しげな人体実験を受けるのは、もちろん怖い。
- 353 名前:【三分の一の選択(11)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:23:28 ID:u7mB7hd00]
- 高笑いして去った女の目的がそもそも定かではないが、きっとロクな実験ではないだろう。
自分は無事では済まない筈だ。 だが、智花か理恵を身捨てて生き延びるよりは、あるいは誰も助からないよりは、よほどいい。 真琴は意を決して立ち上がると、扉に歩み寄って、力いっぱい叩いた。 「あたしが実験台になる! だから、あとの二人を解放して!」 「真琴……!?」「真琴ぉ、どうしてぇ……?」 唖然としている理恵と智花を振り返り、真琴は笑ってみせる。 「誰も助からないより、いいでしょう? 二人でここから出られたら、すぐに助けを呼んで来て」 かつかつとヒールの足音が近づき、がちゃりと鍵を回す音がして、扉が開いた。 「決まったのね。じゃあ、こちらへいらっしゃい」 紫色の帽子とスーツを身に着けた女が、にんまりと微笑みながら言った。 年は四十前後か。整った顔立ちではあるが、紫主体の濃いめのメークに髪まで紫に染めて、派手な印象だ。 先ほどからの声の主が彼女であった。人体実験を口にするほどだから、まともな人間ではないのだろう。 そしてスーツ姿の女の後ろには、薄紫色の手術着を纏った女が四人、並んでいた。 マスクで口元を隠しているが、眼はいやらしく笑うように細めている。どうやら彼らも普通ではない。 「本当にいいのぉ、ねぇ……?」「真琴……」 恐る恐る声をかけてくる智花と理恵を振り返り、真琴は笑顔で力強く頷いた。 「あたしは大丈夫。さっき言ったこと、頼んだからね」 そして閉じ込められていた部屋を出て、スーツ姿の女のあとについて歩き出した。 手術着姿の女のうち、二人が真琴に続く。 だが、あとの二人は部屋の前に残ったまま、嘲笑するような眼を理恵と智花に向けている。 「……わ、わたしたちは帰らせてもらえるんですねぇ……?」 智花が恐る恐る言うと、手術着の女たちは、ニィッと眼を細めた。 「その前に、いま出て行った娘の実験を、オマエたちにも見学してもらう」
- 354 名前:【三分の一の選択(12)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:27:48 ID:u7mB7hd00]
- 真琴は紫色のスーツを着た女のあとを歩いて行く。
廊下も壁と天井が白く塗られているが、窓はない。もしかすると地下なのかもしれない。 「……あの、訊いてもいいですか?」 真琴が声をかけると、女は振り返らずに、笑いを含んだ口調で答えた。 「ええ、どうぞ。アタクシが答えられる範囲で答えてあげる」 「ここはどこで、あなたは何者ですか?」 「ここはアタクシたちの組織の秘密基地。アタクシが誰かは、もう少しあとで教えるわ」 「いま言えないのは、言ったらあたしが逃げ出すと思ってるんですか?」 「逃げてもいいけど、お友達はまだ解放してないわよ。見捨てるつもりならご自由に」 「それなら最初から、あたしが実験台になるなんて言いませんよ。組織って、何の組織ですか?」 「どこの国の法律にも縛られない国際的なグループ。手術室に着いたら、もっとちゃんと説明してあげる」 「手術室? 実験って、何か手術されるんですか……?」 声に怯えの色が混じった真琴を振り返り、紫のスーツの女は、にんまりと笑った。 「肉体的な苦痛はないわ。それに、アナタなら身体も鍛えられているようだから失敗の危険も少ない」 「危険って、もし失敗したら、どうなるんですか……?」 「そんな心配は、するだけ無駄よ。アナタはもう実験台になるしかないんだから。ほら、そこが手術室」 その場所はテレビのドラマやドキュメンタリーで見る病院の手術室にそっくりだった。 天井に大きな丸い照明器具があって、部屋の中央に手術台が置かれて、周りには何かの電子機器がいくつか。 真琴はこれまで大きな怪我にも病気にも遭わず、手術室に入ったことはなかった。 生まれて初めてその場所を訪れるのが、怪しげな人体実験のためだとは…… 紫のスーツの女が告げた。 「じゃあ、ケープを脱いで、手術台に上がりなさい」 「は……裸になるんですか?」 真琴が呆れて訊き返すと、女は、くすくすと笑い、 「いまさら恥ずかしがることないでしょう? そのケープを着せてあげたのは、アタクシたちよ」
- 355 名前:【三分の一の選択(13)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:32:15 ID:u7mB7hd00]
- 「……わかりました、脱げばいいんでしょう」
真琴は腹いせにケープを足元に脱ぎ捨て、手術台に上がって身を横たえた。 「これでいいですか?」 「ええ。あなた、よく日に焼けてるわね。カッコイイわ」 女は真琴の身体を無遠慮にじろじろと眺めた。 くっきりと水着の形状が日焼けせずに残った、きめ細やかな肌。 仰向けになっても形の崩れない張りのある乳房。腹筋の浮いた臍周りに、恥毛を丁寧に整えた下腹部―― 「日焼けが実験に何の関係が……、……痛ッ!?」 ふてくされて言いかけた真琴が、突然の痛みに呻いた。 手術着姿の女の一人が真琴に近づき、隠し持っていた注射器の針を首筋に突き立てたのだ。 「なっ、何……!? ねえ、何したの!?」 「神経をブロックするお注射よ。痛みは感じなくなるけど手足も動かせない、実験には最適のおクスリ」 紫のスーツの女が、にんまりと笑って答えた。 「さて、タネ明かしよ。アタクシの名前はプリンセス・テンニョ、《ショッカー・ノルド》の大将軍様よ」 「ショッカー!? ショッカーって、だって大昔に壊滅した筈じゃ……!?」 真琴が唖然として叫ぶと、テンニョと名乗った女は、くすくすと笑い、 「大昔とは悲しくなるわね。若いアナタがショッカーの名前を知ってるのは偉いけど」 「話に聞いただけだけど、改造人間を使って世界征服を目論んだ秘密結社って……」 真琴は、はっと眼を見開いた。 「まさか……手術って改造!? ねえ、あたしを改造人間にする気!?」 「ご明察。ストレートに改造手術と言うと、あなたたち三人とも拒否するかも知れないでしょう?」 テンニョは、にんまりと笑って、 「それに成長期の若い子は移植する組織が適合するかリスクもあるから、あえて実験という言い方をしたの」 「やめてよっ! だってショッカーとか改造人間とか大昔の……やだァッ! 改造なんてヤメてよォッ!」 真琴は悲鳴を上げた。
