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ノーパン羞恥でゴ〜!! Part 2



1 名前:名無しさん@ピンキー [2006/06/27(火) 22:58:04 ID:yuzZcFzy]
漫画や小説などのノーパン羞恥シーンの情報交換から、
ノーパン羞恥SSの投下まで、
女性の恥じらう様に萌えるノーパン総合スレ。

前スレ
ノーパン羞恥でゴ〜!!
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1005459853/

264 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/18(水) 12:24:04 ID:xsX0exAp]
金森は死んだカエルみたいな奴だな
蛇のような執念、怨念を見せる恐怖の展開へ逝きましょうよ

265 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/18(水) 13:15:09 ID:HHXrDHWo]
>>264          凌辱スレで言ってくれ

266 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/19(木) 00:44:56 ID:8ibx8M+z]
羽 山君キターッ

267 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/19(木) 02:06:41 ID:4F8qcZDV]
はっやっまっ!
はっやっまっ!!

268 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/19(木) 15:00:11 ID:D4gRvelY]
羽山が深雪のパンティを

269 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/20(金) 00:11:10 ID:uWfKluh2]
 大丈夫、大丈夫だよきっと。今までも大丈夫だったもん。今日だって大丈夫。
 あそこがすーすーするよぉ。どきどきしちゃう。
 靴を履いて──玄関のドア、重たいなぁ。
 外に、出ちゃった──うわぁ、やっぱり恥ずかしい……。
 あたしパンツ穿いてないし、スカートこんなに短い──捲れたらどうしよう。
 そうだ、ちゃんと鍵かけなくちゃね──これでよし、っと。

 どきどきする──こんな事しちゃダメって解かってるのに、なんでしちゃうんだろ。
 やだ、先っぽがつんってしちゃってる。ブラしてないのに──だって、ブラって痒いし
苦しいし、嫌なんだもん。しかたないよ。でもつんってしてるの見えちゃうかなぁ。エッチ
になってるって、ばれちゃうかなぁ。
 おっぱい膨らんできたし、時々男子に見られてる……エッチな事考えてるのかなぁ。
 お兄ちゃんのエッチな本に載ってるような事……男子も考えてるのかなぁ。
 あたしがエッチな事するの、想像してるのかなぁ。あたしにエッチな事するの、想像して
るのかなぁ。裸にされて、おっぱい揉まれて、さきっぽくりくりって──
 やだっ! あたしこんなとこで胸触ってる!
 誰もいないよね? 見てないよね?
 良かった……外で胸いじってるなんて、あたしエッチだぁ。いじってるところ見られたら、
襲われちゃうのかな。お兄ちゃんの漫画みたく、レイプされちゃうのかな……。
 それはやだな……怖いよ。
 こんな事しなければいいのに……でも、どきどきするのが癖になってるんだもん。
 あっ、誰かいる。こっち見てる──変な人じゃないよね? 怖い人じゃないよね?
 だんだん近づいてくる──どうしよう、変質者だったら、襲われちゃうかも……。
 あとちょっとで、擦れ違う──お願い襲わないで……。
 通り過ぎた。足音、離れてく──よかったぁ、変な人じゃなかったみたい……。
 時々テレビでやってる。レイプとか、誘拐とか──あたしもされちゃうのかなぁ。
 お兄ちゃん、そういうの好きなのかな……。
 女の子を誘拐して、襲って、犯して、奴隷にしたいのかなぁ。
 そんなの犯罪だよ、しちゃダメだよ、お兄ちゃん!
 したかったら、あたしで──あたしは、お兄ちゃんになら、そういう事されても平気……。
お兄ちゃんになら、犯されてもいいよ。奴隷にされたら、御主人様って呼ぶんだ。
 お兄ちゃんの……おちんちんも、ぺろぺろしてあげるよ。
 この前、なかなか起きないお兄ちゃんのおちんちん、おっきくなってたから……しちゃおう
かなって思った──うぅん、しなかったよ。兄妹でエッチな事はしちゃダメだもんね。

 あ、あそこ、濡れてるかも──エッチな事考えてたからだ……。
 もう公園まで来ちゃってた──考え事してると早いよね。
 どうしよう……あたし、すごいエッチな気分になっちゃってる。
 しちゃおうかな、独りエッチ……。
 ダメっ、外でそんな事するなんてダメだよ。見られたら恥ずかしいし……。
 でも……今だってすごい恥ずかしい。さきっぽつんってなって、スカートこんなに短くて、
パンツ穿いてないし、あそこ、濡れちゃってるし……。
 トイレに入っちゃえば解からないよ。今誰もいないし、きっと誰も来ないよ。
 鍵もちゃんとかかる──大丈夫、ばれないよ。
 スカート捲って──あっ、やっぱり濡れてる……いっぱい濡れちゃってるよぉ。
 あたしのあそこ、ぬるぬるになってる──パンツ穿かずに公園まで来て、ここ、おまんこ
濡らしちゃってる……エッチな子だよぉ。
 ああぁ、気持ちいい、どうしよぉ……指が止まんないよぉ。
 ダメ、こんな事──やめなくちゃ、やめないと、見つかっちゃう、レイプされちゃう……。
 でも止まらないよぉ──すごい気持ちいい、どうしよう、どうしよう!
 くちゅくちゅって音がしてる。エッチな音、あたしのエッチな音──気持ちよくて、すごい
気持ちよくて、もっと、もっと気持ちよく──
 なにこれ? 何か来る! これなにっ?
 あっ、ああぁっ、お兄ちゃんっ──!

 すごい……すごかったぁ……今のが、イくっていうの、かな……。
 あたし、イっちゃったんだ……こんなとこで……。
 あたしって、ほんとにエッチな女の子だ……。

                          深雪 ── two years ago ── fin.

270 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/10/20(金) 00:15:15 ID:uWfKluh2]
ふと思いついたので書いてみました。
タイトルは、「深雪〜初めての絶頂〜幼い少女の秘密なお散歩」って感じでしょうかw

271 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/20(金) 00:29:37 ID:+AQv9bsp]
この変態めw

272 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/21(土) 12:08:14 ID:AnoYNv83]
 ぐぇっという奇妙な音がして、私に圧し掛かっていた金森の身体がふわりと宙に浮いた。
 黒い風が私の頭上を通り過ぎ、直後、がしゃんという大きな音がして、金森は動かなく
なった。
「立てる?」
 いつも通りの、淡々とした声だった。
 けれど、私を見る羽山君の眼は、春の日差しのように温かだった。
──羽山君……助けてくれたの? なんで……?
 身勝手なのは解かっていた。それでも、彼の名を呼んでしまっていた。
 震えて声にならなかったというのに、彼は助けてくれた。
──なんで、なんで私を……。
 信じてもいいのだろうか。あの言葉を、信じてもいいのかもしれない。
 差し伸べられた手を──
「うん……」
 私は差し出された手を握った。
 彼の掌の温もりが心地良い。羽山君が、優しく微笑んでくれたように見えた。
 ぐいっと引っ張られ、私は立ち上がった。
「怪我は無い?」
「うん、大丈夫」
 まだ頭や胸がずきずきと痛んだが、大した事はない。
「そう。よかった」
 彼が指の力を抜いた。
──離したくない。
 ずっと握っていたかった。
──でも、離さなくちゃ……。
 手を離すと、彼は私の制服についた埃を払ってくれた。スカートも払われ、恥ずかしくて
びくんと震えてしまった。
「ありがとう」
「ん」
 足元に金森が転がっていた。
 金森は横倒しになったまま痙攣していた。口からは涎も垂らしている。
──まさか……?
「平気だよ、これぐらいじゃ死なない」
 私の心配を悟ったのか、羽山君はそう言って、金森の腹に軽く蹴りを入れた。
 ぐうっとうめいた金森は、げほげほと咳をした。
「けっこう頑丈だし、こいつ」
 そうかもしれない。意外に腕力があるのは今ので判ったし、しぶとい男なのだろうと思う。
「ちょ、羽山!」
「恭也すげーじゃん」
「何したの? よく見えなかった」
「羽山君かっこいい!」
 クラスのあちこちから声が上がった。何人かは駆け寄ってきて彼の健闘を称えた。
「大した事じゃないって」
 彼はそう言って軽く笑った。
 床に顔をつけてもぞもぞと動いている金森を見下ろす。
 見られてしまったのだろうか。こいつに、秘処を見られたのかもしれない。
──それで、こんな事を?
 彼は私のそこを見てしまい、理性の糸が切れてしまったのだろうか。
 私に覆い被さってきた彼の目は、尋常ではなかった。濁った瞳がぎらぎらと鈍い光を
放ち、奥にはどす黒い靄が渦巻いていた。
 彼のような男は──私が自ら晒したのだと考えるのかもしれない。彼のような自分の
世界だけで生きているような男は、きっとそんな風に勝手に解釈して行動するのだろう。
 クラスメイトの言葉を浴びた時、一瞬でも金森なんかに助けを求めてしまった自分が
恥ずかしくて──
──私っ……!
 安堵感に忘れていたが、今の自分の格好を思い出した。
 私は今、ブラも着けていないし、ショーツも穿いていないのだ。こんな近くでクラスの
みんなに見られるのは、あまりにも恥ずかしい。
 こっそりと教室を出よう。
「あれ? 柏原さん──」
 クラスメイトの声が聞こえたが、私は無視して廊下へ出た。



273 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/21(土) 13:02:52 ID:AnoYNv83]
 私は人の疎らな廊下をトイレへと向かった。
 ポケットに手を入れると、そこにはちゃんとショーツが収まっていた。
──あった……よかった。
 さっきの混乱で、ポケットから落ちてしまっていたらどうしようかと思ったが、天も
そこまで見放してはいないようだった。
 これを穿けば、少しだけ安心できる。ブラは無いけれど、服を脱がされない限りは、
胸を見られてしまうという事は無い。ショーツがあれば、スカートが捲れても──
 トイレの入り口で、他のクラスの女子と擦れ違った。緊張したが、彼女は何も言わずに
去っていった。
──よかった。
 気づかれなかった。
 一番奥の個室に入り、ドアを閉めて鍵をかける。
 とはいえ、やはりブラを着けずに教室に戻るのは恥ずかしい。私がブラをしていないと、
みんなが知っていた。このまま戻れば、また好奇の視線に晒される事になるだろう。
──もう、諦めよう。
 彼女らが下着を返してくれない限り、帰宅するまでこのまま耐えるしかない。
 今はせめて、ショーツだけでも──
──その前に……しちゃおっと。
 私はスカートを捲り上げ、和式の便器を跨いだ。
 まだ少し頭が痛い。くらくらする。
 金森に押し倒されて頭を打ち、私はしばし意識を失っていたようだったが、失禁して
しまうなんて事態にはならなかったようだ。もしそんな事になっていたら──
 頭を振って想像を追い出す。考えたくもなかった。
──トイレする時って、心細いなぁ。
 腰までスカートを手繰り上げた私は、お尻を丸出しにしているのだ。もちろんそうしな
ければ用を足す事ができないし、皆がそうしているのだけれど──
──やっぱり、見られちゃったのかな……。
 しゃがんで腰を落とし、下腹部を弛緩させる。
 身体の中から溢れ出す感覚とともに、ちょろちょろと尿が滴った。
 用を足している時というのは、ぼーっとして何も考えていないのだなと、改めて思う。
 体育の前にもトイレに入ったからだろう、思ったほどは出なかった。
 ロールペーパーを千切って拭いた。
──羽山君……。
 彼の指を思い出す。ハンカチでそこを拭いた彼──
──助けてくれた……。
 彼は、保健室であんな態度をとってしまった私を助けてくれた。
 もし私が彼の立場なら、私は助けたりなどしなかっただろう。自分は相手に嫌われたの
だから自分が助けても喜ぶはずは無いと、誰かが止めるのを待っただろう。
 けれど、私はまた羽山君に助けられた。
 今日まで彼は、私に興味があるような素振りなど全く見せなかった。でもそれは、彼も
やっぱり他のクラスメイトたちと同じ、中学一年生の少年だったという事なのだろう。
 私に気があるような態度をとれば、周りから白い眼で見られてしまうに違いない。それを
恐れていたのだとしても、私は彼を責める事などできはしない。
 どうしてもっと早く手を差し伸べてくれなかったのか──そんな、自分本位な気持ちを
抱くのはやめにしよう。
 彼の想いを素直に受け止めて──いや、自分の気持ちに素直になろう。
──羽山君……私は、あなたが好きです。
 私は羽山君が好きだ。彼が迷惑だと思わないのなら、ずっと一緒にいたい。いつも一緒
にいて──何もしなくたっていい、ただ一緒に、同じ時を過ごしたい。
 顔が熱くなってしまう。
──恥ずかしい……。
 個室でしゃがんだまま、私は何を考えているのだろう。吹き出してしまいそうだった。
 私は立ち上がり、ポケットに手を入れた。
 丸められた布を握って、引っ張り出す──
 ぺちゃ、という小さな水音がした。
 足元を見ると、丸まった白い布が便器の中に落ちていた。
──えっ?
 私は目を疑った。手には柔らかな布をしっかりと握っているというのに──
 手に握られていたのは、ハンカチだった。
 便器に落ちたショーツは、出したばかりの尿を吸って、薄い黄金色に染まっていた。

274 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/21(土) 13:29:48 ID:0Fi7nJHO]
ここから金森が復活して追い掛けてくるのか・・・

夕菜が可哀想になってきた
羞恥よりも不運、恐怖、不安が目立ちすぎる

275 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/21(土) 14:01:50 ID:+L5H+i2B]
>>274
作者さんも別の展開にするって言ってることだし、
これだけ夕菜の幸せを願う人がいるわけだから、悪い事にはならない筈だ。

276 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/22(日) 07:56:41 ID:+UisQhJE]
助けに来てくれると信じてたよ羽山くん

277 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/23(月) 21:07:45 ID:99tAxEWO]
 この世に神様がいるとしたら、私の事など見守ってはくれないのだろうか。
──どうしよう……。
 泣いてしまいたくなった。
 せっかく笹野先生が貸し出してくれたのに、こんなあっけなく役目を終えてしまった。
 呆然としていても始まらない。私はまだ濡れていないところを抓んで持ち上げた。
 ぽたぽたと汚水が垂れる。汚物入れに捨ててしまおうかとも思ったが、これも学校の備品
なのだし、勝手に捨てるのはまずいだろうと思い止まる。
 洗って返すべきなのだが、どうやって──
 今なら、トイレには誰もいない。他の個室も空いていたし、私が用を足している間に
誰かが入ってきた様子も無い。まだ昼食を摂っている子がほとんどだろう。
──今のうちに……。
 私は、水の滴るショーツから少しでも水分を抜こうと、ロールペーパーで拭いてみた。
雫が垂れる事はなくなったが、それでもかなりの汚水を吸っている。
──自分のおしっこでも……やだなぁ。
 それに、一年生だけでも、百何十人もの女子生徒がいるのだ。そんな大勢の排泄物を受け
止める便器に落ちたものを、素手で洗わなければならないと思うと気が滅入る。
──洗った後、どうしよう……。
 しっかり絞っても、湿ったまま穿くなんて考えられない。どこかに干せるわけもないし、
机の中や鞄の中に仕舞うのは問題があるだろうし──
──あ、あるじゃん。
 体育は水泳だったのだ。水着やタオルを入れるバッグなら、濡れていても平気だ。
 しかし、絞ったショーツを教室まで持っていかなければならない。小さく丸めても、
私の手にすっぽり収まるほどにはならない。
──ハンカチで包めば……。
 教室まで行く間なら、ハンカチで包み、ポケットに入れておいても、スカートまで染みる
事はないかもしれない。
──うん、そうしよう。
 急いで水を流し、誰かがいきなり現れない事を祈って個室を出た。
 大丈夫だ、誰もいない。
 私は洗面台に駆け寄り、蛇口を捻った。ハンドソープを少し出して、ショーツに染み込ま
せる。ばしゃばしゃと音を立てながら、さっと洗う。
──誰も来ないで、お願い……。
 願いも虚しく、複数の女子生徒がトイレへと入ってきた。
──気づかないで、ほんとに、お願いだから!
 大丈夫、気づきはしないはずだ。じっと見られない限り、私がショーツを洗っているなど
とは思われないだろう。ハンカチかタオルでも洗っているのだと思うだろう。
 彼女たちは何やら話しながら私の後を通り過ぎ、それぞれ個室に入っていった。
──よかったぁ……って、また来たぁっ。
 安堵するのも束の間、また別の女子生徒が現れる。私は身体を屈め、手元が見えないよう
にする。
 その子もまた、こちらの事など気にも留めずに個室へと入っていった。
 もし私が洗っているのがショーツだと判れば、私が粗相をしたのだと思われてしまう
かもしれない。中学生にもなって、トイレを我慢できない、恥ずかしい子だと思われて
しまうかもしれない。
 小さい方ならともかく、大きい方だと思われたらもっと大変だ。そんな噂が広まったら、
私は今まで以上に肩身の狭い思いをしなくてはならないだろう。
──スカトロ……。
 そんな言葉が浮かぶ。
 世の中には排泄物で性的に興奮し、欲情する人たちがいるという。ただ見るだけでなく、
互いの排泄物を掛け合ったり、頬張ったりする事もあるらしい。汚物と悪臭にまみれて
恍惚を得るのだそうだ。
 そんなもののどこが良いのか解からないが、性的な嗜好も十人十色なのだろう。私だって
人の事は言えない──校内だというのに羽山君に責められ、保健室では自慰もしてしまった。
同性の笹野先生にも──
 水泳が終わってから、いろいろ起こりすぎて感覚が麻痺してしまいそうだった。
 これだけ濯げば大丈夫だろう。ショーツをぎゅっと絞る。あまりきつく絞ると型崩れして
しまうかもしれないが、そんな悠長な事は言っていられない。ショーツをハンカチで包み、
スカートのポケットに押し込んだ。嵩張るが仕方が無い。
 私は結局、さっきまでと何も変わらない心細い姿のまま、教室へ戻る事になった。
 しかし、誰にも気づかれずにバッグに入れるにはどうすればいいのだろう──

