- 852 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 mailto:sage [2009/04/12(日) 00:21:56 ]
- 1 処刑
無駄な言葉は一切なく、情景や感情を表現するのに最適な言葉を巧みに駆使している、洗練された作品。 これを読んだ後の人生はすべて、この作品の読後感に浸っている感じ。一番読んだ回数が多い作品。 2 ある夜の物語 やさしい気持ちになれる。厭世的な趣向の作品が多い中で、ああ、人間も悪くないなと思わせてくれる。 3 古風な愛 これも 2 に近い印象だけど、なにより、オチのいい意味での裏切りが素晴らしい。途中まで、なんて残酷 な話なんだ、と思わせ解いての結末。読んでいる時の感情の起伏が印象に残っている。 4 声の網 季節の描写がきれい。古さを感じさせない。 5 火星航路 星さんの作品にはあまりない、夏目漱石を思わせるような論理的な文体。恋愛中の感情が細やかに描写 されている。とてもロマンチックな愛の話。 6 殉教 これも読後感が気持ちいい。人類の再出発に立ち会ったような、清々しさを感じさせる。 7 死体ばんざい 星さんの作品の中で一番笑った。声を出して笑った。 8 友情の杯 これも読後感。俺はまだ20で人生経験もあまりないけど、自分と看護婦を重ねて、友情の奥深さを教えてもらった。 9 生活維持省 僭越ながら、俺もこの作品と同じような発想をもったことがある。それを星さんの素晴らしい言葉で読むことが できた。人生の価値観を省みさせる作品。 10 鍵 人生の原型を見たような気持ちにさせる。何より最後の言葉はとても重みがあり、自分もこう言ってみたい。 基本的に、一つの世界を確立させているような作品が好きです。どの作品も現実に起きているような錯覚に とらわれる気がします。それもすべて、星さんの素直で閑雅な描写にあるのだと思います。 1はほかの作品と一点差で上、2〜10の差は小数点以下って感じです。
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