- 356 名前:【三分の一の選択(14)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:39:43 ID:u7mB7hd00]
- だが、手足はまるで動かない。拘束されているわけでもないのに逃げることができないのだ。
「イヤァァァァァッ! 誰かッ、誰か助けてェェェェェッ!! 改造なんてやだァァァァァッ!!」 「アナタとても素敵よ、普段は気の強い女の子が泣きだしちゃう姿って、ゾクゾクするわァ」 テンニョは「オホホホホ……!」と声を上げて笑った。 「それと勘違いしてるようだから訂正しておくけど、アタクシたちの組織は《ショッカー・ノルド》よ」 「なッ……何が違うのよッ!?」 喚く真琴に、テンニョは微笑み、 「元はショッカー北極支部の残党だけど、アタクシたちは世界征服なんて高望みはしてないの」 「じゃあ、何が目的よッ!? 何のためにあたしを改造人間にするのッ!?」 「あなたみたいな綺麗な女の子を使った改造人間は高く売れるのよ、《ペット》兼《番犬》として」 テンニョは再び「オホホホホ……!」と高笑いした。 「アタクシたちが求めるのは富と快楽! それを得るための手段は選ばないの!」 「ねえッ、ヤメてよッ、そんなッ! あたしを改造したってムダだからッ!」 真琴はひきつった笑顔で懇願した。 「あたしなんて色は黒いしよく男と間違われるし、綺麗とか絶対違うからッ! 全然売れないからァッ!」 「アタクシがアナタを気に入っちゃったのよ。お友達のために自分が実験台になると申し出たアナタをね」 テンニョは、くすくすと笑い、 「初めは売り物にする改造人間の素体を探してたけど、アナタは勿体ないから、アタクシが飼うことにしたの」 「ふざけないでよッ! 改造とかペットとか……誰かァッ! 誰かいないのッ!? 助けてェェェッ!!」」 そのとき――手術室にある二方向の出入口の扉が同時に開き、真琴は、はっと息を呑んだ。 一方の、真琴も先ほど通った出入口からは、車椅子に縛りつけられた理恵と智花が入って来た。 手術着姿の二人の女が車椅子を押している。 「……真琴っ!」「……真琴ぉっ!!」 理恵と智花が悲鳴のように叫び、真琴も二人の名を呼び返す。 「……理恵ッ! 智花ッ!」
- 357 名前:【三分の一の選択(15)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:42:55 ID:u7mB7hd00]
- そして、もう一方の出入口からは、手術着姿のもう一人の女が「何か」を載せたカートを押して入って来た。
真琴には、それが何かわからなかった。 赤黒かったり艶のある鉛色だったり、いかにも生々しい色合いの、ぶよぶよと蠢いている何か―― 「さあ、舞台が整ったわ。アナタが改造人間になるところを、お友達に見てもらいましょうね!」 テンニョが言って、高笑いした。 「まずは心臓移植からよ! クローン生成した強化心臓を、アナタの胸に埋め込んであげる!」 運ばれて来たカートには手術道具も載っており、手術着姿の女がメスを手にして真琴の眼前に突きつけた。 真琴は泣き叫んだ。 「やだァッ! お願いッ、ヤメてェッ!! 改造なんてイヤァァァァァッ!! 手術なんてヤダァァァァァッ!!」 メスを手にした女が、ニッと眼を細め、真琴の乳房の間にメスを突き立てた。 「……アアアアアアアアッ!! アアアアアアアアッ!! イヤァァァァァァァァッ……!!」 真琴は絶叫した。痛みはない。肉体的には何も感じていない。 だが、メスは確実に、彼女の身体を抉っている。 乳房の間から臍の上まで、メスは皮膚と皮下脂肪を深々と切り裂き、真琴の身体から離れた。 「……あぁぁぁぁ、あぁぁぁぁ、あぁぁぁぁっ、あぁぁぁぁ……」 恐怖の度が過ぎたのか、真琴は虚ろな眼をして、かすれた声を上げる。 「……もうやだぁ……こんなのやだぁ……やめてよぉ……」 智花は泣きながら眼を背けたが、車椅子の後ろに立つ女に、無理やり手術台へ顔を向けさせられた。 「ちゃんと見るのだ。あの娘はオマエたちの身代わりとして改造手術を受けているのだぞ」 「お願いっ、手術なんてやめて下さいっ! 真琴が死んじゃうっ!」 理恵が叫ぶと、テンニョは、にんまりと笑って答えた。 「死にはしないわよ。ここまでの手順は普通の心臓手術と同じだもの」 メスを置いた執刀医の女は、今度は医療用の鋸をつかんで真琴の胸骨を切り開いた。 それから、もう一人の手術着姿の女にも手伝わせて、切り口を開胸器で広げて固定する。 さらに心嚢をメスで切り裂き、脈打つ心臓を露出させた。
- 358 名前:【三分の一の選択(16)】 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:45:36 ID:u7mB7hd00]
- 「……やだぁっ、お願いぃ、もうやめてぇ、助けてぇぇぇ……」