278 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/23(月) 21:25:35 ID:99tAxEWO]
 結局良い案は何も浮かばない。羽山君に助けられたて喜んだのも束の間、こんな事に
なってしまうとは思いもしなかった。
 迂闊な自分を悔やみながら、私は教室へ戻った。
 何人かの生徒がちらちらと眼を向けてくる。あいつやっぱりノーブラだ、と確認されて
いるようで恥ずかしい。
 私が羽山君に──階段で、保健室で、彼に責められた事を、みんなが知っているのでは
ないかと思ってしまう。
 だとしたら、私はどう思われているのだろう。学校で身体を弄ばれ、刺激に身を震わせ
ている淫らな子だと思われているのだろうか。だから金森は私に襲い掛かって──
 ふと気づく──あいつの姿が見えない。私のすぐ後が金森の席だが、小太りの身体が
見えなかった。もちろん教室の入り口で横たわってもいない。
 クラスメイトたちの面前で私を──犯そうとしたのだろうか。理性が切れて我を忘れて
しまったのだろうか。あの時の金森の眼は、狂気に満ちていて、とてもまともな人間の
ものとは思えなかった。
 でも、羽山君が助けてくれた──
──あれ? いない……。
 羽山君の姿も見えない。金森を職員室にでも連行していったのだろうか。それにしては、
クラスの雰囲気がいつもと大差無いように思える。それとも、私がいない間に彼らの興味
は他へ向いてしまったのだろうか。
 自分の机の上には、数学の教科書とノートが開かれたままになっていた。
 席に着いてそれらを仕舞う。
──今なら……。
 ポケットに手を入れる。
 みんながまだ食事をしている間に、水泳のバッグにショーツを入れてしまおう。みんなが
食事と雑談に夢中でいる今なら、きっと気づかれない。
 ポケットの中で握り、なるべく不自然にならないようにそっと引き出す。
──机の下だし、大丈夫。
 そう言い聞かせて身を屈め、バッグの口に手を伸ばす──
「柏原さん、大丈夫?」
──ッ!
 慌てて手を引っ込めた。
 いつもは話し掛けてくることの無い、斜め前の席の少女がこちらを向いていた。
──こんな時に……。
「あいつ、どっか行っちゃったけど」
「え?」
「金森。みんなに笑われて、顔真っ赤にして出てったよ」
 ショーツを握った手を机の下にしたまま、身体を起こす。緊張して目を合わせられない。
「ほんとに、大丈夫?」
「別に……平気だけど」
「そう? でも驚いたぁ。あんな事するなんてね」
 私が素っ気無いのはいつもの事だが、今はいつも以上に気の無い声に聞こえるだろう。
 彼女は、私がショーツを握っている事に、気づいてはいないようだ。だが、このままでは
いずれ気づかれてしまう。握ったままでいるわけにはいかない。
「なんかふざけて、って感じじゃなかったじゃん」
「あいつおかしいって思ってたけど……ねぇ?」
 彼女と一緒に弁当を食べていた他の子たちも混じってくる。
「あいつ絶対そのうちこういう事すると思ってたよ」
「だよねー。将来絶対あれ、レイプとかして捕まるって」
「えー、犯人の金森竜介は、中学時代、教室でクラスメイトの少女に乱暴を働こうとした事
があります。その時は、別の男子生徒が止めに入って事なきを得ましたが──」
「また始まったよ、千華のワイドショーごっこ!」
「ええ、はい。驚きませんでした。あの人ならきっとやると思っていました──彼を知る
同級生の女性は、そう語ります──」
「あははっ、ありそー!」
「お前らレイプとか何言ってんだよ」
「うるさいなー、関係ないじゃーん」
「つーか誰がお前らなんか襲うんだよ」
「ちょっ、失礼な!」
 盛り上がる彼女らの話に、近くにいた男子までもが加わって、私は眩暈すら覚えていた。
 これでは、ショーツをバッグに仕舞う事などできそうもなかった。

279 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/23(月) 21:26:48 ID:99tAxEWO]
 大勢の生徒たちがこちらを見ている中では、ポケットに戻すのも難しい。
──机の中なら……。
 自分の身体もあるし、気づかれ難いだろう。ショーツを入れては、教科書やノートまで
湿ってしまうかもしれないが──他に手段が無い以上、どうしようもなかった。
 気取られぬように机の中に手を入れ、一番奥にショーツを押し込み、直接触れないように
位置を工夫する。
──大丈夫、誰も気づいてない……。
「羽山君すごいよねー」
 唐突に彼の名前を耳にして、びくっと震えてしまう。
 助けてくれた彼は──たとえその相手が私なんかでも、彼女らにとってみればヒーロー
のようなものなのだろう。
「ほんと! やっぱりかっこいいよ〜」
「あれ、なにしたの? あたしよく見えなかったけど」
「蹴ったんだよ、キックキック! すごかった〜」
「喉に爪先めり込んでたよな。追い討ちのローキックもすげー」
「あいつ何者だよ?」
「あんたらとは大違いだね」
「うっ、うるさいなぁ!」
「なんにもできなかったくせにー」
「ねー。男の癖に女子も助けれないなんてさー」
「べ、べつに、柏原なんか──」
 どうなってもいい、助ける必要なんかない──とでも続けるつもりだったのだろう。
 だが、さすがに、一応は被害者である私を前に、言い澱んだのだろう。
「つ、っつーか、あいつはどこ行ったんだよ」
「そうそう、リュウどこ行ったん?」
「知らないよそんなの、どーでもいいじゃん」
 確かにどうでも良い。そんな事より──こんな格好でいるのが嫌だった。
 いつもなら私などに構いもしない子たちが、私の周りで盛り上がっている。囲まれている
わけではないし、皆が私を見ているわけでもない。
 それでも、ブラを着けていない、ショーツも穿いていない時に、すぐ近くに人がいると
思うと、恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
 きっと何人かの生徒は、私の胸を見ているのだろう。いくら羽山君のタンクトップがある
といっても、ブラジャーほどには隠してくれない。
 そう意識すればするほど、身体が火照り、スカートに直に触れている秘処までもが、熱く
潤ってくるような気になってしまう。
 ブラを着けていないのは、もうみんなに知られてしまっている。どうしようもない。
 だが、ショーツはまだ知られていないはずだ。気づかないで欲しい。お願いだから気づ
かないでもらいたい。
 そのためには、私は極力平静を装うのが良いのだろう。胸を見られてもそうと意識せず、
いつもの事だと思っていれば良い。そう、いつもの事なのだ。
 いつもはブラを着けていて、今は着けていない、それだけの違いだ。たったそれだけの
違いなのだ。
 けれど、その違いは、あまりにも大きすぎる。ほとんど膨らんでいなければ──小学生
の頃、まだ胸が膨らむ前は、こんな気持ちにはならなかった。
 いや、小さければ小さいで、早く大きくなりたいと思うのかもしれない。実際、ほとんど
胸が膨らんでいない子が、そう言っているのを聞いた事もある。
 大きくたって良い事なんて無いのにと思っていたし、今もそう思う。
──でも、羽山君は好きだって言ってくれた……。
 それがせめてもの慰めかもしれない。
 いや、しかし──もし私の胸が平均以下だったなら、きっとこんな目に合う事は無かった
のだろう。けれど、もしそうだとしたら、羽山君から好かれる事も無かったのだろうか。
──こんな事考えても、意味ないか。
 周りにいる子たちは私の話題から離れ、好きなアイドルグループの話や、ファッションの
話へと変わっていた。安堵するとともに、空腹感が込み上げてきた。
 バッグから弁当を取り出し、机の上に広げる。仕事で忙しい母親が作ってくれる弁当は、
いつも朝食とほとんど同じメニューだった。
 心の中で手を合わせ、いただきますと呟いてから食べ始めた。
 ふと思う──食べ終わった弁当箱に、洗ったショーツを隠すというのはどうだろう。
 ダメだ──私は即座に否定する。トイレに落とした下着なんて、入れるものじゃない。
 ひとつ大きな溜め息をついて、梅干しを口に運んだ。強い酸味が心地好かった。

280 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/24(火) 00:05:19 ID:XgVwyY8N]












K

281 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/24(火) 00:46:01 ID:62d7NSTL]
マムコ見ちゃったシーンを金森視点で読みたい……

282 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/24(火) 23:01:22 ID:YBRpMYs9]
アレは金森の妄想で未遂ってことか?
夕菜、羽山と幸せになって欲しいぜorz



283 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/24(火) 23:26:40 ID:XgVwyY8N]
おまえらの思い通りにはならないw

284 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/25(水) 02:18:13 ID:qqe+wPiw]
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285 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/25(水) 19:15:40 ID:f+Ec66Wz]
単純に小説として楽しい
応援してます

286 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/26(木) 03:02:37 ID:s04zRSVy]
個人的には間延びしてきた感があるなぁ
おもしろいしケチつける気はないんだけど、
楽しみにしてるからこそまとめて投下してくれると嬉しいかな
専スレみたいになってるのはいかがなものかと

287 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/26(木) 22:05:16 ID:dbUz7Dfa]
数日に一回の投下で専用化してしまう現状に涙する

288 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/27(金) 02:01:18 ID:O2U1UYvK]
若人が続いて 新たな投下をすればよい

289 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:26:04 ID:BYZZgBHb]
──羽山君……どこ行ったのかなぁ。
 彼の席に目をやると、食べかけのままの弁当が広げてある。
 その周りにいる数人の男子たちは、ゲームか何かの話をしている。彼らは羽山君がどこ
へ行ったのか知っているのだろうか。
 私の近くにいる子たちも知らないようだった。彼の事だから、誰にも言わずにふらっと
出て行ったのだろう。どこへ行くのか聞かれても、ちょっとね、とだけ残して行ってしまう
のだ。そんな光景が容易に浮かぶ。
 大勢で盛り上がって騒ぐような事はない彼だが、私と違って孤立しているわけではない。
それなりに親しい友人もいるようだし、そうでないクラスメイトともごく普通に会話を
している。私のように、親しい友人もおらず、会話もほとんどないような人間とは違う。
 私もそういう付き合い方ができれば良いのかもしれない。けれど、そのためには、自分
独りではどうしようもないと思う。自分がいくら回りに声をかけたとしても、相手がそれ
を好ましいと思わない以上、逆効果になるだろう。
 ならば私は、独りで構わない──そう思っていた。
──羽山君……。
 胸がどきどきする。彼の事を想うと、落ち着かない。
 彼に触れられた膨らみが、突起が熱を持ち、下腹部からもやもやと沸き立つ気持ちが
抑えられなくなる。
──こんな格好なのに……。
 乳首が硬くなっていくのが判る。彼のタンクトップを内側から押し上げてゆく。
 周りに人がいるというのに、教室でクラスメイトの視線に晒されているというのに、その
気持ちを抑える事ができなくなる。
──こんな格好だから?
 私は、恥ずかしい姿を見られて感じてしまっているのだろうか。
 羽山君に見られるのなら──興奮もするし、淫らにもなる。けれど、ただのクラスメイト
というだけの間柄の者たちに囲まれて、そんな気持ちには──
──羽山君とだって、ただのクラスメイト……。
 いや、でも、私は彼の事を好きだったから──彼も私を好きだと言ってくれたから──
──笹野先生は?
 クラスメイトですらない、そして同じ女である笹野先生に、私は最後まで──
 きっと、こんな事を考えている時点で、私はいやらしい子なのだろう。
 他の子たちはどうなのだろう。教室でこんな淫らな事を考える事があるのだろうか。
 男子たちは、あるだろうと思う。教室で女の子の身体の話をしている事もある。水泳の
授業中だって、女子たちの水着姿をあれこれ批評したりしていたし、ちらちらと、時には
じろじろと見られたりもする。
 けど、女子はどうなのだろう。時々、そういう話をしているのを聞かないではないが、
それは回りにほとんど人がいない時に限るし、男子のような、直接的な会話ではない。
 私のように、身体を見られて淫らな気持ちになってしまう子もいるのだろうか。
 ブラを着けず、乳首の浮き出るままに視線に晒され、見られる事で気持ちを昂ぶらせ、
あそこを濡らしてしまう──そういう子もいるのかもしれない。
 そんな子から見たら、私はどう映るのだろう。仲間意識を持たれ、一緒に愉しもうと
誘われるのだろうか。ブラもショーツも着けずに人目に晒し、昂ぶった気持ちを慰める
ため、お互いの火照った肌を見せ合いながら、笹野先生がしてくれたように──
──ほんとに変態になっちゃう……。
 まったく──私は何を考えているのだろう。
 乳首が硬く尖ってしまっている。これ以上こんな想像を続けたら、秘処に触れている
スカートが濡れてしまうかもしれない。表にまで染みてしまったら大変だ。
 二度も達してしまったというのに、私の身体はどうなってしまったのだろう。もっと
快楽を貪りたいというのだろうか。
 クラスメイトに囲まれ、羞恥に身体を昂ぶらせ、尖った乳首や、濡れた秘処を晒して
刺激に身を委ねてしまう──そんなふうになってしまうのだろうか。
──あそこ……。
 見られてしまったのだろうか。金森はどこへ行ったのだろう。羽山君も──
 考えても判らない。今は目の前にある弁当をさっさと空にしてしまおう。
「おっ、羽山どうしたん?」
──羽山君……?
 ウインナーを箸で抓んだところに、彼が帰ってきた。男子が声をかける。
「いや、ちょっとね。ああ、深雪──」
 彼は意味ありげに微笑んで、そばにいた女子──私を虐めているグループのひとりに
声をかけた。

290 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:27:52 ID:BYZZgBHb]
「え?」
 彼女が応える。深雪──木嶋深雪という名だ。
 羽山君と彼女は、どうやら幼馴染みというやつらしい。小学校は違うようだが、幼稚園は
同じ所へ通っていたそうだ。といっても、別段仲が良いようには見えない。
 羽山君は彼女と二言三言交わすと、自分の席へと戻っていった。
「お前どこ行ってたんだよ?」
 羽山君に男子が声をかける。それは私も知りたい──
「トイレだよ」
「なんだ、うんこか」
──えっ?
 思わず、彼がトイレにいる姿を想像してしまう。
──なに考えてんの私……。
「そんなとこ」
「弁当食い終わってから行けよ〜」
「明日からはそうするよ」
 確かに、食事中にトイレに立つのは行儀が良いとはいえない。
 けど、きっとそうじゃない。
 私が教室を出て、トイレで──用を足し、汚れたショーツを絞って戻ってくるまで、五分
以上、十分近くは掛かっていただろう。既にほとんどの生徒が食事を終えている。食べ
始めの遅かった私の弁当も残り僅かだ。きちんと時計を見てはいないが、十分は経過
しているはずだ。
 羽山君がいつ教室を出たのかは知らないが、いくら大きい方だとしても、そんなにかかる
ものではないだろう。何か他の事をしていたに違いない。
 金森が関わっているのだろうか。私の後ろの席の彼は、まだ戻らない。
──見られちゃったのかなぁ……。
 ふと横に目をやる。私にいつもちょっかいをかけてくるグループ──木嶋深雪たちは
弁当を食べ終え、雑談に興じているようだ。
 彼女らはどういう気持ちでいるのだろう。私の下着を奪い、どこかへ隠したのだろうが、
どこにあるのだろう。更衣室のどこかに隠したのだろうか──
──そっか、そうなら……。
 私は急いで残りの弁当を食べてしまう。
 昼休みはまだ十五分近く残っている。今ならまだ五時間目に使う生徒も、そこへは行って
いないだろう。廊下や階段で、何人もの生徒と擦れ違うかもしれない。けれど、このままの
姿で下校する事を考えれば──
 更衣室を探してみよう。掃除用具を収めたロッカーや、水泳部員が使う個人用のロッカー
もたくさんある──いや、個人用のものには鍵が掛かっているだろうから──とにかく
探そう。見つかったらその場で着れば良い。そうすれば、もう問題は無い。
 でも、見つからなかったら──
 また、下着の無いままで教室へと戻らなければならない。何人もの生徒に見られてしまう
かもしれない。ブラも着けずに大きな胸を揺らしながら歩く私は、他の生徒たちにどう映る
のだろう。スカートを捲れば、そこが露になってしまうような姿で校内を歩く私は──
 羞恥プレイ──そんな言葉が浮かぶ。
──違う、私はそんな……。
 言い切れるのだろうか。事実、四時間目の前に更衣室から教室へと戻る間、三年の先輩
たちと擦れ違って、そして教室に戻ってからも、クラスメイトに見られて、気持ちを昂ぶら
せていたではないか──
──あれは、だって、擦れて……。
 とにかく、更衣室へ行こう。とにかく、探してみよう。
 空になった弁当箱を仕舞い、腰を浮かせる。
 スカートの裏に淫らな染みができてはいないかと思う。手でさっとスカートの後を撫でて
みる──大丈夫だ、濡れていない。
 椅子を鳴らして立ち上がると、何人かがこちらを見た。胸が揺れて擦れる──
 恥ずかしい。でも、我慢するしかない。
 更衣室まで行く間、何人の生徒と擦れ違うのだろう。その度に、揺れる胸を見られるの
だろうか。スカートの中がすうすうして気になる。少し濡れているのも判る。染みてはいな
かったが、内側には少し付いてしまったかもしれない。
──大丈夫、気づかれないよ。
 出口へと歩きながら、羽山君に目を向ける。
 私の位置は彼からは死角だ。当然私には気づかず、周りの男子たちと喋っていた。
 ついて来て欲しい──そう言いたい気持ちを飲み込んで教室を出た。

291 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:29:22 ID:BYZZgBHb]
 廊下にも、階段にも、たくさんの生徒がいた。
 羽山君のタンクトップのおかげで、多少の揺れは抑えられるが、それでも揺れてしまうし、
先端が擦れて刺激されてしまう。
 湿っているその部分が冷やされるが、火照った身体を冷ましてくれるわけでもない。
 むしろ自分の姿を意識させてしまい、余計に熱を帯びてしまうような気になってくる。
──恥ずかしい……。
 擦れ違う生徒たちが皆、私を見ているようだ。心の中で、どんな事を囁かれているのかと
思ってしまう。通り過ぎた後、いやらしい事を言われているのではないかと思ってしまう。
 羞恥心が掻き立てられ、生地と擦れる先端と、ひんやりした秘処とともに私の心を蝕んで
ゆくようだった。
 長い階段を降り、更衣室へと続く渡り廊下へ向かう。
 重たいドアを開くと、真夏のむっとした熱気に見舞われた。校舎内はエアコンのおかげで
快適な温度に保たれていたが、一歩出ただけで別世界のような蒸し暑さだった。
 私はどうやらあまり日焼けしない体質らしい。屋外での体育のあとも、多少肌が赤くなる
程度で、他の子たちのように焼ける事は無い。私のような地味で内向的な子が、健康的
な小麦色の肌をしているというのは、滑稽かもしれない。
 そんな無意味な事を考えながら、気持ちを紛らわす。
 ほんの数歩歩いただけで汗が吹き出てくる。天気予報では、三十五度を越すと言って
いたのを思い出す。
 汗が出れば肌着に染み込んでしまう。羽山君から借りたタンクトップに、私の汗が吸われ
てしまう。それはとても恥ずかしい。
 けれど、恥ずかしいだけでなく、どこか淫靡な、足を踏み込んではいけない世界へ続いて
いるような気がしてしまう。
 私の汗──体液が、彼の持ち物へ──彼の中へ染み込んでゆく──私の淫らな体液が
彼の中へと──
──またこんな事考えてる……。
 校舎の外にも、たくさんの生徒がいる。渡り廊下の近くにも、運動部であろう生徒や、
ボールで遊んでいる子たちが大勢いた。
 そんな彼らの全てが私を見てるわけではない。だが、ブラも着けず、ショーツも穿かな
いで、淫らな想像をしてしまう私は、どこかおかしいのだろうか。
──羞恥プレイ……。
 ほんとうは私はそういう行為を望んでいるのかもしれないとも思う。
 羽山君に突然あんな事をされ、抵抗できなかった。たとえ羽山君であっても、密かに想い
を寄せていた相手であっても、いきなりあんな場所であんなふうにされて──普通なら
抵抗するのではないだろうか。
 羽山君だったから──というのは言い訳にならないだろう。笹野先生にだって、される
がままだったのだから。
 彼の、彼女の指遣い、息遣い、温もり、快感──
 燦燦と照りつける太陽は地面を焼き、空気を焼き、私の心まで火照らせてしまうようだ。
 屋根があるとはいえ、うだるような熱気は遮りようがない。
 汗が溢れて、胸の谷間を流れ落ちるのが判る。ブラをしていると、痒くなっていけない。
汗疹ができてしまう事もたまにあった。
 ブラが無ければそうはならないが、着けないわけにもいかない。ブラが無いというのは
心細いものだ。今だって心細いのだ。
 暑さの所為だろうか、身体が弛緩して、つんと張っていた乳首もおとなしくなっている
ようだ。興奮して勃つ、というのは間違っていないと思うが、興奮していてもずっと尖って
いるわけではないし、勃っているから興奮している、というわけでもない。どういう原理なの
かはよく解からない。
 それでも、私は今、性的興奮状態にあるのは間違っていない。
 下着を着けずに人目に晒されて興奮している。
 どうしてだろう。
 私は羞恥心で気持ちを昂ぶらせてしまう、いやらしい子になってしまったのだろうか。
羽山君と笹野先生に責められ、そういう世界に足を踏み入れてしまったのだろうか。
 どうにもいけない。同じような事ばかり考えてしまう。
 急がなければ。急いで更衣室に行って、下着を探さなければ。
 足早に渡り廊下を進む。
 胸が揺れて乳首が擦れる。
 どうやら、スカートの中のその部分は、かなり濡れているようだ。
 数人の男子と擦れ違う。こんがりと焼けた肌は、水泳部員だからだろうか。
──恥ずかしい、恥ずかしいけど……。

292 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:30:50 ID:BYZZgBHb]
 女子水泳部員や、五時間目に使う生徒がすでにいるのではないかと思ったが、更衣室
には誰もいなかった。
 私は安堵した。人がいたら、何をしに来たのか詮索されるだろうし、そうでなくとも、
私はこんな格好なのだ。何を言われるか判ったものではない。
 と同時に、どこか物足りなさを感じてしまっているのも確かだった。
──私、おかしい……。
 恥ずかしいというのに、気持ちが昂ぶる。ほっとしているのに、満たされない。
 ほんとうは、誰かがいる事を期待したのだろうか。恥ずかしい姿を見られ、羽山君や
笹野先生にされたような、淫らな行為を受ける事を望んでいたのだろうか。
──そんな事は……。
 無いと断言できない。そういう気持ちがわずかでもあった事を否定はできなかった。
 コンクリートにすのこを敷いただけの、簡素な床。四時間目に使っていた三年生たちが
残した雫で湿っている。
 三時間目の間ずっと、私のバッグが置かれていた場所まで進む。
 更衣室の一番奥。コンクリートの壁に、明かり取りの型ガラスが填められていて、柔らか
な光に照らされている。無造作に置かれた長テーブルには、所所に水滴が光っていた。
 周りを見回す。いくつも置かれたロッカーが並んでいる。
 私は一番隅にある、掃除用具の入ったロッカーの前に立った。ノブに指を掛けて、ぐいと
引く。軋んだ音をたてて扉が開かれた。
──うわぁ、くっさぁい。
 饐えた匂いが鼻を突く。雑巾かモップか──日に干される事も無くずっと湿度の高い処に
仕舞われているのだろう。こんなところに下着を隠されたのだとしたら、かなり嫌だ。
 ざっと見てみるが、それらしいものはない。バケツやモップを取り出してみても、やはり
無かった。
──ここじゃないか。
 とすると、個人用のロッカーだろうか。彼女らの中に水泳部員はいなかったはずだが──
いくつかノブを引いてみるが、どれも鍵が掛かっているようだった。
──どこだろう……。
 ここではないのだろうか。更衣室に隠したのでないとすれば──彼女らのうちの、誰かの
バッグに仕舞ってあるという事か。それとも、更衣室から教室に戻る間、どこか他の場所に
隠したのだろうか。
 だとしたら、探す場所は膨大に増えてしまう。更衣室から教室までの間に、どれほどの
部屋、ロッカー、物置があるのだろう。もちろん入念に隠す時間があったとも思えないが、
手当たり次第に探すというわけにもいかない。
──どうしよう。
 全てのロッカーを開こうとしてみるが、いくつか開いたところには、何も入っていないか、
水泳部員の私物であろう細細したものが置かれていただけだった。
 他に隠せそうな場所は──
 コンクリート打ちっぱなしの殺風景な更衣室に、そんな場所は見あたらない。壁や天井を
這うパイプ類の影にも、私のブラとショーツは無かった。
──やっぱり、あの子たちが持ってるのかなぁ。
 彼女らが持っているのだとしたら──やはりバッグの中だろうか。授業の前、私が水着に
着替えて更衣室を出た後で、下着を抜き取り、そのまま自分のバッグに仕舞っておく。授業
が終わって戻ってきた私は、下着が無いのに気づき──彼女らはくすくすと笑いながら
教室へと戻った──
 いくら自分のものでなくとも、女の子が下着を人目に晒すのは気が引けるだろう。ならば
今もまだ彼女らのうちの誰かのバッグに潜めてあると考えるのが妥当かもしれない。
──そうだ、羽山君……。
 彼は、私が下着を着けていない事が、彼女らの仕業だと気づいていたようだった。
 さっき、木嶋深雪に声をかけていたのは──
 二人は幼馴染みらしい。そうでなくても、羽山君なら彼女らから下着を取り戻す事など
簡単だろう。彼は女子に人気があるし、一目置かれてもいる。そんな彼が言えば、下着の
隠し場所を吐かせる事ぐらい雑作もないだろう。
 やはり彼に頼るのが一番なのだろうか。でも、それは彼の立場を悪化させかねない。彼女
らが隠したというのは、推測に過ぎず、確定事項ではないのだから。間違っていれば、彼に
迷惑が掛かる。
──それでも、羽山君なら……。
 私のためにしてくれるかもしれない、と思うのは、身勝手だろうか──
 そろそろ次に使うクラスの生徒たちが現れるだろう。
 そう思ったとき、ドアの外に、何人かの話し声が近づいてきた。



293 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/10/27(金) 03:38:43 ID:BYZZgBHb]
最近ちょっと止まってました。すみませんです。
ある程度区切りの良いところまで書き溜めてから投下するように
していこうかなと思います。
今回はここまで。

他の方のも読みたいですねー。
自分が書いたのだけだと物足りないし、妄想の逞しい方もたくさん
おられるでしょうし!w

294 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/27(金) 13:46:39 ID:GW+W/R9t]
最後は夕菜たんと深雪たんの二人が、
羽山と笹野先生に同時に愛でられる4Pだな。

295 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/27(金) 17:56:09 ID:RPrYtSES]
>>294
ハーレムエンドかw

296 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/27(金) 18:34:29 ID:sULOiUA5]
金森もいれてヤレよ

297 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/27(金) 23:10:03 ID:CdgKJNbF]
参加しようとして羽山に蹴りを入れられる金森

298 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/28(土) 18:24:42 ID:BGEHverU]
金森はこれ以上生き恥を曝すくらいなら、もう出しゃばらない方が…

299 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/28(土) 22:14:45 ID:PTrJJ4KW]
 コンクリートの壁と分厚いドアの所為でよく聞こえないが、近づいてくるのは男子生徒
のようだ。
──どうしよう。
 男子生徒なら、女子更衣室には入らないだろう。ならばしばらくここに留まって、やり
過ごすか。今はなるべく人に見られたくない。もう今日は我慢するしかないと腹を括っては
いるが、できる限り人目に触れないようにしたい。
 足音がドアの前で止まり、話し声が続く。
 よりにもよって、女子更衣室の前で立ち話だなんて──どういうつもりなのだろう。
 壁の時計に眼をやると、一時十二分を指していた。あと八分で五時間目が始まる。
 早くここを出なければと思うのだが、ドアを開けるのを躊躇ってしまう。
 何年生かは判らないが、男子生徒の前にこんな姿で出たくない。それに、昼休みの
更衣室にたったひとりでいるのを訝しがられたら、なんと答えれば良いのだろう。下着を
探しに来ました、なんて言うわけにはいかない。
 いや──やましい事など無いのだ。変に意識するからびくびくしてしまうのだ。問い詰め
られるとも限らない。むしろ、そんな事になる方が珍しいだろう。
──もういいや。
 見られるとは言っても、ほんの少しの間だけだ。何事も無かったようにここから出て、
そのまま教室へ戻れば良い。
 ドアノブに手を伸ばす。
「かし、かしはら、だっけ?」
──え?
 表の声が、はっきりと聞こえ、手が止まる。
「そうそう、柏原夕菜!」
 私の名前だった──聞き違いではないかと耳を澄ます。
「一年、何組だっけ? 知らんけど、あれほんとすごいよなー」
「一年とは思えないって」
 数人の声のうちひとつは、聞き憶えがあった。ほんの数十分前に聞いた声だった。
──保健室の、あの先輩……。
 顔はよく思い出せない。背が高く、日焼けした肌と、臙脂のラインが入った三年生を示す
上履きが印象に残っているだけだ。笹野先生と親しげに話していた事から、保健室の常連
なのだろうというぐらいしか判らない。
「目の前で見てマジすげーって思ったわ」
「あの巨乳は一度揉んでみたいよなぁ」
「しかもノーブラだぜ?」
「うっは、乳首勃ってた?」
「勃ってた勃ってた!」
「うわマジ?」
「さおりんとエロい事してたんじゃね?」
「かもなー」
「お前、揉んだのか?」
「いや、それはないけど──」
「揉みたいよなぁ!」
 彼らの会話に眩暈がしそうだった。
──やっぱり、気づかれてた……。
 名前も知らない三年の先輩に、ブラを着けていないと気づかれていた。
 さおりんというのは──そうだ、笹野紗織──
 先生との事も、気づいていたのだろうか。いや、それよりも──彼女は噂どおり、校内の
生徒とああいう事をよくしているのだろうか──
 胸が高鳴り、汗ばんだ身体がさらに熱を帯びてしまう。そんな気持ちは収まっていたはず
なのに、ぶり返してしまう。
──んっ……。
 ノブに伸ばしていた自分の手が、胸に触れた。持ち上げるように包み、指で──
「はぁっ……」
 乳首がきゅっと尖っている。指を動かすと、ぞくぞくとした刺激が広がってしまう。
──私、なんでこんな事……。
 自ら乳首を抓んでいる私は、きっととても淫らな顔になっているのだろう。
 いきなりドアが開いたら──こんなところを見られるわけにはいかない。
 それなのに──

300 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/28(土) 22:17:37 ID:PTrJJ4KW]
「夕菜ちゃん、やらせてくれねぇかなぁ?」
「やりてぇよなー」
「なんか暗い子だし、襲ったらおとなしくやらせてくれそうじゃね?」
「ありそうありそう」
 表にいる三年生たちの声がはっきりと聞こえる。
 彼らは、私と淫らな事をしたいらしい。こんな、胸が大きい以外に取り得の無いような
私と、そういう事をしたいらしい。
 強引にされたら、私は抵抗できないかもしれない。羽山君や、笹野先生に、されるが
ままだったように──
「レイプは拙いだろ〜」
「でもさ、レイプして下さいってお願いされてるようなもんじゃね?」
「あの乳でノーブラだろ? 襲ってくださいって言ってるようなもんじゃん」
「いや、ブラしてたってなぁ、あの乳だけで誘ってるようなもんだな」
 レイプ──私がどれだけ悲鳴を上げても、どれだけ涙を流しても、彼らはそれを気にも
かけず、自分本位でただただ快楽と征服欲を満たそうとするのだろう。
 乳首を強く抓むと、痛みと快感が同時に湧き立ってしまう。
 まさか彼らも、猥談の対象がドア一枚隔ててこんな事をしているなんて思ってもみない
だろう。
「あー、あの乳むちゃくちゃにしてみてぇー」
「揉みたいよなぁ。頼んだら揉ませてくれるんじゃね?」
「ちょ、マジ?」
「知らねぇよ。頼んでみたら?」
「うは、今度見たら頼んでみるか!」
 彼らに頼まれ、乳房を好きに弄ばれる私──
 両手を乳房に重ね、乱暴に指を動かしてしまう。ずきずきと痛むのに、どういうわけか
快感へと変換されてしまう。
「でもさ、巨乳って鈍感っていうじゃん?」
「ああ、言うよな」
「あんだけでかいと感覚無いんじゃね?」
「そうかも〜」
「揉まれてる事にも気づかないとかな」
「それはありえねー!」
 鈍感なわけがない。こんなにも痛くて、こんなにも──気持ちいい。
 服の上からなのに、乳首も乳房も、こんなにも敏感に反応してしまう。
「でもさおりん、けっこう感じてるじゃん」
「いや、さおりんはヤリマンだからだろ」
 やっぱり彼女は──彼らと、しているのだ。
 匂い立つような大人の色香に、何人もの生徒が囚われてしまっているのだろう。
──私もその一人……。
 ヤリマン──誰とでも身体を交わらせる女性をそう言うらしい。私はそんな子じゃない。
誰とでもだなんて──
 けれど、顔も知らない先輩たちに、好きなように弄ばれる自分を想像してしまう。
──こんな風に……おっぱいも、乳首も……。
「あの子あんだけ乳でかいんだし、マンコもすごいんだろうなぁ」
「毛もぼうぼうでさ、すごいマンコしてそうだな」
「スジマンとかありえねぇな。ぱっくり口開けてそうじゃん」
──すごくなんか……。
 片手でスカートの裾を手繰り上げる。汗ばんだ太腿が露になってゆく。
──私のここ、まだこんなに子供っぽい……。
 スカートを捲り上げ、そこを晒してしまう。
 産毛しか生えていない私の恥丘。ぴったりと閉じた秘裂からは、とろとろと熱い蜜が溢れ
出ている。
──すごくエッチになってるよぉ。
 スカートを捲ったまま、秘処を晒したまま、硬くなった突起を抓みながら、先端を撫でる。
びくびくと身体が震えて、ますます止められなくなってしまう。
──気持ちいい、気持ちいいよぉ。
 ほんの数十分前に、二度も達してしまったというのに、また私は自ら慰めている。
 二つの乳首は硬く尖って、ブラウスの内側から──彼らの言うように、いじって下さいと
言わんばかりになっている。溢れた蜜は太腿を伝い落ちそうなほどだ。
──いやらしい……気持ちいい……どうしよう……。