泣いて哀願する真琴の眼の前に、執刀医の女は今度は、両手で抱えた移植用の臓器を掲げてみせた。 それは赤黒い肉の塊で、表面には血管であるのか黄色い筋がいくつも走っている。 そして、その肉塊は単体で生きているかのように、どくどくと脈動していた。 ――心臓さながらに。 「……ひぃっ……!」 かすれた悲鳴を上げた真琴に、テンニョは、くすくすと笑いながら告げた。 「あなたの新しい心臓よ。身体に埋め込んだら、すぐに周りの組織と融合して完全にアナタの一部になるわ」 「……お願い、ペットでも何でも言うこときくから、改造だけは赦して……もうやめてェ……」 真琴は泣きながら、すがるように言ったが、テンニョは笑顔のまま首を振る。 「ただの人間のアナタに興味はないの。改造人間にしてこそペットとして飼う価値があるのよ」 テンニョが執刀医の女に頷きかけ、怪物じみた臓器が真琴の胸に押し込まれた。 「あああああっ……あ、熱い……胸が、熱いぃ……!」 真琴は呻いた。首から下の感覚を喪っていたのに、異形の臓器を埋め込まれた途端、その部分に熱を感じた。 「心臓が身体に馴染み始めたわ。熱を感じるのは、神経ブロックの効果より移植した臓器の力が強いせいよ」 テンニョが笑顔で説明した。 「さて、胸の手術のついでに、新しいオッパイも移植しちゃいましょうか。素敵な改造オッパイをね」 「もうやめてっ! これ以上、真琴に酷いことしないでっ!! 真琴が何をしたっていうの!?」 理恵は真琴を救いたい一心で必死に叫んだ。 「……あぁぁぁぁっ、もうやだぁ、もう帰らせてぇ、怖いのやだぁぁぁ……!」 智花は恐怖のあまり、すすり泣いている。 テンニョは理恵がどれだけ叫ぼうが意に介さず、にんまりと笑って真琴に告げた。 「人間のオッパイは赤ちゃんに飲ませるお乳を出すけど、アナタのオッパイは毒液のタンクになるのよ」 それは女としての尊厳を踏みにじる宣告だったが、真琴にできたのは、泣いて慈悲を求めることだけだった。 「……お願い、もうやめて……、……もう、あたしを改造しないで……」
- 359 名前:三分の一の中の人 mailto:sage [2009/08/31(月) 21:50:29 ID:bTRtVEToO]
- 今回分の投下終了宣言しようとしたら
またさるさん喰らった…… 真琴さんの更なる改造は後日 前回投下時に感想レス下さった方、ありがとうございます では!
- 360 名前:maledict ◆sOlCVh8kZw mailto:sage [2009/08/31(月) 22:04:52 ID:dI3njuPq0]
- 友達二人に見られながらの、メスによる改造手術!いいなあ
- 361 名前:maledict ◆sOlCVh8kZw mailto:sage [2009/08/31(月) 22:06:32 ID:dI3njuPq0]
- あと、素体おにゃのこが「改造人間」のなんたるかを一通り知っているらしいのもいい感じです
細切れレスすみません。
- 362 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/08/31(月) 22:12:22 ID:AU6T86Rk0]
- こんな気になる所で、規制で後日とか生殺しすぎる
被験者が自分の手術の様子を見せ付けられながら 改造されるシチュがドストライクなので正座して待っています
- 363 名前:名無しより愛をこめて [2009/09/01(火) 00:00:44 ID:bIShbg820]
- 児童誌の紹介でジバンで子供がホルマリン漬けみたいにされてる絵があったが
知ってる人いるかな
- 364 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/01(火) 08:49:22 ID:zUXUln8K0]
- ダイレンに読ませたいSSだね
- 365 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/01(火) 12:06:20 ID:cX7SAVxg0]
- ああ、おそらく「青蛾」「ハチ」の作者様だ。
ショッカー・ノルドとプリンセステンニョ様お久しぶりです。 前作も楽しませていただきましたが、今作も続きが非常に楽しみです。 素敵なお話をありがとうございます。
- 366 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 01:48:35 ID:X/79Bmga0]
- ちょうど新作が上がったところなんですが、今のタイミングでの投下はあんまりよくないですよね。
【三分の一の選択】が完了してから投下しようと思います。
- 367 名前:三分の一の中の人 mailto:sage [2009/09/02(水) 05:17:30 ID:0bILLFvRO]
- > ショッカー代理人様
こちらが次の投下まで間が開いてしまうので ぜひ新作を投下なさって下さい お気遣い頂きありがとうございます BBS PINKでさるさん喰らったことないんだけど 一レスの上限文字数とか 板によって色々と違うのですね…
- 368 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:04:01 ID:X/79Bmga0]
- うーん・・・
それではお言葉に甘えて先に投下させていただきます。 いつものようにお目汚し失礼いたします。 あと、途中でばいばいさるさんが出て投下が止まる可能性がありますが、 次の投下まで少しお待ちいただければと思います。
- 369 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:06:23 ID:X/79Bmga0]
- 「うーん・・・気持ちいい」