301 名前:夕菜 mailto:sage [2006/10/28(土) 22:21:42 ID:PTrJJ4KW]
「いや、でもあれは処女だろ、どう見ても」
「そうかぁ? なんか虐められてるっぽいし、とっくに犯られてんじゃねーの?」
「教室で輪姦されたりとかな」
「セックスショウとかやってんだよきっと」
「何本も突っ込まれて、ザーメンまみれになってんだ」
「いややっぱ中出しだろ〜」
「妊娠させられてんじゃね?」
「おい、今の一年はそんな事してんのかよ〜」
「いや、してねーだろ!」
 教室で、クラスメイトに──
 男子に代わる代わる犯されてしまう。女の子たちも見ている前で、軽蔑の眼差しを受け
ながら、乱暴に突き入れられ、身体中に精液を浴びせ掛けられ、子宮に子種を注ぎ込まれ
てしまう──
「わかんねーぞぉ? ノーブラも命令されてやってんのかもしんないじゃん?」
「命令って、奴隷かぁ?」
「そうそう、クラス中の性奴隷!」
「エロい事いろいろさせられてんだな、きっと」
 性奴隷の私──
 男子だけでなく女子からも奴隷のように扱われてしまう。下着を着けないよう強制され、
言われるままに双丘を晒し、脚を開いて秘処を露にしてしまう──
「休み時間なんか、いつも犯られてんだ」
「同時にフェラとか手コキとかさせられて?」
「あの乳でパイズリして欲しいな〜」
「マンコにバイブ突っ込まれて授業受けたりとか」
「クリにローターくっつけてたり?」
「乳首もな」
「イきすぎて漏らしちゃったりとかな」
「うわ、おもらしかよ。マニアックだなー」
 休み時間になるたびに、何人もの男子の相手をさせられてしまう。欲望に貫かれながら、
口にも銜えさせられ、手で扱くようにと言われ、乳房であれを挟んで──
 大人のおもちゃ──バイブやローターまで使われてしまい、授業中も刺激されてしまう。
止む事の無い強い刺激が私を何度も絶頂に導く。快楽に飲み込まれてしまった私は、教室
だというのに粗相をしてしまう──
──そんなっ、そんなぁ……。
 自分の噂話──そんな生易しいものじゃない。卑猥で下品で、まるでアダルトムービーか
青年コミックのような、非現実的な戯れ言なのに──私はそれを想像してしまっている。
──いやらしいよぉ。
 きっと彼らは本気であんな事を言っているわけではないのだ。自分たちの下らない空想を
ぶつけあって盛り上がっているだけなのだ。
 それなのに、私は──されるがままに弄ばれる自分を想像し、淫らな気持ちを昂ぶらせて
いる。自ら刺激し、淫らな汁を溢れさせている。
 スカートを捲ったまま、もう一方の手を下腹部へ伸ばす。
 指が汗ばんだ肌の上を滑り、ぷくりと膨らんで顔を覗かせた蕾に──
「ひゃぅ──あっ!」
 その瞬間、予鈴が鳴った。一気に現実に立ち戻る。
──私……!
 つんと突き出した乳首、雫が零れ落ちそうなほどに濡れた秘処──自分が何をしていた
のか再認識してしまう。
 スカートを戻し、ブラウスも整えて、頭を振って気持ちを切り替えようとするが──
 そんな簡単に冷めるようなら、こんな事などしてしまわないだろう。
──私やっぱり、エッチだ……。
「あんたら、そこで何してんの!?」
 遠くから、女子生徒──おそらく三年生だろう──の大声がした。
 彼女の声に弾かれるように、ドアの向こうにいた先輩たちが、うわぁとか、やべぇとか言い
ながら立ち去っていくのが判った。
 きっと彼らは、五時間目にプールを使うクラスなのだろう。のんびりしていては、もっと
大勢の三年生が現れるだろう。
 急いで教室に戻ろう──その前に、トイレに入って秘処を拭おうと思った。
 重たいドアを押し開く。
 日差しがあまりにも鋭くて、眼が痛かった。

302 名前:名無しさん@ピンキー [2006/10/28(土) 22:30:24 ID:pXOJC6iv]
ウンコはでないの



303 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/10/29(日) 14:14:47 ID:FBZPqd1U]
どんどん開発されていきますねw

304 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/02(木) 14:08:17 ID:jcTXzsCW]
パンツ強奪もの キボン

305 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/02(木) 20:29:27 ID:QlhwN2PP]
このスレの4日ぶりのレスが「パンツ強奪もの キボン」かよ。>>304
それはさておき、見事なスレッドストッパーでした。>>303

306 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/03(金) 10:18:38 ID:Yoncp7mJ]
age

307 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/03(金) 13:43:14 ID:u2euXv9f]
>>304
そういうのは二次元排泄系妄想廃棄所で。っていうか金森にトイレ覗かれて羞恥に頬を染める夕菜萌え

308 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/07(火) 12:58:26 ID:F49kd+eY]
長らく間が開いてしまいましたが、ようやく投下できる程度にまとまりました。
7レス、エロ要素は低いですがw

309 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 12:59:21 ID:F49kd+eY]
──恥ずかしい……。
 歩くと乳房が揺れる。ブラウスとタンクトップに隠れてはいるものの、ぷるぷると震えて
いるのは誰の目にも明らかだ。
 スカートを捲れば晒されてしまう秘処はとろとろに濡れている。
 それどころか、ぬるぬるとした感触は内腿にまで伝わってしまっている。スカートの中の
空気が揺れ、ひんやりと感じられる。
──垂れちゃったらどうしよう……。
 更衣室を出て、擦れ違う三年生たちの奇異の視線に耐えながら校舎に入った私は、
一階のトイレへと急いだ。
 空調の涼しい風が、腿に伝う雫をいっそう意識させる。
──急がないと……。
 早足に進むが、胸が激しく揺れて刺激されてしまい、雫がさらに溢れ出す。
 学校でこんなにもそこを濡らしてしまっている自分は、なんて淫らなのだろうと思う。
 三年の男子たちの下品な会話を聴きながら、クラスメイトに身体を許し弄ばれる自分を
妄想していた私は、なんといやらしい女の子なのだろう。
 羽山君に責められ、保健室で自慰をしてしまい、笹野先生にもされておきながら、今も
また熱く潤ませてしまっている。
 ドアを挟んでいたとはいえ、向こう側には三年生の先輩がいたというのに、乳房を揉み、
乳首を抓んでしまった。スカートを捲り上げ、雌蕊に指を伸ばしてしまった。
 ブラを着けていない事が、クラス中に知れ渡ってしまった。保健室に現れた三年生にも
気づかれていた。今頃は、より多くの生徒たちに、私の噂が広まっている事だろう。
 数人の生徒や教師と擦れ違う。彼らの全てが、私がブラをしていない事を知っているの
ではないかと思ってしまう。
 それどころか、ショーツも穿いていないのだと気づかれ、スカートを捲り上げられて
しまうのではないかとまで思ってしまう。
 淫らな気持ちが抑えられない。いやらしい事ばかりが浮かんでしまう。
 恥ずかしいのに、恥ずかしさが身体を熱くしてしまう。
 乳房が揺れて生地に擦れた突起が、もっと刺激して欲しいと言っているようだ。
 スカートの下の剥き出しの秘処が、自分も刺激して欲しいと言っているようだ。
 今ここで、乳房を揉んでしまったらどうなるのだろう。
 下から持ち上げるように、大きな乳房を強調させてしまうのだ。ブラウスに浮き上がった
乳首を抓み、くりくりと指で転がすのだ。
 スカートを捲って、秘処を露にしてしまったらどうなるのだろう。
 制服のスカートを持ち上げて、とろとろになったそこを露出させてしまうのだ。指を伸ば
して蕾に触れ、びくびくと身体を震わせながら嬌声を上げるのだ。
──廊下でそんな事……。
 生徒や教師が歩いている廊下で、こんな想像をしてしまうなんて──
 身体中が熱く火照り、タガが外れてしまいそうだった。
 そんな事になってしまう前に、理性を保っていられるうちにトイレに入らなければ──
 あとほんの数メートルの距離が、永遠にも感じられる。
 行き交う生徒に、ちらりと視線を向けられただけで、びくんと震えてしまう。そんな視線
ですら、私の身体を刺激する力になってしまっている。
 もし今私が教室にいたのなら、三十七人七十二もの視線を浴びて、全身を震わせて達して
しまうのではないだろうか。だらだらと涎を垂らしながら、淫らな露を滴らせ、びくびくと
四肢を痙攣させて──
 ふらふらと歩きながら、ようやくトイレの前に辿り着いた。
 一階のトイレは普段あまり使われていない。壁に手をつきながら一番手前の個室へ入る。
 早くこの淫らな気持ちを拭き取ってしまわなければならない。
 ロールペーパーを三十センチほど引き出す。折り畳んで右の掌に乗せ、左手でスカート
を捲って和式の便器を跨ぐと──
 ぴちゃ、と小さな音が響いた。
──垂れちゃった……。
 こんな事は初めてだった。
 そこから溢れた淫汁が脚の付け根を濡らす事はあったが、零れ落ちるほどになった事など
初めてだった。
 つまり、私がそれほどにまで淫らになっているという事なのだ。
 無意識に──
 掌に乗せたペーパーごと右手でスカートを握り、空いた左の指を伸ばしてしまう。
「ひゃぅっ!」
 触れた瞬間、驚くほど大きな声が出てしまった。

310 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:00:29 ID:F49kd+eY]
 冷や水を浴びせられたように身を縮めた。
 自分の発した嬌声のおかげで、理性が戻ってきた。
 淫らな気持ちがすっかり消えてしまったわけでもないが、判断力が持ち直しただけでも
よしとするべきなのだろう。
 耳をそばだて、周囲を窺う。
──大丈夫、誰もいない……。
 トイレの中に人の気配は無かった。あまり使われない一階のトイレでよかった。ここが
各学年の教室のある二階から四階までのトイレだったら、きっと今の声は誰かに聴かれて
しまっていただろう。
 そんな事にならなっていたら──
──ダメダメ、また変な事考えちゃう。
 くしゃくしゃになったペーパーを内腿へと当てて雫を拭う。
 便器に落として、もう一度ペーパーを引き出した。
 自分のものとは思えないほどに濡れそぼった秘処を、丁寧に拭ってぬめりを取る。
 火照った身体はペーパーの刺激に反応してしまう。
 ぴくぴくと震えてしまうが、刺激に身を任せてはいけない。
 しかし、拭っても拭っても溢れてくる。
 いっそこのまま最後まで達してしまえばと思ってしまう。
──流されちゃダメ……。
 そんな気持ちをなんとか堪え、痛みを覚えるぐらいにまで拭い取った。
──ひりひりする……。
 こすりすぎて粘膜が炎症を起こしてしまったかもしれない。
 じんじんと痛むが、これ以上淫らな気持ちになるよりはましだった。
 積み重ねられたくしゃくしゃのペーパーと一緒に、そんな気持ちが流れていってしまえば
いいと思いながら、流水レバーを下ろした。
 スカートを調えてドアを開けると、チャイムが鳴った。
 五時間目が始まってしまったようだ。
──次は、たしか……。
 国語だった。
 担当の教師は、杉山──
 線が細い割に角張った印象を受ける杉山という男性教師は、見た目通り融通の利かない
性格のようで、授業時間をオーバーして休み時間を潰してしまう事がしばしばあった。
 当然、生徒からは疎ましがられ、まだ二十代半ばと若いこともあって、陰では新米や素人
などと、あまり好ましくない呼ばれ方をされていた。
 杉山はもう教室にいるだろう。いつも、チャイムとほぼ同時にやってくる。
 遅れて教室に入ったら、なんと言われるだろう。
 水谷のように粘着質ではないし、ねちねちと責められる事も無いとは思うが──
 授業中の教室に一人で戻れば目立ってしまう。
 クラス中に知られてしまっているし、またみんなに見られるのは恥ずかしい。
──それに……。
 ブラウスに突起が浮かんでいる。
 また淫らな気持ちになってしまうかもしれない。
 三年男子の先輩たちの言葉──クラス中の性奴隷にされてしまう私の姿が甦る。
 考えてはいけないと解かっているのに考えてしまう。
 きっと、私が淫らな子だからなのだ。
 普通の子はこんな想像なんてしないだろう。好きな男の子との関係は妄想したとしても、
好きでもない男子たちに身体を弄ばれる想像なんて、誰がするというのだろう。
 ブラも着けず、ショーツも穿かずにクラスメイトの前に出るなんて、そんな子は私以外に
いないだろう──
 洗面台で手を軽く流す。
 気が滅入る。またこんな格好のままで教室に戻らなければならないのだ。
 私は更衣室へ何をしに行ったのだろう。擦れ違う生徒たちの視線に晒され、先輩男子たち
の下らない猥談に身体を火照らせただけだった。
 私の下着は、彼女らのうちの誰かのバッグに仕舞い込まれているのだろうか。
 だとしたら、誰のバッグだろうか。
 楠井舞香──だろうか。彼女は私と同じ小学校の出身で、その頃から私への嫌がらせを
していたのだ。きっと恨みも深いだろう。
 脇田千穂だろうか。彼女はグループのリーダー格だし、クラスでも発言力がある。彼女を
敵に回す事は、クラス全体を敵に回すに等しい。
 それとも、木嶋深雪だろうか──

311 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:01:59 ID:F49kd+eY]
 いっそ彼女たちに声をかけてみるのも良いかもしれない。
「私の下着を隠したの、あなたたちでしょう?」
 そう言ってしまいたい。
 彼女らはどんな顔をするのだろう。
 きっと──嘲笑われて、逆に辱められるのが落ちだろう。
 私一人ではどうしようもないのだ。
 助けてくれる人など──
──羽山君なら……。
 彼なら、助けてくれるだろうか。
 羽山君の言葉になら、彼女らは素直に従うのだろうか。
──羽山君に頼るのはダメだよね……。
 確かに彼はさっき、金森から助けてくれたが、また助けてくれるという保証は無い。
 私は彼に酷い事をしたのだ。
 さっきはきっと、金森の暴挙を止めようとしただけなのだろう。押し倒されたのが私で
なくても、羽山君なら止めに入っていただろうから──
 蛇口を閉めて水を止める。
 手を拭こうとして、ハンカチが保健室で借りた下着ごと机の中なのを思い出した。
 ぷるぷると手を振って水気を飛ばす。
 手を振るたびに、胸も揺れてしまう。
──なんでこんなおっきいんだろ……。
 この濡れた手で、ブラウスの上から乳首を抓めば、透けてしまうかもしれない。急に降り
出した雨に濡れ、制服がぴったりと張り付いて透けてしまった事があった。その時はブラを
していたからまだ良かったが、今はきっと、鳶色に透けてしまうのだろう──
──またこんな事……。
 頭を二、三度振って溜め息をついた。
 考えても仕方が無いのだ。私はこのまま教室へ戻るしかない。
 そう思って廊下に出ようとした時、外からぺたぺたとだらしない足音が聞こえてきた。
 くたびれたスリッパでも履いているのか──五時間目の授業へ向かう教師だろう。
 人がいるとなると、躊躇してしまう。
 その足音が不意に止まった。
「お〜い、お前そこでなにしてんだぁ?」
 低くて太い間延びした声だった。聞き覚えはあるが名前が思い出せない。
──私の事じゃなさそうだけど……?
 他に誰がいるのだろう。廊下から人の気配は──
「ちょっと、クラスメイトを待ってます」
──今の、声って!?
 すぐそばから聞こえた声は、耳に馴染んだ声だった。
 落ち着いた調子の、よく通る澄んだ声色──顔が脳裏に浮かぶ。
「すぐ教室に戻りますから」
──やっぱり……。
 間違えようが無い。
 羽山君の声だ。
「おぉ? もう授業始まっとるぞぉ」
「はい」
「急いで戻れよぉ。でも、廊下は走るなよぉ〜」
 教師は、羽山君を咎めるでもなく、のんびりした声で言った。
「はい、走らず急ぎます」
「階段は気をつけろぉ。転ぶと痛いぞぉ〜」
「はい、転ばないように気をつけます」
「おう、じゃあなぁ〜」
 ぺたぺたという足音が外を通り過ぎてゆく。
 羽山君が動いた様子は無い
 私はぺたぺたが遠ざかるまで待って、トイレを出た。
 そこにいたのは、やはり羽山君だった。
 羽山君がわずかな微笑を浮かべて私を見た。
「長かったね」
「えっ……」
 妙な想像をされているのではないかと思ってしまう。
 彼がいつからそこにいたのかは判らないが、もし私がトイレに入った時からいたのだと
したら──

312 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:02:48 ID:F49kd+eY]
──聴かれちゃった……?
 そこに触れたときに漏らしてしまった声──
 トイレが長かったという意味ではなく、その声から想像される行為が長かったと──
──そんな……。
 彼は、内心を読ませてくれない笑みを浮かべたまま、私を見ている。
 どういうわけだか、眼が逸らせない。
 恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまうのに、私は彼の瞳から視線を逸らせない。
 彼の微笑みが私の心を惹き止めて離さない──
 くすりと彼が笑った。
「冗談」
「え……?」
「ちょうど俺しかいなくて良かった」
 それは──
「可愛かったよ、声」
「──ッ!」
──やっぱり、聴かれてた……。
 羽山君に聴かれていたのだ。
 触れたときに出てしまった声を。
 そんなにも大きな、廊下にまで聞こえるような声だったのだ。
「わ、私……して、ない……から」
 私は何を言っているのだろう。
 勝手に言葉が出る。
「ちょっと、だけ……ちょっと、触ったら、声が……」
 しなくてもいいのに、言い訳をしてしまう。
「勝手に、出ちゃったの……変な声……」
 私の他には彼しかいないといっても、ここは学校の廊下なのだ。
 そんなところで、私は何を言ってしまっているのだろう。
 自分で自分が解からなくなる。
 ふふっと笑った彼の右手が、すっと持ち上がった。
 首を竦ませた私の頭に、ぽんと乗せられた。
「触っちゃったんだ?」
「ちょっと、だけ……すこしだけ……当たっただけ……」
 頭を撫でられる。
 親に責められている小さな子供のようだ。
「してもいいのに」
「え……えっ?」
 気が付けば、彼の左腕で腰を抱かれてしまっている。
 咄嗟に身を縮ませると、ぐいと抱き寄せられ、彼の肩口に顔を押し付けてしまう。
「胸、柔らかい」
「あっ、や……」
 彼の右手が私の首にふわりと巻きつき、優しく抱き締められる。
 幻ではない。
 彼はまた、私のもとに現れてくれた。
 私は彼を突き放してしまったのに、彼の差し出してくれた手を払い除けてしまったのに、
彼は教室で私を金森から助けてくれた。
 今、どうして彼がここにいたのかは解からないが──
 彼の体温が布越しにはっきりと感じられる。
「こうされるの、嫌?」
 耳元で囁く彼の言葉が、私の心を揺るがせる。
「……嫌じゃ、ない」
「こういう事も?」
 腰に回された彼の手がするすると下がり、スカートの上からお尻に触れた。
──ここ、廊下なのに……。
 ぴくんと震えてしまう。
 小さな丸みを確かめるように、ゆっくりと撫でられる。
 首に回された手が髪を撫で、耳たぶをくすぐられる。
 ぞくぞくと震えて、私もまた、彼の身体に腕を回してしまう。
 私には、彼のようにストレートに大胆に抱く事はできないが──
 おそるおそる腰を抱き、ワイシャツをきゅっと握った。
 いつまでもこうしていたいと思った。



313 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:03:38 ID:F49kd+eY]
「パンツ、まだ穿いてないんだ?」
 スカートの下にショーツの感触が無いのに気づいたのだろう。
 彼はきっと、私が保健室でショーツを借りたと思っていただろう。それなのに今の私は、
相変わらず下着を身に着けていない。
「う……うん」
「借りられなかったの?」
「借りた……けど……」
「けど?」
──恥ずかしい……。
 便器に落としてしまったなんて──
 彼のワイシャツを握る手に力が篭もる。
「わ、私……」
「うん?」
 頭を撫でられる。
 お尻に触れていた手は、腰に戻っている。
 彼の身体が温かい。
「私、せっかく、借りたのに……」
 言いたくない。便器の中に落としてしまったなんて、馬鹿みたいではないか。
「ごめん、なさい……」
「なんで謝るの?」
 彼が私の耳元で苦笑した。
「だって……」
「ノーパンが癖になった?」
「そんなっ──!」
 そんなわけない。癖になるなんて──
 でも、ほんとうにそう言えるのだろうか。
 下着を盗られて以来、ずっと淫らな気持ちに囚われている私は、ほんとうはこの状態を
望んでいるのではないだろうか──
 そんな事は無いはずなのだが、違うのだと言い切れない。
「冗談」
 彼がぎゅっと私を抱き締めた。
 どこまで本気なのか解からない。
 けれど、このぬくもりは本物に違いない──
「パンツ……」
「うん?」
「落としたの……トイレに」
「トイレに?」
「うん……トイレに落としちゃって、穿けなくなって……」
「……そっか」
 髪を撫でられる。
 ほんのりと香る彼の汗の匂いが心地良い。
「ドジだなぁ、夕菜は」
「う、うぅ……」
 くすりと笑う羽山君。
 笑われて恥ずかしいのに、名前で呼ばれて嬉しい。複雑だった。
「これからどうしようか」
「え?」
「教室戻ったら、またみんなに見られちゃうだろ?」
「……」
 自分で解かっていても、改めて言われると、余計に意識してしまう。
 またクラスメイトの視線に耐えなければならない。
 授業中に、よからぬ妄想に耽って身体を熱くしてしまうかもしれない。
 ショーツの無いままで、さっきのように零れるほどに潤ませてしまっては、スカートに
大きな染みを作ってしまいかねない。
 そんな事になったら、席を立つことすらできなくなってしまう。
「見られたい?」
「えっ──」
「見られて、感じちゃうんでしょ?」
──そんなっ、そんな事……。
 彼の手が、スカートを捲ってゆく。

314 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:04:29 ID:F49kd+eY]
 午後の授業が始まり、周りには羽山君と私以外に人の気配はない。
 だが、ここは一階の廊下なのだ。ほぼ東西の方向に延びた校舎の、百メートル近くも
続いているまっすぐな廊下なのだ。
 そんなところでスカートを捲られてしまう。
 スカートの下には、肌を隠すものが何も無いのに──
「は、羽山君……」
「大丈夫、誰も見てない」
「でもっ」
 正面から抱き締められている私には、自分の後ろ側はまったく見えない。彼がそちらへ
と注意を向けているであろう事が解かっていても、不安で身体が震えてしまう。
 彼は、ふふっと笑って手を止めた。
「エッチな気分、続いたままなんだね」
「そんな……」
「あのあと、保健室で何があったの?」
「えっ──」
 羽山君の気持ちを踏み躙り、独り保健室に残った私──
 彼を想って自慰をしてしまった。
 笹野先生に責められ、達してしまった。
 それを説明するなんて──
「夕菜、昼休みになるまで戻ってこなかった」
「……」
「笹野先生に、されてた?」
「──ッ!」
──気づかれてた……?
 いや、違う──
 彼の耳にも、笹野先生の噂は届いているだろう。生徒を喰っている──更衣室の前で
三年の先輩たちが話していた事からも、その噂は事実なのだ。
 もしかしたら、羽山君も彼女と──
「俺もされそうになった事あるよ」
 なった事ある──けど、しなかった、という事なのだろう。
 彼は私を責めた時、その手の行為は知識だけだと言っていた。
「笹野先生の噂、知ってるでしょ?」
「……うん」
「夕菜は、されたの?」
「わ、私は……」
 されてしまった。彼女の指に身体を震わせ、達してしまった。
 でも、それを彼には言いたくない。好きな人を目の前にして、そんな事をされただなんて
とても言えない。
「夕菜──」
 彼の両手が私の肩を掴み、正面から向き合う。
 羽山君のいつもと変わらぬ微笑が、私の眼を捕らえて離さない。
「夕菜は、可愛いなぁ」
「羽山君……」
 見つめられるだけで、くらくらしてしまう。とろけそうなほどの穏やかな視線──
 吸い込まれそうになって、眼を開けていられない。
 刹那、唇が──
「んっ……」
 温かくて柔らかい。
──キス……こんなとこで……。
 ちゅっと音を立てながら、彼の唇が触れては離れ、離れては触れを繰り返す。
 小鳥が木の実を啄ばむように──
 ふらふらとよろめきそうな私を、背中に回された腕が支えてくれる。
「んっ、んぅ……」
 ミントの香りが口に広がる。彼の舌が、私の唇を割って侵入してきた。
「んぅ……ふぁ」
 くちゅ、と小さな音がした。
 彼の舌と、私の舌とが触れ合う。
 肩と腰を抱かれ、逃げる事は叶わない。
 いや──私には逃げる気など無い。
 自ら、彼の舌を求めてしまっていた。

315 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:05:32 ID:F49kd+eY]
 二人の舌が絡み合う。
 彼はまだ私を想っていてくれた。
 あんな風に突っ撥ねてしまった私を、こうやって抱き締めて、深いキスをしてくれる。
 私はなんて愚かだったのだろう。
 彼はこんなにも私を想ってくれていたというのに──
 自分の事ばかり考えて、彼を信じられなかった。今まで彼が助けてくれた事が無いから
といって、保身に走ってしまった自分が情けない。
 私だって──
 他の男の子たちとは違う雰囲気をもつ彼に、一方的に密かな想いを密かに抱いていた
だけだったではないか。気持ちを表に出さずとも、彼に手助けした事など一度も無かった
ではないか。
 いくら彼が優秀で抜きん出ていると言っても、同い年の男の子なのだ。彼にだって、でき
ない事はいくらでもある。
 さらりと受け流してしまうが、彼もからかわれる事があったし、上級生や、たちの悪い
教師から無理難題を吹っかけられる事もあった。
 それを見ていた私は、彼になにかしただろうか──
 なにもしてはいない。
 自分には関わりが無いと、眼を逸らしていたではないか。
 なのに、自分の事を棚に上げて、彼にはそれを求めるなんて。
──私、やっぱり自分勝手だ……。
 頭の中で、くちゅくちゅと響く音が不意に止んだ。
「どうした?」
 唇が離れ、眼を開けると、彼が心配そうに覗き込んでいた。
 頬を伝う感触──
 涙だった。
「夕菜?」
 伝い落ちる雫を、彼の指がそっと拭う。
「羽山君……」
「うん?」
 彼に謝らなければ──
「保健室で、私……ごめんなさい」
「夕菜──」
「私、羽山君に助けてもらって……なのに、私……」
 眼を逸らしてしまいたい。
 でも逸らしてはいけない。
 彼の眼を真っ直ぐに見ながら言わなければ、嘘になってしまうような気がした。
「ごめんなさい、羽山君。私……」
 彼は黙って私の眼を見つめ返している。口元に、ほんのわずかな笑みを湛えて。
「私、自分が可愛くて、羽山君を、傷つけた」
「……」
「だから……ごめんなさい」
 彼が眼を伏せる。
 ゆっくりと瞼が閉じられ、少しだけ首を傾げ、眼を開いた。
「俺、すごくショックだったな」
「──ッ!」
 身体中の血液が、一瞬にして凍りついたようだった。
 彼の腰にまわしていた腕が、ずるずると落ちてゆく。
「夕菜は俺の事、好きなんじゃないかなって思ってた」
 抑揚の無い声だった。
 私は顔を伏せた。
 彼の言葉を正面から受ける事なんてできなかった。
「階段であんな事したのに、本気で抵抗されなかったし……いや、それ以前から、夕菜が
俺の事を好きなんじゃないかって思ってた」
 淡々と続ける彼。
 ここから逃げ出したい。
 けれど、脚が竦んで動けない。立っているだけでやっとだった。
「保健室で胸まで見せてくれた時、やっぱりそうだったんだって思った」
 聞きたくない──
「なのに、あんな事言われて──」
 彼の言葉をこれ以上聞いたら、私は──

316 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:06:24 ID:F49kd+eY]
「……ごめ……なさ……」
 俯いたまま、だらりと下げた両手を握り締めて言った。
 かすれて、声にならなかった。
「ごめんなさい……」
 もう一度言った。
「夕菜──」
 彼の声が、耳元で──
 私は、抱き締められていた。
「俺の話、まだ途中だってば」
「羽山君……?」
 声色が、変わった。
「ここからがいいところなんだからさ」
 凍りついた私の身体を優しく解かしてくれるような、冗談めかした声音だった。
「あんな事言われてさ、俺、ショックだったんだよ」
 彼の手に、髪を撫でられる。
「ああ、俺は失恋したのかな、って」
 口元に浮かんだ笑みは──自嘲、だろうか。
「それで、気づいた」
 髪を撫でていた指が、すっと頬に触れた。
「──本気だったんだな、俺、ってね」
 羽山君は、私を──
 本気だったと言った彼の言葉は、震えているように思えた。
「俺、昔は泣き虫だったんだよ。だから──」
──羽山君が、泣き虫……?
 今の彼からは想像ができない。
 けれど、ならば、だとしたら──
「あの時、俺ほんとは、泣きそうになっちゃってね」
 振られて泣くなんて、かっこ悪いだろ? と彼は笑った。
 あの時彼は、泣きそうな自分を見られるのが嫌で、背を向けたという事なのか──
「色々と鍛えられて……もう泣く事なんて無いと思ってたのになぁ」
 独り言のように呟く。
 濡れた頬を撫でる指も、私を抱き締めている身体も、わずかに震えているようだった。
「教室まで独りで戻る間……正直言って、寂しかったな」
 ほんとに泣きそうだったよ、と続けた羽山君の指が、私の涙の痕を拭う。
 ならば──
──同じなんだ……。
 私も──寂しかった。
 自分の言葉に悔やみ、やりようのない気持ちを、自ら慰めて誤魔化した。
「まぁ、当たり前だよね」
 彼の身体が離れる。
 両手で頬を挟まれ、上を向かされた。羽山君の、照れたような笑みがそこにあった。
「あんな事されて、好きなんて言われても、信じられないよな。夕菜は謝らなくていい」
 彼ははにかんだように少しだけ眼を逸らした。
 手が離れ、彼が背を向ける。
 背を向けたまま、天を仰ぎ──
「でもさ、俺って諦めが悪いんだ」
 どういう意味かと思う間も無く、彼が振り向いた。
「何度でも言うよ」
 透き通った暗褐色の瞳に、真っ直ぐに見つめられる。
「俺は、夕菜の事が好きだ」
 はっきりとした、曇りの無い言葉だった。
 私は遠回りをしてしまっていたのだ。
 今なら確信できる──彼はこんなにも、私のことを想ってくれていたのだ。
「夕菜、好きだよ」
「羽山君……」
 もう迷う事などない。
 思うままを口にしよう。
 私は素直に、その言葉を紡ぐ──
「私、羽山君の事が……好き」
 二人の唇が、重なり合った。

317 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:12:34 ID:F49kd+eY]
今回は以上です。
どうやらエロい事ばかり考えていて数も数えられなくなってしまったようです。
8レスでした(´・ω・`)
夕菜はまだパンツ穿いてないので、これでは終わりませんw

>>307
それはそれでステキなシチュエーションですなぁ〜
金森は書いていて楽しいキャラなので、まだ出番はありますでございますですわ♪

318 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/07(火) 15:55:31 ID:L0F6WXU/]
いいよいいよー
次もまってるよー

319 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/07(火) 16:41:16 ID:kQtn6Lct]
>>317
羽山か金森のちんぽをチョンパ汁

320 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/07(火) 18:26:15 ID:FzprZ9lN]
>>317
GODJOB
また続きお願いします
夕菜可愛すぎ
幸せになってもらあたいな

321 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/07(火) 19:11:32 ID:s9y46ifh]
>>320
興奮しすぎて手元が狂ったか

>>317
ネ申

322 名前:佐奈 mailto:sage [2006/11/07(火) 20:30:30 ID:g3Rm1Nvh]
私は中3です。3月10日、卒業式でした。
そして、卒業式が終わっていえに帰って、友達と遊びに行っていました。
そしたら!!彼氏に見つかって(?)彼氏の家に急遽行く事になりました。
そして行き成り彼氏は私の胸を触り始めて、ベッドにたおれました。
そしたら制服のスカートをめくり上げて、パンツの中に手を入れて、
チンコの中に指を入れて・・・「クチュクチュクチュ」って。わざといやらしい音を立てて・・・。
そして彼氏はこういいました。「服脱いで」と。
私はビックリしたので「え?」と聞き返しました。私はもちろんエッチはやったことはあります。その彼氏と。ほかの人ともやった事はありますが・・・(藁
そして、彼氏は「オレ、脱いでる所とか写メとるの好きだから」っていいました。
私は納得して、自分でぬぎはじめました。
そして彼氏は私の体で遊び始めました。チンコに指を入れてクチュクチュいやらしい音を出したり、胸をもみもみしたり、なめたり。
そして彼氏は写メもとりまくってました。私のチンコの穴。胸。全体など。
そして彼氏は我慢できなくなったらしく、こういいました。
「オレのズボン脱がせて」と。私は喜んで脱がしました。
ズボンのチャックを開けて、ズボンを下ろして、ガラパンを下ろして。
そしたら彼氏のもうすでに大きくなっているあそこが出てきました。
そして私は彼氏をベッドに寝かし、私はうえにのぼって彼氏のあそこと私のチンコを押さえつけるようにしながら写メをとりました。
とても気持ちよかったです。
この写メを見たい人はこのスレを8箇所に張ってください。
そしたら[               ]←ここにアドレスが出てきます。
それをクリックすると、彼がとった写メすべてのってます。
私がとった写メも、動画も載せてます。
動画はわかりにくいようにしています。
「☆」をクリックすると動画がみれます。
このスレを1箇所にも張らなかった人は、不幸がおこります。
大好きな人が一年以上学校に来なかったり。
嫌いな人があなたの席の隣になったり。
親戚が亡くなったり





323 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/08(水) 00:20:30 ID:jQITqIOD]
突っ込むばかりがエロ要素じゃないってことだよ
素晴らしいよ神

324 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/08(水) 01:39:56 ID:Q0JkT0HQ]
憑き物が落ちたような気分だ。
羽 山君とお幸せに。


で、この後さらにどんな事態が待ち受けているのだろう・・・

325 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/08(水) 02:06:00 ID:7LW3fNPr]
よかった…
いろんな意味でよかった!