うんと伸びをして新鮮な空気を胸いっぱいに吸う。 高原のひんやりとした空気が肺の中にしみこむようだ。 目の前に広がる森と湖の景色もすばらしい。 こうして出かけてきたことが茜(あかね)は心からよかったと思えた。 「どう? 来てよかったでしょ?」 ヘルメットを脱いでハンドルに引っ掛ける智子(さとこ)。 赤いライダースーツが高原の緑に映えている。 「うん、よかったぁ。バイクでドライブなんて初めてだから不安だったけど、来てよかったよ」 茜もヘルメットを脱いで髪を梳く。 「もう、バイクの場合はツーリングって言うのよ。ドライブは車の場合」 「あ、そうなんだ。知らなかった」 智子に指摘されて素直にうなずく茜。 今回初めてのバイクでの遠乗りに参加した茜は、参加してよかったと感じていた。 「智子、茜、こっちこっちー」 博子(ひろこ)と香苗(かなえ)が呼んでいる。 四人は同じ城東大学の学生で、バイク好きの博子と香苗に引っ張られるようにして茜もバイクを乗り始めたのだった。 自動販売機で炭酸飲料を買い喉を潤すと、遠乗りの疲れがすうっと引く。 不安だったツーリングも、仲のいい友人たちのおかげで楽しいものになっていた。 「そういえばバイクの調子はどう? 中古だから不安だって言ってなかったっけ?」 智子が茜に聞いてくる。 「うん、それがね、いい人にめぐり会っちゃったの」 「「いい人?」」 三人が一斉に茜を見る。 「うん。立花さんって言ってスナックのオーナーさんなんだけど、先日エンジンの調子が悪くて立ち往生していたら、どうしましたって声かけてくれたの」 茜はそのときのことを思い出す。
- 370 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:07:20 ID:X/79Bmga0]
- バイク初心者の茜は突然止まってしまったバイクに途方にくれていた。
そのときに声をかけてくれたのが立花藤兵衛だった。 たまたま車で通りがかった藤兵衛は、止まったバイクを前にどうしたらいいのか困っていた茜に声をかけ、持ち前の技術でバイクを直してくれたのだ。 どうもほんのちょっとしたことだったらしく、部品を交換することもなく機嫌を直したエンジンに茜は驚いた。 お礼を言う茜に藤兵衛は、ちょっと照れながらもたいしたことではないと言いその場を後にしようとしたが、茜は今度ツーリングに行くことを告げてバイクの調整をお願いできないかと申し出、渋る藤兵衛にバイクの調整をしてもらったのだ。 「へえー、スナックのオーナーさんねぇ」 「うん、すごく渋くてかっこいい人よ。ああいうおじさん好きだなぁ」 茜は本気でそう思う。 恋するとまでは思わないが、人生の先輩としてああいうおじさんにはあこがれるのだ。 「はいはい、茜はおじさん好きと」 「もう、そんなんじゃないって。今度みんなにも紹介するわよ。バイクのことすごく詳しいんだから」 「はいはい」 むきになる茜に三人は苦笑する。 湖畔でのひと時は楽しいものだった。 「ねえ、あれ何かしら」 突然博子が林の中を指差した。 残りの三人がそちらを向くと、林の中で人影がちらほら動いているのが目に入る。 茜は最初ハイキングにでも来た人たちだろうと考えた。 だが、どうもそんな雰囲気ではないことがすぐにわかった。 全身を黒尽くめにし、ベレー帽をかぶった男たちに加え、大きな頭に六角形の複眼をつけ角を生やした異形の化け物が歩いていたのだ。 「ひっ」 そのあまりの異様さに、茜は声を押し殺すことができなかった。 「きゃぁぁぁぁぁ」 声を押し殺せなかったのは茜だけではなかった。 香苗も大きな悲鳴を上げてしまったのだ。 だがこのことで黒尽くめの男たちがこちらを向く。 茜たちのことが気付かれたようだった。
- 371 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:10:13 ID:X/79Bmga0]
- 「逃げるよ。早く」
口元に手を当てておののいている香苗の腕を引っ張る智子。 茜もすぐに自分のバイクに駆け寄る。 なんだか知らないけれど見てはいけないものを見てしまった気がする。 このままここにいてはよくないことになりそうだ。 四人はそれぞれバイクにまたがり、急いでエンジンをかけていく。 その間にも黒尽くめの男たちは林から彼女たちのほうへと向かってくる。 焦る気持ちを必死で抑え、どうにかヘルメットをかぶって走り出す。 ほかの三人も次々とバイクをスタートさせ、湖畔の駐車場を飛び出した。 バックミラーに映る黒尽くめの男たちの姿が遠ざかり、茜はホッと胸をなでおろした。 「きゃあっ!」 湖畔から山道に差し掛かったところで、突然先頭の智子が転倒する。 「危ない!」 急ブレーキをかけて間一髪巻き込まれるのを回避する茜。 後続の二台も急ブレーキで停止する。 「智子、大丈夫?」 すぐにバイクから降りて転倒した智子のバイクに近寄る茜。 だが、奇妙なことに気が付いた。 転んだバイクと智子に、奇妙な白い紐のようなものが絡まっているのだ。 「な、何これぇ? ねばねばして取れないよ」 智子はバイクと自分に絡まる白い紐を何とかして剥がそうとしているが、どうやら紐がくっつくようで取れないらしい。
- 372 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:11:58 ID:X/79Bmga0]
- 「待ってて、今手伝うわ」