326 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/11(土) 13:44:02 ID:zZpfPxGO]
エロ要素少なめでもこれスゲェ好きなんだが

327 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/14(火) 10:14:48 ID:wqt9dt/C]
営業で来る女の子なんかに

「ノーパンで来たら契約する」
なんて言ったりしたツワモノ
いませんか?

328 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/14(火) 11:57:26 ID:Yrh3SP9/]
タイーホされるお

329 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/14(火) 12:45:33 ID:BQQaHajp]
>>327
妄想の世界ではいいかもしれない
現実には危険
相手が怖い女性団体とかの団員だったらヤバいことになるよ

集団が会社へやってきて実名で抗議活動
生きていけなくなります

330 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/14(火) 13:10:54 ID:azR1xV8O]
このスレから逮捕者がでたら
記念カキコとか来るのかなあ

331 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/14(火) 13:13:57 ID:azR1xV8O]
tokyo.cool.ne.jp/myuyan/satomi52.html
コウシン キテタ

332 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/16(木) 07:59:30 ID:EQz+4+dT]
派遣、アルバイト女性を狙う テレビ業界の悪質セクハラ体質
news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2723387/detail?rd

アナウンサーもの おながい



333 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/16(木) 15:12:05 ID:i4UidZjW]
ノーパン部活少女
ノーパン制服美少女

334 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/16(木) 20:25:43 ID:/p/wwGQ5]
いぬかみっ!でのノーパンねたがすばらしかった!舞ーHIMEといい深夜放送アニメは要チェックだぜ!!

335 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/16(木) 20:36:53 ID:0K1r0Koe]
>>334
何話?

336 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/16(木) 23:10:14 ID:ZJMgNIhK]
20話 白布に想いをっ!

337 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/17(金) 16:18:19 ID:mGnKoHtf]
>>336
素晴らしい

338 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/17(金) 16:27:12 ID:lQ8hqrJ2]
もう一つの方は
 舞ーHIME 第四話「風のイ・タ・ズ・ラ」
であってる?

339 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/17(金) 21:44:37 ID:lASi/vB+]
>>338
ご明察。あれこそはノーパン羞恥の極みだった。

340 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/18(土) 09:03:21 ID:Bz2ODfqQ]
玖我なつきはいいな!

341 名前:名無しさん@ピンキー [2006/11/18(土) 09:35:15 ID:yClBPmT3]
この変態どもめっ!!

342 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/18(土) 13:28:16 ID:y9p4QW3V]
>>341
ありがとう。最高の(ry



343 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/19(日) 01:15:30 ID:6pW0rOkS]
今日初めてこのスレを発見し、一気に最初から読みあさった。
何このネ申スレ・・・
たった一人の職人さんだけでここまで盛り上がるか?

344 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/19(日) 08:10:31 ID:wLAGGLms]
職人だけじゃなく、多くの変態たちがいてこそのスレだ

345 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/20(月) 03:38:52 ID:we4txc1N]
返す返すも、1スレ目にあったノーパン学園(勝手に命名)が荒らしの所為で
うやむやになったのが悔やまれる。(あんぐらいブッ飛んでるのも好きだったのに)

346 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:34:37 ID:IKGztgEX]
また日が開いてしまいました。
しかも困ったことに、内容が……。
異論反論覚悟で投下したいと思います。

347 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:35:24 ID:IKGztgEX]
──夕菜ちゃん、夕菜ちゃん……ごめんね夕菜ちゃん。
 竜介はずきずきと痛む喉と側頭部をさすりながら廊下を歩いていた。
 夕菜を追って教室へ戻り、いきなり彼女が抱きついてきた時には、驚いて抱きとめて
あげる事ができなかった──と、竜介は思っている。
 自分の身体に弾かれて倒れてしまった夕菜を、抱き起こしてあげようと思った。
 しかし、クラスメイトたちは下品な言葉で自分たちをからかった。
──あいつらっ、あいつら許せない!
 彼女の大きな膨らみを揉んだのは、あの下品な連中に、彼女と自分の仲を見せ付けて
やろうと思ったからだった。彼女の乳房に触れるのは、自分にだけ許されている事だ。
夕菜は自分のものなのだと認識付けるには、ああするのが一番だったのだ。
 竜介は、自分が何をし、どう見られたのかを解かっていない。竜介は自分と夕菜とが、
固い絆で結ばれていると、主従関係にあるのだと勝手に思い込んでいる。
 いや、思い込みなどではなく、彼の世界には事実として刻まれていた。
──あいつ! 羽山の奴ッ!
 恭也に蹴り飛ばされ、夕菜は窮地を救われた。
 だが、竜介の中での恭也は、自分と夕菜を暴力で引き裂こうとする、最低で凶暴な極
悪人という事になってしまっている。
──でも大丈夫だよ夕菜ちゃん。僕が守ってあげるからね……。
 竜介は意識を取り戻すと、おもむろに立ち上がり足元に落ちたビニール袋から、クラス
メイトに頼まれたパンとドリンクだけ取り出し、ロッカーの後に置いて、何も言わずに
教室を出たのだった。
 自分の分だけビニール袋に残し、左手にぶら下げて廊下を足早に歩いている。
──夕菜ちゃん、どこへ行ったのかなぁ。
 ふと嫌な気配を感じて顔を上げると、廊下の壁に寄りかかっていた恭也と眼が合った。
──あいつ! なんで、こんなとこに……。
 竜介は濁った眼で睨みつける。
 しかし、恭也はおどけたように眼を丸くして、すぐにいつも通りの涼しい顔に戻った。
──気取りやがって……。
 恭也の口元に湛えられた笑みが、竜介の心を抉る。
──あいつ……いつも僕を小馬鹿にしたような眼で見やがって!
 鼻息荒く恭也の方へと歩いてゆく。
 たまたま自分の進行方向に恭也がいるというだけなのではあるが、竜介はこれから彼と
殴り合いの喧嘩でも始めるような気分になってしまっている。
 さっき自分を蹴り飛ばしたのが、恭也である事は認識している。あの時は油断していた
から喰らってしまったが、今はそうはいかないぞ、と意気込む。
 澄ました顔をしていられるのも今のうちだと、両の拳をぎゅっと握り締める。
──こいつで不意をついて……。
 まず、左手にぶら下げた、パンとドリンクの入ったビニール袋で牽制する。そっちに
気を取られた隙に右の鉄拳を叩き込む──
 竜介は体格は良いのだが、喧嘩はからっきしだった。小学生の頃には地域の柔道教室に
通っていたが、格闘技をやっているからと言って喧嘩に勝てるわけでもない。そもそも、
彼は下級生にすら遅れをとる程度の技量しかなかったのだ。
 取っ組み合いになれば体格を活かして抑え付ける事も可能だろうが、まともに喧嘩した
経験も無く、頑丈なだけで俊敏性に欠ける彼が、恭也に敵うはずもない。
──でも、学校で喧嘩はダメだな……。
 あと数歩で恭也に手が届くというところになって、竜介は拳を緩めた。
──いつかきっと落とし前はつけるからな!
 竜介本人は、理性を働かせて殴りかかるのを抑えたつもりになっているのだが──
 実際はそうではなかった。
 恭也は、左手を学生ズボンのポケットに突っ込んで、右手はだらりと下げたまま、壁に
もたれていた。口元に僅かに笑みを浮かべ、緊張感の欠片も感じられない姿だというのに、
一分の隙も無い──
 つまり、竜介は本能的に悟ったのだ。
 自分では刃が立たないと──
 そういう意味では、竜介は格闘者としての才能があるのかもしれない。自分より強い奴
を嗅ぎ分ける力を備えていると言えるのだから。
 ともかく竜介は戦意を喪失し、恭也から眼を逸らして廊下を進んだ。
 恭也の前を通り過ぎ、今頃になって、これからどこへ向かおうかと考える。
 竜介は行き先を考えていなかった。教室にいるのは我慢ができず、しかし食事は摂らね
ばならないのでパンとドリンクだけは持って、無意識のうちに教室を出たのだった。

348 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:36:40 ID:IKGztgEX]
──図書室はダメだなぁ。
 飲食物の持ち込みが禁じられている事を思い出す。
──屋上にしようかな……。
 屋上なら滅多に人が来ない。
 校舎の屋上へ抜ける金属製の重たい扉には、大仰な南京錠が掛けられ、普段は生徒の立ち
入りが禁止されている。
 ここで彼が屋上と意識しているのは、屋上の手前の小さなスペースの事だった。
 屋上へ続く階段を登りきると、数メートル四方の小部屋のような空間があり、屋上自体が
立ち入り禁止のため、生徒も教師もほとんど寄り付かない場所になっていた。
 竜介はそこで独りで昼食を摂ろうと考えたのだが──
「なぁ、どこ行くの?」
──ッ!?
 すぐ後から聞こえたのは、恭也の声だった。
 足を止めて振り返ると、竜介の嫌いなあの微笑があった。
「俺も一緒していい?」
──なんでこいつが……なんの用なんだ?
 全く恭也の意図が掴めず、竜介はただ立ち尽くす。
「どっかで飯食うんだろ?」
 竜介の下げたビニール袋を指差す。
「ど、ど、どこだって、いいだろ」
 どもりながら言って、前を向いて歩き出した。
 恭也も、竜介に並んで歩き出す。
「まぁ、どこでもいいんだけど」
 そう言って、ふふっと笑う。
──お前、なんなんだよぉ!
 怒鳴りつけたい衝動に駆られるが、それを抑え込む。本能的に──
 竜介が無言で歩く。
 恭也も無言で歩く。
 廊下にはそれほど人がいなかったが、二人の名はクラスだけでなく、学年全体にも知れ
渡っている──もちろん正反対のラベリングを施され──この異色の取り合わせは、
擦れ違う全員の眼を奪った。
 竜介がやや先導し、斜め後に恭也が従う形になっている。しかし、恭也に促されておず
おずと先を行く竜介──と見る者の方が多かった事だろう。
──なんなんだ、なんなんだよまったく!
 竜介の思考は、ずっとその繰り返しだった。それ以外には何も浮かばない。
 それでも彼は歩を進め、廊下を折れて階段を登った。
 二人はそのまま竜介の目的地へと辿り着いてしまう。
「ここで食うのか。暑くない?」
 恭也は、暑いと感じているようには見えない顔で言った。
 たしかにここは、空調の吹き出し口が取り付けられていないし、いくつかの小さな窓は
全て填め殺しで、屋上へ抜けるドアに無骨な南京錠が掛けられている。
 その所為か、校舎の中では一番高いここは、階段を通して全ての熱気が集まってくる
ような気にさせられる場所だった。
「あ、暑いなら、きょ、教室戻ればいいだろ」
 竜介はその壁際にどっかと腰を下ろし、胡座をかいてビニール袋からパンとドリンクを
がさがさと取り出した。
「けっこういいね、ここ」
「……な、何が?」
 自分で言っておきながら恭也は竜介の問いに答えず、階段の手すりにもたれて階下を
覗き込んでいる。
──なんだよ、用が無いならさっさと帰れよ。
 恭也の態度に苛立ちを隠せず、包みを乱暴に引き千切り、パンをがぶりと頬張った。
 水気の少ない菓子パンに咽ながら、コーヒー牛乳のパックにストローを突き刺す。
「それ、美味い?」
 恭也が後を見もせずに言う。
「……べ、べ、別に。普通だけど」
「ふうん」
──なんだよ! 興味あるのか無いのかどっちなんだよ、はっきりしろよ!
 その台詞を面白おかしく表現できたのなら、竜介ももっと周りと打ち解ける事ができる
のかもしれない。

349 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:38:37 ID:IKGztgEX]
 恭也はまるでうしろが見えていたかのように、竜介が最後の一口を飲み込むのと同時に、
振り向いた。
「ご馳走様は?」
 すっとぼけたような口調でそんな事を言う。
「食べる前は頂きます、喰ったらご馳走様だろ?」
「……う、うるさいな」
「俺も毎回言うわけじゃないけどさ」
──だからなんなんだよ、何が言いたいんだ!
 こんなに苛々した食事は久しぶりだ、と言ってやろうと思った時だった。
「リュウは、なんであんな事したの?」
「は……?」
 恭也は手すりに背を預け、竜介を真っ直ぐに見る。
「夕菜を、押し倒したじゃん?」
──夕菜……夕菜だって? 僕だってちゃんづけなのに、呼び捨てか!?
 ちゃんづけは竜介の頭の中だけに過ぎないのだが、そんな事は彼にとっては些細だ。
恭也が夕菜と呼び捨てにした事は、極めて重大で我慢ならない。
 彼女と親しくしていいのは自分だけなのだ。女子たちが呼び捨てにするのはまだ許せるが、
他の男、特に恭也のような女誑しが呼び捨てにするなんて、自分を差し置いて夕菜と呼び
捨てるだなんてのは、絶対にあってはならない事なのに──
 瞬間湯沸かし機のごとくに沸騰した頭だが、しかし別の考えも浮かんでくる。
──押し倒した? 僕が? 夕菜ちゃんを?
 あれは自分が抱き留めてあげられなくて、彼女が倒れたしまったのであって、押し倒した
わけではない。その後の事を言っているのであれば、もっと簡単だ。
 二人の絆をクラスの連中に知らしめるため──押し倒したなどと人聞きの悪い言い方を
するこいつは──
「は、は、羽山君は、う、う、羨ましいの?」
「どうかな」
──そうだ、羨ましいんだろう? そうだよ、そうに違いない!
 竜介は残っていたコーヒー牛乳をずずっと吸い上げて飲み干すと、にやりと笑った。
 柔らかな乳房の感触が甦る。剥き出しになった夕菜の二本の白い脚が──
「む、胸、や、や、柔らかくて……す、スカート捲れてただろ? あ、脚だって、きき、き、
綺麗なんだぞ」
 虚勢を張った竜介の台詞に、恭也は眉をぴくりと動かした。
「ふうん? スカート捲れてたもんな。見えた?」
「え? あ、あ、当たり前だよ」
 夕菜ちゃんは僕だけにスカートの中を見せてくれたんだ──と。
「し、白、白くて、可愛いかったぞ、ゆ、夕菜ちゃんの、ぱ、ぱ、パンティ──」
 竜介のどろどろと濁った眼を、恭也は射抜くように見据えている。
「ま、真っ白で、あの、あ、あの毛、毛だって、す、透けてたんだ」
 スカートが捲れ上がり、竜介にだけ見えた純白の下着。そこにうっすらと透けた夕菜の
秘密の茂み──
 眉を顰めて、毛? と訊き返した恭也に、勝ち誇って踏ん反り返る。
「け、け、毛だよ、ま、まん──い、陰毛、知らないのかい?」
 知ってるけどさ、と答えた恭也の声は震えていた。
──どうだ、お前なんて一生かかっても見る事は叶わないんだぞ!
 竜介の得意げな顔に、だが、恭也は複雑な笑みで応えた。
──なんだよ、なんだその顔は?
「ふうん、なるほどね」
 恭也は納得したように、眼を閉じて溜め息をついた。
「想定外って奴だけど、面白いな。それに、そんなイメージなのか」
──想定外? 面白い? イメージ? 何を言ってるんだこいつは?。
「なんか、リュウって、思ってたより凄い奴なんだな」
──褒めて取り入ろうって考えか? 悔しくないのか? もう降参か?
 恭也は、よっ、と声に出して、跳ねるように手摺りから離れた。
「夕菜のあそこ、つるつるで可愛いよな」
──ッ!? なんだよ、なんだそれっ!
 竜介の世界がぐらりと揺らぐ。
 自分が世界の中心から追い出されたような気になってしまう。
「つつ、つ、つ──ッ!」
 竜介は自分でも驚くほど俊敏に立ち上がり、恭也の二の腕を掴んでいた。

350 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:39:20 ID:IKGztgEX]
 恭也の左腕を握り締め、鬼のような形相で睨みつける。
 横を向いた身体で、顔だけを竜介に向けた恭也の口元には、平時と変わらぬ僅かな笑みが
浮かんでいた。
 しかし竜介には、それが自分を嘲り、蔑んでいるように見えてしまう。
「な、な、なんだっ、お、お前っ、なな、な、何が言いたいんだよっ!」
「何って、本当の事だよ」
 竜介の怒声を、恭也はさらりと受け流す。まるで相手にしていないように。
 つるつるで可愛いよな──恭也の台詞がフィードバックする。
「つ、つ、つつ、つる……」
 舌が縺れて言葉にならない。
 ただでさえ喋るのが苦手な竜介は、恭也の言葉に思考を掻き乱されてまともに話せない。
「つるつるがどうした?」
「つ、つっ、つるって──」
 恭也の身体が揺れた──と思う間も無く、彼の自由な右手が翻り、二の腕を掴んでいた
竜介の右手首を捻り上げていた。
「痛ッ!」
 それほど力を篭めたようにも見えないのに、手首を内回りに捻られた竜介の身体が、痛み
から逃れようと、くるりと回ってしまう。
 体格差をものともせず、流れるような動作を一呼吸で終えた恭也は、苦痛に歪んだ竜介と
は対照的に、顔色ひとつ変えていない。
「そんな強く握ったら痛いだろ?」
 そうと思えない口調で、完全に背中を見せてしまった竜介を解放する。
──くそ! くそっ、くそくそくそくそくそぉっ!
 竜介は、よろめいた身体を壁に手を突いて支えた。
 肩越しに恭也を睨みつけるが、恭也は僅かな笑みで応える。
「もう一度よく思い出せよ」
「な、なにを──」
「夕菜のスカートの中身だよ」
 竜介の思考が停止する。
──こいつは、何を……。
 恭也の言葉が理解できない。理解不能の焦燥に駆られて冷や汗がにじむ。
「下着は穿いてたのか?」
「し、下着──」
「本当に透けてたのか?」
 教室でぶつかった夕菜は、竜介の前で、膝を立てたまま尻餅をついてしまった。白い
太腿が露になって、捲れ上がったスカートは──
「あ、あ、当たり前だ! 当たり前だろっ!」
「いいか、リュウ。もう一度だ」
 がなり立てる竜介をなだめるように、恭也は穏やかな声を投げかける。
「もう一度、落ち着いて、ようく思い出すんだ」
 何度思い出しても変わらない。夕菜のスカートからは、白い下着が見えていたのだ。
「下着は見えたのか?」
 白い布が、そこを覆っていた。夕菜のそこは、白い布に覆われ──
「ほんとに、毛が透けてたのか?」
 恭也の声が、竜介の意識に染み込んでゆく。
 竜介の世界に亀裂が走る──
 白い布は、そこを覆ってはいたが、ショーツのように密着していたわけではなかった。
皺を作ってそこに被さっているだけで──
「それは、本当にお前の眼に映ったものなのか?」
──違う……違うんだ。
 自分の眼が捉えた光景が、今ははっきりと竜介の脳裏に甦っていた。
 彼の世界が、音を立てて崩れ始めた。
「あ、あ、あっ、あれは……」
 白い布地は確かに見た。
 だがそれは──ブラウスの裾だ。
 ブラウスの裾が、夕菜のスカートの裾から覗いていただけなのだ。
 彼女のしなやかな太腿の間から、それが顔を出していただけで──
 竜介は俯いた。
「せ、せ、制服の、す、裾だよ……」
 恭也の眼が、ふっと緩んだ。

351 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:43:33 ID:IKGztgEX]
「そっか、裾だったのか」
 恭也の言葉で、それを改めて認識する。
──僕は、見てなかった……夕菜ちゃんのパンティーを、見てなかったんだ。
 自分の眼の前で尻餅をついてしまった夕菜は、白い太腿を剥き出しにしていた。眼を
奪われた竜介は、スカートから覗くブラウスの裾を、ショーツだと勘違いしたのだ。
 しかも、皺が寄って陰になったそこに、夕菜の陰毛を幻視してもいた。
 それどころか、彼女の脚の付け根の映像が、竜介の記憶には存在しなかったのだ。
 全身の力が抜けてしまうようだった。ひどく心細い。
 世界の中心から追い出され、虚空を漂っているような寂然とした気持ちだった。
「リュウは、見なかったんだな」
 恭也はいつの間にか、彼の横の壁に背を預けていた。
 うん、と頷き、竜介も壁にもたれた。
「み、見えなかったよ」
 竜介は恭也を嫌っていたはずなのに──どういうわけか、今は彼が隣にいる事で、
寂しさが和らぐような気になっていた。
「残念だったな」
「はは……そ、そうかもね」
 力無く笑った。
 やはりこいつには勝てない、と竜介は思う。
──いや、最初から勝負になるわけがないんだ……。
 横目で恭也の顔を見ると、彼も竜介を見ていた。
 全てを見抜くような彼の視線から、眼を逸らしてしまう。
「リュウは、おっぱい好き?」
 ぶっと吹き出してしまう。
 いきなり何を言い出すんだと、表情の読めない彼の顔をまじまじと見てしまう。
「夕菜のおっぱい、すごいよな」
「ゆ、ゆ……か、柏原さんの……」
「夕菜ちゃん、って言えばいいじゃん。さっきは言ってたろ?」
 慌てて顔を伏せたが、視線は痛いほどに感じられる。
「俺、実は巨乳好きなんだよ」
「えっ……」
「好きなんだろ、夕菜の事?」
「──ッ!」
「やっぱ、巨乳は良いよな」
「な、なっ、そ、そんな事で、僕はっ──」
「最初はそんなもんでいいじゃん。切欠はそんなんだろ? 見た目が好みとか、喋り方が
可愛いとか、ちょっと優しくされて嬉しかったとか、さ」
 そういうものなのだろうと、竜介も思う。
 最初に興味を持ったのは、彼女の胸だった。規格外の乳房に触れてみたいと思った。
日が経つにつれ、どうやら彼女は自分と似た境遇なのだと理解できるようになり、仲間
意識を覚え始めた。そして、日々妄想に耽り、彼女への想いを強めていったのだ。
──妄想、なんだよな……。
 それは彼のたったひとつの拠り所だった。
 自分の世界を創り上げ、そこに心を留め置く事で、辛い外界から守っていたのだ。
「まだ痛むか?」
 言われて思い出す。教室で蹴られた痛みは、まだ少し残っていた。
「謝らないからな」
「うん……」
 今の竜介には、自分が何をしたのか理解できている。
 夕菜は嫌がっていた。恐怖に怯えていた。謝るのは自分の方だ。
「たぶんリュウはさ、どっかでギアが噛み合わなくなってただけなんだろうな」
 責めるでもなく、慰めるでもない淡々とした口調で言い、俺にもそういう時期があった
からな、と恭也は笑った。
 彼がそんな事を自分に言う理由が解からず、竜介は何も応えられずに床を見続けた。
 不意に、恭也はもたれていた壁から身体を起こした。
 竜介の肩に手を乗せ、顔を上げた彼の顔を正面から見据える。
「ま、あの胸から、つるつるなのは想像できないよなぁ」
 不敵に笑って、初めて歯を見せた。真っ白で、濁りの無い歯だった。
 竜介は、敗北を悟った。
 と同時に、どこか安らかな気持ちに包まれているのも感じていた。

352 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/20(月) 15:45:11 ID:IKGztgEX]
というわけで今回は以上です。
エロ要素もノーパン要素も皆無で……すみません。



353 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/20(月) 16:37:20 ID:1SvNNKpR]
ムキー!
この我慢汁をどうしてくれるんだ。
次まぁだぁ〜まぁだぁ〜チンチン
待ってるよ〜チンチン

354 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/20(月) 17:34:15 ID:XlCKGjrh]
恭ちゃん男前だな……
惚れたぜ

355 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/20(月) 23:17:13 ID:6lilnOfE]
なんていうか大人だな

ゆっくり自分が書きたいものを書いてください。

356 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/11/21(火) 17:00:00 ID:M8wpVZB1]
>>352
待ってたよ。
羽山はちょっとスーパーマンすぎるかな?とも思ってたんだけど
今回のエピソードで俄然親近感わいたよ。
まんこ見られたか知るためにあんなまわりくどい聞き方したり、独占欲丸出しだし
可愛いじゃないかwちゃんと夕菜の事好きみたいで安心したよ。
今後の夕菜と羽山の絡みが楽しみだ。中の人ガンガレ。

357 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:14:12 ID:Wiee+zf5]
こんにちは。皆様コメントありがとうございます。
ひとまとまり書けたので投下します。
今回は深雪タンのお話。エロ要素はは相変わらず……(´・ω・`)


358 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:16:41 ID:Wiee+zf5]
「おっ、羽山どうしたん?」
 男子の声に、深雪は顔を上げた。
 あと少しで弁当を食べ終えようという時、恭也が教室に戻ってきた。
 深雪が顔を向けた時にはもう、恭也は深雪の眼を捉えていた。
「深雪、ちょっといい?」
「え?」
 突然声をかけられ、深雪は戸惑ってしまう。
 勘の鋭い彼の事だ。夕菜の下着を自分たちが隠したのだと気づき、追及しようというの
かもしれないと、不安に駆られる。
 それとも──自分の秘密の趣味を知られてしまったのだろうかとも思う。
「まだ途中か。食った後で良いよ。俺も途中だしさ」
 え、そう? という、呆けたような深雪の返事に恭也は苦笑する。
「さっさと食えよ。込み入った話になるかもしれないし」
 深雪は、心臓を鷲掴みにされたようだった。
 そんな彼女を気にも留めない様子で、恭也は自分の席に戻ってしまう。
「お前どこ行ってたんだよ?」
「トイレだよ」
「なんだ、うんこか」
「そんなとこ」
 男子の台詞は下品だったが、恭也は意に介さず、食べかけの弁当を突付き始めた。
「ねぇ、ちょっと深雪。今のって……」
 隣にいた楠井舞香に囁かれ、深雪は我に返った。
「羽山君、気づいてるんじゃ……」
 彼女もそう思っていたのかと、いっそう不安になる。
「何も言わなきゃ判んないって」
 しかし、机を合わせている脇田千穂は、さらりとそう言った。
 舞香は、小柄で可愛らしい顔立ちと幼い体型の所為か、小学生に間違われる事も多い。
甘え上手で男子にも人気が高い。だが、彼女こそが、深雪に夕菜へのマイナスイメージを
植え付けた張本人だ。
 一方の千穂は、すらりと背が高く、凛とした美貌の持ち主で、アイドル顔負けの美少女
だった。何事もはっきりと自分の意見を出すタイプで発言力があり、彼女を敵に回す事は、
クラスメイト全てを敵に回すのに等しい。
 千穂は深雪とは小学生の頃からの付き合いで、家が近所だったのもあって、よく一緒に
遊んでいた。舞香とは中学になってから知り合ったのだが、同じテニス部で席も近かった
ため、よく喋るようになり、入学してひと月もする頃には、三人はグループを形作って、
夕菜に対する攻撃をするようになった。
「うん……そうだよね」
 深雪は千穂の言葉に頷いたが、どうにも調子が狂っているのを自覚していた。
──あんな姿を見ちゃったから?
 脚を広げて尻餅をついた夕菜の姿が頭をよぎる。はっきりとは判らなかったが、夕菜は
竜介に秘処を見られてしまったかもしれないのだ。
 深雪があんな提案をしなければ、夕菜はそんな目に合わなかったかもしれない。深雪は
夕菜の事を嫌っているが、どうしてなのかと問われれば、答えに詰まってしまう。
 舞香がそう言っていたから。千穂もああいう子は気に入らないと言ったから──
 その程度なのだ。出所は、深雪自身の意思ではない。
 中学生になり、初めてのクラスに幼馴染みの千穂がいたのは嬉しかった。クラスの大半
が知らない顔で心細いところに、仲の良い千穂がいてくれたのは、えもいわれぬ安堵感を
与えてくれた。
 千穂がテニス部に入るというので、自分もそうした。一年生は基礎練習と玉拾い、用具
の手入ればかりで、部活のメニューは大して面白くもなかったが、部員たちとのお喋りは
楽しかった。
 ちっちゃくて可愛らしいクラスメイト、舞香とも部活を通じて仲良くなった。
 舞香は、深雪の斜め前の席の夕菜の事を嫌っていた。確かに、地味でおとなしく、少々
とっつき難い子だとは思っていたが、胸の大きな暗い子、という程度の認識だった。
 舞香を中心に夕菜への風当たりが強まり、深雪もなんとなく一緒に夕菜を疎外している
うちに、夕菜を疎む気持ちが大きくなっていった。
 千穂がクラスでの発言力を高めていくのも手伝って、深雪たち三人は夕菜虐めの急先鋒
のような立ち位置になっていた。
 深雪の席が今の位置──教室の後の出入り口の近く、千穂の斜め後ろ──になった
のは、ついひと月ほど前であり、千穂の影響力の強さを表していた。

359 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:18:23 ID:Wiee+zf5]
──別に、あの子がどうなろうが、私の知った事じゃ……。
 夕菜の最初の印象は、自分より胸が大きい、というものだった。
 中学に上がったばかりとしては、深雪もかなり目立つサイズだ。
 深雪も小学生時代には、その膨らみをからかわれる事もあったが、夕菜と違って深雪は
大きな胸に嫌悪感を抱いた事は無い。むしろその逆で、表に出す事はなかったが、同級生
よりも大きい事に優越感を持ってもいた。
 それに、そばにはいつも千穂がいたため、虐められるという事が全く無かった。
 深雪は、虐げられる側に回った事が無い。からかわれる事ぐらいはあっても、夕菜の
ように、クラス中からそっぽを向かれるような状況は経験していないのだ。
 故に、夕菜の気持ちなど考える事も無く、彼女に辛く当たる事に抵抗が無かった。
──でも、やっぱり……。
 あんな場面を目の当たりにしてしまって、そんな彼女も良心の呵責を覚える。
 竜介の行動は予測も理解もできなかったが、自分が発端となったようなものなのだと
思うと、あんな案を口にしなければ良かったと後悔する。
 と同時に、夕菜に同情している自分を意識し、複雑にもなる。
 下着を着けていない夕菜と、人に言えない趣味を持つ自分とが重なり合う。
 家の近くのごく短い距離を歩く間だけの、誰にも言えない秘密の趣味──
 一度だけ、独りで遠出した時に試した事もあった。
 今年のゴールデンウィークのある日、千穂と出かける予定だった深雪は、彼女が急な
用事でキャンセルになってしまったおかげで、しおれた気持ちを持て余していた。
 舞香を始め、親しい友人は軒並み家族で旅行中なのを知っていたし、兄も学生時代の
友人と集まるとかで留守だった。
 家にいてもつまらないと、深雪は独りで駅に向かった。繁華街方面に向かうつもり
だったが、なんとなく、反対方面行きの各駅停車に乗ってみた。
 がらがらの座席に腰を下ろし、バッグを膝の上に置いてぼーっと揺られていると、
通路を挟んで反対側に座っていた大学生ぐらいの青年の視線に気づいた。
 彼は携帯電話を弄びながら、ちらちらと深雪に眼を向けていた。
 それもそのはず、その時穿いていたスカートは、深雪の手持ちで一番短く、バッグが
無ければ容易く下着を拝めるほどだったのだ。Tシャツにパーカーを羽織っただけの
上半身も、中学生になったばかりにしては大きい彼女の胸が目立っていた。
 若い男が彼女の剥き出しの健康的な膝と、幼いながらもふくよかな膨らみに眼を奪われ
てしまったのもむべなるかな──
 深雪は、男の視線を気にすれば気にするほど、危険な想いに駆られてしまった。
 脚を開けば見られてしまうだろうか。バッグをどければ見えてしまうだろうか。見られ
たらどうなってしまうのだろうか──兄の成人向け雑誌で見た、いくつもの淫らな場面が
浮かび上がった。
 それらをかろうじて押し留め、平静を装っていた。
 窓の外は、高層建築と低層住宅のひしめくごみごみした住宅街から、次第にのどかな
郊外の景色へと移ろっていった。
 やがて青年は電車を降り、その車両にいるのは、深雪から離れたところにいる数人だけ
となった。
 深雪は、少しだけ脚を広げた。さっきまでいた青年に見られているところを、その先
までもを想像し──官能的な昂ぶりに支配され、湧き上がる熱を抑えられなくなった。
 家を出てからおよそ一時間の後、深雪は、一度も降りた事の無い小さな駅のホームに
立っていた。
 改札口の手前にあったトイレに入り、ショーツを下ろした。そこは驚くほどに潤んで
いて、淡いピンクの生地に大きな染みを作っていた。
 深雪は高鳴る鼓動を聴きながら、ショーツを脱いでしまった。
 股下が十センチ程度しかないデニムのスカートだ。ローライズのヒップハングだから、
下ろして丈を稼ぐ事もできない。
 そんなあられもない姿で、深雪は知らない町を歩いた。
 駅前商店街だというのに人影は疎らで、所々に畑が見えたりもする小さな町は、深雪の
育った都心に近いごみごみした街とは大違いだった。祖父が暮らす山間の田舎町とも違い、
異界にでも迷い込んだような気にさせられた。
 深雪は羞恥に頬を染め、濡れた秘処をさらに潤ませて、ふらふらと彷徨った。
 一度、ふらつく脚が縺れて転びそうになった時は、心臓が飛び出るような思いだった。
 見慣れたファーストフードを見つけ、安心したようながっかりしたような気分でポテト
とコーラを注文した。
 それを口にするより先に、深雪はトイレに向かった。
 呆れるほどに濡れそぼった秘処に触れると、あっけなく達してしまったのを憶えている。