茜は智子にへばりついた白い紐に手を伸ばす。 「きゃあっ」 「いやあっ」 そのとき背後の二人が声を上げ、茜は振り向いた。 すると、博子と香苗にも白い紐がまとわりつき、二人は地面に転がってもがいている。 「えっ? 何なの?」 何がなんだかわからない茜。 だが、茜にも白い紐が降りかかり、体の自由を奪ってしまう。 「きゃあっ」 思わず茜も倒れこみ、ねばねばする紐に身動きが取れない。 必死でもがいても、もがけばもがくほど紐は絡まってくるのだった。 「ほほほほほ・・・逃げられるとでも思っていたのかしら」 山道の脇の林から声がする。 「だ、誰? 誰なの?」 紐に絡まれながら、博子が叫ぶ。 あわよくば誰かに助けに来てもらおうというものだったが、このあたりはめったに人が来ない穴場のため、彼女たちのほかには誰もいない。 「ほほほほほ・・・私は偉大なる組織ショッカーの改造人間蜘蛛女。お前たち、おとなしくしなさい」 林の中から現れた姿に茜は息を飲む。 それはさっき見た異形の人影。 毛むくじゃらの頭に六角形の複眼を三つ重ね、額には角のような触角が伸びているが、口元には赤い唇が笑みを浮かべている。 赤と緑の縞に覆われた体には毛がところどころ生えているが、そのラインは柔らかく、腰はくびれて形よい胸がつんと上を向いていた。 すらりとした脚も赤と緑の縞模様に覆われているが、ひざ下は黒いロングブーツを履いたようになっており、高いヒールが足を綺麗に見せている。 背中に網目模様のマントを羽織ったその姿は、まさに蜘蛛と女性の見事な融合というべきものだった。
- 373 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:13:31 ID:X/79Bmga0]
- 「そんな・・・バイクで逃げたのに・・・」
「ほほほほほ・・・そのようなもので逃げおおせるはずが無いわ。樹木を伝えば簡単なこと」 智子のつぶやきにわざと答え、ゆっくりと歩いてくる蜘蛛女。 腕を組んで彼女たちを見下ろしている。 「うふふふ・・・でもお前たちは使えそうね。素体捕獲のための手駒になってもらおうかしら」 「私たちをどうするつもりなの?」 「いやぁっ! 助けてぇ!!」 茜は恐怖に震え、香苗は泣き叫ぶ。 「お黙り! さあ、お前たち、この娘たちを連れて行きなさい」 「「イーッ」」 いつの間にか現れた黒尽くめの男たちが蜘蛛女に敬礼する。 蜘蛛女の糸に巻きつかれた茜たちは、なすすべもなく連れて行かれてしまうのだった。 ****** 「う、ううーん・・・」 ひんやりした床の上で目を覚ます茜。 気が付くと彼女は下着だけの姿で寝かされていた。 「ヒャッ!」 あわてて起き上がると、周りにはほかの三人も同様に下着姿で寝かされていることがわかる。 「お、起きて。みんな起きて」 すぐに手近な智子から順にみんなを起こす。 下着姿だが同性同士だしほかに着るものもなさそうだ。 三人はすぐに目覚めて自分たちが下着だけであることに驚愕する。 だが、手近には何もなく、どうやら地下室か何かのようで窓一つない。 コンクリートの壁と床だけで、一面が鉄格子になっている。 まさに牢屋というしかない部屋で、彼女たちは自分が捕らえられてしまったということを実感した。
- 374 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:14:33 ID:X/79Bmga0]
- 「どうして・・・どうしてこんなことに・・・」
香苗がさめざめと泣き始める。 お嬢様な所がある香苗には、こんな状況は耐えられるものではないのだ。 「香苗・・・」 いつも仲のよい博子が香苗のそばに座ってそっと肩を抱く。 茜も泣き出したいほど不安だったが、泣いても仕方がないと思いグッとこらえていた。 「鉄格子の向こうは廊下か・・・その先はちょっとわからないね」 鉄格子を掴んでその向こうを覗き込んでいた智子が振り返る。 こういうときはいつも冷静な智子の存在が頼もしい。 「鍵もがっちりかけられているし・・・ちょっと抜け出せそうに無いわね」 「そう・・・」 だが、あからさまに抜け出せないといわれるとちょっとがっかりしてしまう。 博子と香苗もうつむいてしまった。 「これから私たちどうなるのかしら・・・」 「わからない。わからないけど・・・きっと身代金目当てかもしれない」 茜の質問に智子はそう答える。 それが一番わかりやすい理由だからだ。 それ以外の目的など想像も付かない。 せいぜい陵辱されることぐらいだが、それならとっくにされているはずとも思えた。 「身代金ですか? 父に・・・父にお願いすれば何とかなるかも・・・」 銀行の支店長である香苗の父ならばそうかもしれない。 だが、それにしたって香苗以外の身代金を払いはしないだろう・・・ 一般企業の係長である茜の父には身代金など無理な相談だ。
- 375 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:17:52 ID:X/79Bmga0]
- 「ほほほほ・・・どうやら目が覚めたようね」
「ひいっ!」 「きゃぁっ!」 突然現れた蜘蛛女に茜たちは悲鳴を上げる。 黒尽くめの男を二人従えながら、蜘蛛女は腕組みをして鉄格子越しに茜たちを眺めていた。 「あ、あなたたちはいったい?」 「私たちをどうするつもりなんですか?」 「出して! ここから出してください!」 口々に訴える茜たち。 だが、蜘蛛女は悠然と構えて口元に笑みを浮かべていた。 「ふふふふ・・・私たちはショッカー。偉大なる首領の下、世界を支配するすばらしい組織よ」 「ショッカー?」 「世界を支配?」 蜘蛛女の言葉に唖然としてしまう茜たち。 だが、それが狂者の妄想とは思えない迫力を持っている。 「お前たちにはこれから改造手術を受けてもらうわ。私ほど徹底したすばらしい改造手術ではないけれど、それでもショッカーの一員としての能力は充分に発揮できる体になるの。どう? 素敵でしょ?」 「改造?」 「手術?」 思わず聞き返してしまう。 この蜘蛛の化け物が何を言っているのか茜たちにはさっぱり理解できないのだ。
- 376 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:18:56 ID:X/79Bmga0]
- 「うふふ・・・すぐにわかるわ。改造手術のすばらしさが」
「あなたも改造されたというの?」 「ええ、そうよ」 智子の質問に対する蜘蛛女の答えは、茜たちを驚かせた。 この蜘蛛の化け物が元は人間だったというの? 茜には信じられないことだ。 「私は器械体操をやっていただけのつまらない女だったわ。でも、私は偉大なるショッカーに選ばれて改造手術をしていただいたの。 ふふふ・・・見て、この体。最高だと思わない? わたしはもう人間なんかじゃ無いわ。偉大なるショッカーの改造人間蜘蛛女なのよ。ほほほほほ・・・」 口元に手を当てて高笑いする姿に茜は唖然とする。 狂っているわ・・・ そうとしか思えない茜だった。 「さて、おしゃべりはこのぐらいね。まずはお前。出なさい」 組んでいた腕を解き、香苗を指差す蜘蛛女。 「ええっ?」 香苗を真っ青になって博子の腕にすがりつく。 「な、なぜ彼女なの?」 博子が香苗をかばうようにして抱きしめた。 「ふふ・・・その女が精神的にもろそうだからよ。改造にそぐわないと判断されるかもしれないわ。不用品は早めに処分したいのよ」 冷たい笑みを浮かべて言い放つ蜘蛛女。 それを聞いた四人は青ざめて言葉が出なかった。 「さあ、その女を連れ出しなさい」 「「イーッ!」」 奇声を発して牢内に入ってくる黒尽くめの男たち。 その間もほかの三人が逃げ出せないように蜘蛛女が見張っている。 「いやっ! いやぁっ!! お願い、助けてぇ!!」 香苗は博子から引き離され、無理やり黒尽くめの男たちに連れ出されてしまう。 入り口を再び閉ざし、香苗を引きずるようにして連れて行ってしまう蜘蛛女たち。 後には残された三人のすすり泣きだけが響いていた。
- 377 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 21:20:24 ID:X/79Bmga0]
- ******
どのくらい時間が経っただろうか・・・ 泣き疲れて放心したようになっていた三人は、牢に近づいてくる足音に気が付いた。 顔を上げた三人は、牢の前に再び蜘蛛女と黒尽くめの男たちがいることに気が付いたが、そこにもう一人加わっていることに驚きを隠せなかった。 「香苗?」 「香苗なの?」 博子と智子が口々にそうつぶやく。 新たに加わっていたのは先ほど連れて行かれた香苗だったのだ。 だが、その姿は連れて行かれたときとはまったく違っていた。 体にピッタリとした黒いレオタードを身に着け、網目のタイツを穿いている。 腰には赤いサッシュを、首にも赤いマフラーを巻き、何より異様なことに顔に赤と緑のペイントをべったりと施しているのだ。 「香苗・・・その姿はいったい?」 「ほほほほほ・・・お前たちのお友達は、我がショッカーの女戦闘員に生まれ変わったのよ。そうでしょ? 女戦闘員18号」 「イーッ! そのとおりです蜘蛛女様。私は偉大なるショッカーの一員、女戦闘員18号です。イーッ!」 蜘蛛女の問いかけに右手を斜め上に上げて答える香苗。 あまりのことに茜たちは声が出なかった。 「ふふふ・・・さあ、次はお前よ。女戦闘員18号、その女を引きずり出しなさい」 茜は目の前が真っ暗になる気がした。 蜘蛛女が指差したのは茜だったのだ。 「イーッ! かしこまりました蜘蛛女様」 いまや相手側の一員になってしまった香苗が牢内に入ってくる。 そしておびえる茜を無理やり引きずりだそうとするのだ。 智子と博子が止めようとするが、香苗は信じられないほどの力で智子と博子を引き剥がす。 そして茜の腕を掴むとそのまま牢の外へと連れ出した。
- 378 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 22:17:16 ID:X/79Bmga0]
- 「やめて・・・お願い香苗・・・やめてぇ」
茜は必死に抵抗する。 だが、香苗の力はとても強く、振りほどくことはできなかった。 「おとなしくしなさい。お前は偉大なるショッカーに選ばれたのよ。光栄に思うことね」 べったりとフェイスペイントを施した香苗が冷たく笑う。 先ほどまでの香苗とはとても思えなかった。 やがて茜は薄暗い部屋に連れ込まれる。 そこには円形の台がしつらえられ、周囲にさまざまな機械類が明滅していた。 そして白衣を着た不気味な男たちが台の周りを囲み、茜を待ち構えているようだった。 「いや! いやぁっ!!」 何とか逃れようとする茜だったが、香苗だけでなく黒尽くめの男にも腕をつかまれ逃げることができない。 とうとう茜は台の上に載せられ、両手両脚を枷に嵌められるのだった。 「お願い・・・助けて・・・許して・・・」 誰に助けを請うているのか、誰に許しを得ようとしているのかもうわからない。 ただ茜はこの状況から逃げ出したかった。 早く悪夢から覚めたかった。 「これよりこの女の戦闘員への改造を行なう。細胞強化薬と補助機関の埋め込み開始」 香苗同様に赤と緑に顔をべったりと塗った白衣の男たちが茜に群がってくる。 下着を取り去り、腕に注射をし、メスを輝かせて切り刻む。 茜にはもう何がなんだかわからない。 体が火照りむずがゆいような痛いような微妙な感覚が全身を走る。 麻酔のせいなのか頭はぼんやりし、体のあちこちをいじられているのが気にならない。
- 379 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 22:18:50 ID:X/79Bmga0]
- しばらくそうした状態が続いたのち、白衣の男たちは満足そうにうなずきあう。
そして、用意された衣装を着せ、頭部にリングをはめ込んだ。 衣装は女戦闘員用の強化レオタードと網タイツ。 頭部のリングは簡易脳改造用のリングである。 やがてリングが明滅すると、茜の中に奇妙な気もちが浮かんできた。 私は選ばれたのだ。 偉大なるショッカーの一員として選ばれたのだ。 世界は偉大なる首領様のもの。 ショッカーこそが世界を支配する組織。 自分はその尖兵となって働かねばならない。 それこそが喜び。 それこそが生きる全て。 私は偉大なるショッカーの女戦闘員。 明滅の終わったリングをはずし、手足の枷もはずされる。 茜はゆっくりと立ち上がり、ブーツを履いて赤いサッシュとマフラーを巻いていく。 その顔には改造終了の赤と緑のフェイスペイントが塗られ、口元には冷たい笑みが浮かんでいた。
- 380 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 22:22:45 ID:X/79Bmga0]
- 『改造が終了したようだな』
頭上のワシのレリーフが明滅し、重々しい声が響いてくる。 茜はスッと右手を上げ、背筋を伸ばして敬礼した。 「イーッ! 私は偉大なるショッカーの女戦闘員19号です。ショッカーに永遠の忠誠を誓います」 もはや彼女は茜という名前ではなくなっていた。 ****** 「ふふふふふ・・・あれが今回のターゲット、本郷猛よ」 蜘蛛女が背後に控える女戦闘員たちに指し示す。 そこにはバイクに乗って颯爽と疾走する一人の青年がいた。 「彼こそ我がショッカーの改造人間にふさわしい素体。さあ、お前たち、あの男を拉致してくるのよ」 「「「イーッ! かしこまりました、蜘蛛女様」」」 いっせいに右手を上げて敬礼する女戦闘員たち。 その中にはかつての茜を始め四人の姿が混じっていた。 彼女たちは何のためらいもなくヘルメットをかぶると、バイクにまたがり走り出す。 偉大なるショッカーのために本郷猛を拉致するのだ。 与えられた任務に向かう女戦闘員19号は幸せだった。 END
- 381 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/02(水) 22:29:19 ID:X/79Bmga0]
- 以上です。
お目汚しでした。 よろしければ感想などお聞かせいただけるとありがたいです。 それでは失礼いたします。
- 382 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/03(木) 01:31:36 ID:+jrNEvlL0]
- >>381
今回の改造シーンは案外あっさりめですな。 シュチュは良さ気ですが。 次回は蜘蛛女の誕生ネタでお願い出来れば。 人間体から蜘蛛女に変身する官能的シーンとか読んでみたいッスw
- 383 名前:名無しより愛をこめて [2009/09/03(木) 01:46:08 ID:dMipN79I0]
- ショッカー代理人さん乙でした。
女戦闘員への改造シーンは個人的には女怪人より好きなシチュエーションなので感激です。 そういえば以前書かれたカビビンガでの双子の少女の女戦闘員バージョンも魅力的でしたね。彼女たちの改造プロセスを書かれたSSはないのですか? 後女戦闘員たちのその後なんかみたいです。何かの作戦で基地が破壊されて悲鳴をあげて逃げまどいながら絶命するシーンとか。 昔キカイダーの最終回でダークの崩壊時に基地が自爆した時女アンドロイドマンが悲鳴を上げて逃げ惑うシーンを見てこれがショッカーの女戦闘員ならなあと思ったことがあったので(^^;。 いろいろわがまま書いてすみません。いずれにしてもお疲れ様でした。
- 384 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/03(木) 08:54:04 ID:Ymuk8UNC0]
- 本編に続く設定は評価するが、内容は萌えなかった
- 385 名前:maledict ◆sOlCVh8kZw mailto:sage [2009/09/03(木) 16:49:16 ID:82ohHPst0]
- >ショッカー代理人様
お疲れ様でした。確かにあっさり目ですが、女戦闘員というのが意外性があって楽しめました。 茜たちがバイクに乗っているあたりに、恒例の原作オマージュがある感じがしました。 たしかによく考えてみると、いつもと同じ手法で「この話」を書いてしまうと、 脳改造未遂のバッタ女が出来上がってしまいかねないですね(w 他の方の言うとおり、もう少し詳しい戦闘員改造の描写や、 あるいは、ベースになる話がないのが難しいかも知れませんが、 蜘蛛女誕生の経緯もたしかに読んでみたいです。 後者はショッカーの日本での初期の暗躍、という感じになるでしょうか。
- 386 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/03(木) 17:22:41 ID:/6HCdEto0]
- なんかショカ代氏を軽く叩いてる連中がいるな。
こともあろうに伝説の荒らし・ダイレンの名前まで担ぎ出してさ。
- 387 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/03(木) 17:58:08 ID:wqE7tkXN0]
- >>381
どうせなら蜘蛛女の改造がいい
- 388 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/03(木) 19:11:56 ID:30m2nenB0]
- 叩くも何もつまらなかった。
ダイレンのSSのほうがいい。
- 389 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/03(木) 19:28:59 ID:QP54sEYE0]
- 餌の見える釣りに反応するのもみっともないよ
- 390 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/03(木) 19:29:40 ID:QP54sEYE0]
- あ、違う、針だった。すまん
- 391 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/03(木) 20:05:01 ID:E3ODN9lp0]
- 戦闘員改造でも構わんのだが、もっと改造方法に工夫が欲しいところ
正統派改造でいくのなら、白肌にメスがじわじわと迫る恐怖を迫真的に描写するのもいいし からめ手の改造方法でアッと言わせてくれるのもいい そういう工夫があれば、もっとSSが映えるはず ショカ代氏でユニークな改造方法と言えば、毒キノコエキスの中に落ちて変身する キノコモルグ女とかは良かったと思う ああいうのの応用で、たとえば水泳部のおにゃのこがナノマシン入りのプールに騙されて ドボンと落とされてゴボゴボ溺れながら改造されるとか 奇怪な虫がざわざわいる洞窟に閉じこめられて全身を刺されてナノマシンを注入されて 全身ウロコ状のかさぶただらけになって改造されてゆくとか そういうのを読ませてもらいたいものだ
- 392 名前:maledict ◆sOlCVh8kZw mailto:sage [2009/09/03(木) 20:49:18 ID:97Qm9fJz0]
- >>391様
一応、キノコモルグのあれは原作に忠実な改造法だったと思います。 …多分、氏の場合、元ネタの世界観から過度に離れないように配慮しているのが いい意味での「王道」感につながっているんだろうと自分は思って楽しんでます。 …それはそうと、三つともいいシチュですね。 「ナノマシン」も「怪生物の細胞」とかに変えればありだったりして。 どうでしょうか、ショッカー代理人様?
- 393 名前:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU mailto:sage [2009/09/04(金) 00:42:11 ID:9khiI1bZ0]
- こんなにレスが。
皆様ありがとうございます。 一つ一つにお答えしたほうがいいのでしょうけど、 うれしい感想ならびにきびしいご意見とてもありがたく思います。 今回戦闘員改造ということで、 改造シーンを簡素に仕上げようと思ったのが根底にあり、 そのためにエロさも改造シーンの見せ場も失われてしまったのだと思います。 自分でも書いていて、今回は萌えどころが薄いかなとは思ったのですが、 書いているときにはなかなか修整できないものですね。 今回率直なご意見を伺って、まだまだ書き手としての未熟さを感じました。 次回には少しでも改善してSSを投下できればと思います。 読んでいただきまして本当にありがとうございました。 PS:「ナノマシン」はやはり昭和ライダーの雰囲気ではないので、 ウィルスとか微生物とか怪生物の細胞とかで取り入れたいですね。
- 394 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/04(金) 01:38:14 ID:0e4DsdRj0]
- >>388
コラ、ダイレン。お前は氏んでろ。
- 395 名前:だいれん mailto:sage [2009/09/05(土) 01:30:09 ID:D8M+J9w+0]
- >>388
デセンバーユミ参上! パンチ、キ〜ック! ドカーン、ドカーン! 何たらマリオンを倒した! 何たらマリオンは女子高生を改造したソルジャードールだ! パンチ、キ〜ック! 骸教授は死んだ… ヘルマリオンは壊滅した! デセンバーユミの正義の戦いは続く。 <完> リクエストに回答して書いてやりました。 変わらぬ支援ありがとうございますw
- 396 名前:名無しより愛をこめて [2009/09/07(月) 11:27:29 ID:QQElwLoU0]
- ショッカー代理人さんの今回のSSに敬意を表して下記のHPをどうぞ。今後の戦闘員SSに参考になれば幸いです。
homepage1.nifty.com/2op/soldiers1/soldiers1.htm
- 397 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/07(月) 19:35:33 ID:4j/bXr6l0]
- 改造総合で総スルーされたからって…
わざわざあっちのスレが落ちたタイミングを見計らう辺りこざかしいな
- 398 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/07(月) 21:28:22 ID:XwRGmx7S0]
- どうもdat落ちしちゃったみたいですね。残念。
■ 改造手術 総合スレ ■ anchorage.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1241914717/ あの元気な1さんはどうしちゃったんでしょうか。 溜まっていた妄想を吐き出してすっきり浄化されたんだったらいいんですが…
- 399 名前:398 mailto:sage [2009/09/07(月) 21:29:41 ID:XwRGmx7S0]
- あ、話題が被ってました。すみません
- 400 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [2009/09/07(月) 22:20:36 ID:t/TEOEtd0]
- > 34 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:2009/05/12(火) 01:30:09 ID:q3C/S6/a0
>ZOは他に改造人間が登場しないのがなぁ・・・ >小説版のクモ女は小学校の女教師が、島本和彦のマンガでは麻生勝の恋人がドラスによって >改造された姿だってのに(どちらも改造シーンは無し)肝心の映画版が・・・ - 島本版のクモ女の画像ある?
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