360 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:20:11 ID:Wiee+zf5]
 深雪はそんな性癖を、一番の親友である千穂にも話していない。その切欠を作ったとも
言える兄にだって話した事は無い。話せるはずも無い。自分一人だけの真の秘密なのだ。
 恭也にだって知られたくない──
 幼い頃を知っている恭也にだって、こんな自分を知られたいとは思わない。
──あたしが、こんなエッチな事してるなんてばれたら……。
 どう思われるのだろうと、不安になる。
──きっと軽蔑されちゃうよね……。
 いや、既に軽蔑されているのかもしれない。
 恭也は勘が良い。洞察力が鋭い。きっと──
 舞香の言葉が甦ってきた。
──恭ちゃん、気づいてるのかなぁ。
 バッグの中の夕菜の下着──
 男子の中には夕菜の身体に触れたりするような者もいたし、彼女らも多少はそういった
嫌がらせをした事もあったが、中心になっていたのは、いかにもこの年頃の少女らしい、
精神的な、社会的な虐めだった。
 いや、虐めなんてものはどんな年代であっても大した差は無いのだろうが──
──もし、気づいてたら……どうしよう。
 今現在、深雪たちのグループは千穂のおかげでクラスの主流派であり、彼女らに敵対
しようとする者は誰もいない。
 だが、千穂に対抗しうる存在を敵に回したとなると、話は別だ──
 向かいに座った千穂は、空になった弁当箱を包み直していた。
 猫をモチーフにしたキャラクターの描かれたハンカチは、凛としたイメージの千穂とは
結び付き難いが、彼女が幼い頃からそれに目が無いのを、深雪はよく知っていた。
 千穂はいつもと変わらず、悠然とした佇まいをしている。
 なのに──深雪は、どこか違和感を覚える。
 よく見れば、千穂の眼はほんの僅かに潤んでいる。
──千穂……動揺してる?
 原因が、さっきの恭也の台詞にある事は考えるまでも無かった。
 千穂もまた、恭也が夕菜を二度も庇ったのを目にしているのだ。
 恭也はあまり表に出ないタイプだが、男女どちらからも一目置かれている。中学生とは
思えぬ泰然とした雰囲気は、きりっとしていて物怖じしない千穂とも通ずるものがあるが、
あまり人と連まないところは大きく違っていた。
 恭也にもそれなりに仲の良い友人はいるが、千穂と深雪のように、べったりというわけ
ではない。男女の違いもあるだろうが、群れるのが苦手という彼の性質でもある。
 一匹狼と言ったら大袈裟だろうが、それでいて、周りとも上手くやってゆける。
 それは彼の心の強さであり、人望の高さも物語っていた。
──恭ちゃんが、もし……。
 夕菜の側に立ったのだとしたら、深雪たちに宣戦布告したのならば──
 千穂は、自分たちが砂上の楼閣にいるも同然だと理解している。
 舞香もまた、無意識的に悟っていたし、深雪も漠然とした恐れを抱いていた。
 だからこそ、舞香は恭也の態度に不安を表し、千穂も動揺しているのだ。
──恭ちゃん、やっぱりあの子の事が……。
 認めたくない。たとえクラス全員を敵に回しても、それだけは認めたくない。
 自分の立場がどうなろうと、恭也の心を夕菜に奪われてしまうのだけは我慢できない。
 しかし、深雪自身にも解かっていた。
 彼の心が、夕菜へと向いている事を──
「そ、そういえばさっ、昨日のあれ見た?」
 唐突に、舞香が不自然なほどに明るい声を上げた。
「あっ、見た見た!」
 深雪は心の中で感謝し、彼女に倣ってわざとらしいくらいに明るく応えた。
 舞香のこういうところに深雪は時々感心する。いつもはきゃいきゃいと騒がしいだけに
見えるが、話題の転換が巧いというか、空気を入れ換えるのが巧いというか──
 場を読む力に長けているのだろう。それは深雪には真似できない事だった。
 千穂もまた、舞香のそんなところに感謝していた。
 三人は、鼻先の問題から眼を逸らそうと、テレビドラマの話題に花を咲かせた。
 深雪は直前までの暗澹とした気分が吹き飛び、ドラマの主演を務める男性アイドルと、
ヒロイン役の女性アイドルとの噂話にのめり込んでいた。
 夕菜が教室を出て行った事など気づきもせず──
「深雪、もういい?」
 恭也の声に驚き、がたんと大きく椅子を鳴らして笑われてしまった。

361 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:21:44 ID:Wiee+zf5]
 深雪は、恭也に連れられて席を立った。
 縋るような眼で千穂を見たが、眼を伏せた彼女は、深雪の視線に気づかなかった。
──千穂っ、助けてよぉ!
 自分がピンチの時には、いつも傍にいてくれた千穂が、今は助けてくれない。
 彼女が意図的に逃れようとしているのではないとは解かるのだが、恨めしく思う。
 教室を出て、廊下を並んで歩く。
 廊下には多くの生徒が出て、お喋りに興じたり、よくわからない遊びで盛り上がったり
していた。それぞれの教室からも、がやがやとざわめきが溢れている。
「何の話か、判るよな?」
 深雪はびくりと肩を竦ませた。
 恭也の声は普段と何も変わらないのに、詰問されているような気になってしまうのは、
深雪の心に疚しさがあるからだ。
 深雪は答えられずに無言のままだった。
 恭也もそうと予測していたのか、何も言わずに歩き続ける。
「こっちだよ」
 階段へと折れ、二人は登ってゆく。
 屋上へ抜ける階段は、誰も通らない。この季節は空調の利き難いそこへ生徒が来る事は
ほとんど無い。
 顔を上げると、深雪の視界に一人の男子生徒の姿が映った。
「あれ? まだいたのか」
「あ、は、羽山君……」
 見知った少年が座っていた。太り気味でがっしりした体格の、陰気なクラスメイト。
 アニメや漫画、ゲームなどのオタク趣味に傾倒し、ぼそぼそと聞き取り難い声で喋る彼を、
深雪は嫌いだった。クラスの誰もが、彼に良いイメージを持っていない。
 突然夕菜に襲い掛かり、恭也に蹴り飛ばされた後、どこかへ行ってしまったと思って
いた金森竜介が、そこにいた。
──まだいたのか、って……どういう事?
 恭也は竜介がここにいた事を知っていたというのだろうかと、深雪は疑問に思う。
 恭也に助けられた夕菜は、知らぬ間に教室からいなくなっており、すぐ後、恭也も教室
を出て行った。その後に、竜介が男子たちから何か言われながらも、何も答える事無く
出て行ったのを憶えている。
 恭也が出て行ったのは、夕菜を追いかけたのだろう。竜介が出て行ったのは、教室に
居辛かったからだろう。
 恭也と竜介はどこかで合流し、二人でここに来ていたのだろうか。それとも、夕菜も
一緒だったのだろうか──
──あれ? そういえば……。
 それからしばらくして、夕菜は独りで戻ってきたはずだった。だが、今自分が恭也に
連れられて席を立った時には、彼女の姿は無かったように思える。
 あんな格好のままでどこへ行ったのだろう──と思うと同時に、自分が連れ出された
わけを思い出す。
──あたし、どうしよう……。
 夕菜をそんな格好にさせてしまったのは、自分が元凶なのだ。
 恭也は気づいている。問い質し、追及するために連れてきたのだ。
「ちょっと、ここ借りて良い?」
「え? え、あ……うん」
「込み入った話になりそうだから、いいかな?」
 言外に、席を外して欲しいと言っている。
「あ、ああ、いいよ、ぼ、ぼ、僕もそろそろ、も、戻ろうと思ってたし」
「そっか、悪いな」
 立ち上がった竜介が自分の方を見ているのに気づき、深雪はふと違和感を覚えた。
 それがなんなのか理解する間も無く、恭也に腕を引かれて屋上手前の開けたところへと
登ってゆく。
「い、いいよ、別に、ぼ、僕の場所ってわけじゃ、ないし」
「ありがとな」
 手に提げたビニール袋に、パンの包み屑とコーヒー牛乳の紙パックが透けていた。
「き、き、木嶋さん……」
 不意に竜介に名を呼ばれ、びくっとそちらを見た。
 彼は眼が合うと、怯えたように逸らしてしまう。
 そして、俯き加減で、落ち着き無く床と深雪を交互に見ながら言った。
「し、し、下着……その、や、や、やりすぎは、よくないよ」

362 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:23:45 ID:Wiee+zf5]
──下着? やりすぎ、って……!?
 こんな奴にまで気づかれていたのかと、深雪は愕然とする。
「じゃ、じゃあ僕は、い、行くよ」
「ああ、またあとでな」
「う、うん、また」
 竜介を、恭也は片手を上げて見送った。
 階段を降りてゆく竜介の姿を、深雪は見ている事ができなかった。
 竜介にまで気づかれているのなら、クラス中の全員が気づいていると思うのが妥当だと、
深雪は絶望感に打ちひしがれていた。
 夕菜の下着を隠し、恥ずかしがらせてやろうと提案した自分。大はしゃぎして面白そう
だと頷いた舞香。そして、実行の意思を固め、計画を練った千穂──
 千穂が決めたんだ、自分が決めたわけではない。夕菜のバッグから下着を取り出したの
は舞香だし、自分はバッグを提供しただけで直接手を下したわけではない。言い出しっぺ
は自分でも、やろうと決めたのは千穂だし、やったのは舞香だし──
 だが、恭也に、いや、クラスメイト全てに追及されたとして、自分はやってないなどと
言っても、誰も聞いてはくれないだろう。
──千穂……舞香……。
 自分だけ責任逃れをしようとすれば、今までずっと一緒にいた千穂や、せっかく親しく
なった舞香との仲が壊れてしまいかねない。
「深雪」
「えっ、なに?」
 呼ばれて振り向くと、恭也がじっと見ていた。
 全てを見抜くような瞳にたじろぐ。
「夕菜の下着、どこやった?」
「──ッ!」
 抑揚の無い、単刀直入な台詞だった。その言葉を予想はしていても、深雪の心は激しく
揺さぶられ、彼が夕菜と呼び捨てた事も意識できなかった。
「あ、あっ、あたし──」
「隠したんだろ?」
「あ、あたしは……」
 言い訳をしてしまいそうになる。
 だが、そんなものは無駄だとも解かっている。
「どこに隠したの?」
 幼い頃の恭也は、こんな自信に満ちた言葉を吐けるような子ではなかった。
 小学生の六年間で、恭也はすっかり変わってしまった。
 同級生とは見違えるほどに逞しい心を持った、一人前の男とも言える少年になっていた。
 深雪も変わっていた。
 弱者を虐げる側になってしまっていた──
「深雪、どうしたんだ?」
「あ、うっ──」
──怖い……!
 恭也の眼が、自分を責めているようで、全ての罪は自分にあるのだと言っているようで、
罪を償うには罰が必要だと迫られているようで──
 恭也に咎められるのが辛い。恭也に糾弾されるのが辛い。
 あんな事を言わなければ良かった。あんな提案をしなければ良かった。
「深雪は、そんな子じゃなかっただろ?」
──あたしは……。
 幼い恭也は、いつもびくびくしていて、力の強い子たちから虐められていた。
 深雪はお姉さん風を吹かせて、そんな恭也の世話を焼いたり、庇ったりした。おかげで
酷い目に遭った事もあるが、恭也を守ったという満足感の方が大きかった。
「俺をいつも助けてくれたじゃないか。俺、嬉しかったぞ」
 なんで夕菜を虐め始めたんだろう。舞香の言葉に乗せられなければ、幼い頃のように、
人としての道を逸れずにいれば、こんな想いにはならなかったろうに──
「うっ、うぅっ……ひっ、うぐ……」
「深雪……」
 恭也の口元が緩んだ。しょうがない奴だなぁ、と呟く。
 潤んで霞んだ深雪に眼は、彼の戸惑ったような、なだめるような顔が映っていなかった。
「泣くなよ、深雪」
「あぅ、うぅっ、恭ちゃん、ううぅっ──」
 立ち尽くしたまま、深雪は子供のような泣き声を上げた。



363 名前:夕菜 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:25:23 ID:Wiee+zf5]
 恭也のハンカチが、深雪の涙を拭い取ってゆく。
 ひとしきり泣いた深雪を、恭也は包み込むでもなく、突き放すでもなく──いつも通り
幽かな笑みを浮かべたままで、涙を拭いてあげた。
 そんな恭也の態度が、深雪には嬉しくて、しかし、寂しかった。
「ごめんね、恭ちゃん……」
「ん?」
──だって、ハンカチ、汚れちゃったでしょ?
 うっすらと乗せたファンデーションがついてしまっただろうから。
 千穂から教わったメイクはまだ慣れていなくて失敗する事もあるが、自分でない自分に
なったような気分になれるのが嬉しかった。魔法のような、という言葉通りだと思う。
 あまり派手にはできないが、学校のある日もメイクをしていたし、コンパクトや化粧水
などを入れたポーチをいつも持ち歩いている。今日は水泳があったから──
──違う、そんな事どうだっていい……。
「恭ちゃん……」
「どうした?」
 恭也の表情は変わらない。
 深雪にはそれが責めているようにも見えるし、全く無関心のようにも見えた。
──そんなの、やだ……。
 責められるならいい。だが、無関心なのは嫌だ──
「深雪は、後悔してる?」
 後悔──していた。
 夕菜と自分とは、ほんの少ししか違わないのだと理解したから。
 自分の傍にはいつでも千穂がいたが、彼女には誰もいなかった。千穂がいなければ、
深雪だって夕菜のようになっていたかもしれないのだ。
「……うん」
「ならいいじゃん」
「え──?」
「やりすぎた事を反省して、後悔して……だから泣いちゃったんだよな?」
 やりすぎは、よくないよ──
 竜介の顔が浮かんだ。
 見るだけで嫌悪感を抱く、暗く濁った眼をしていていたのに、さっきの彼は──
「あっ──!」
 違和感は、そこだったのかと──深雪は納得する。
 ん? と眉を上げた恭也に、ふるふると首を振った。
 少しだけ色を抜いたセミロングの髪が、軽やかに揺れた。
「うぅん……なんでもない」
 あんなにも澱んでいた彼の瞳は、吹っ切れたかのように透き通って見えた。
 恭也と交わした言葉も、いつものようにどもってはいたが、別人のような声だった。
 その響きは、幼い頃の内気で気弱だった恭也のようで──
「恭ちゃん……金森と、何か話したの?」
「んー、色々とね」
 どんな内容だったのかは解からない。だが、きっと、恭也の言葉は竜介に大きな衝撃を
与え、彼の中にあった何かを解き放ったのだろう。
 深雪は改めて、恭也の懐の深さを見せ付けられたような気になった。
「ま、それはそれとしてさ──」
 謝る相手が違うだろ? と言った恭也に、深雪は素直に頷いた。
「夕菜の下着、ちゃんと返さないとな」
──やっぱり、恭ちゃん……。
 夕菜、と口にした彼の、穏やかな表情に、つい口にしてしまう。
「あの子の事……好き?」
 言ってから、しまったと思う。無意識に口を抑えたが、もう遅い。
 恭也は照れたように眼を逸らし、すぐに戻した。答えは解かりきっていた。
「うん、好きだよ」
 一点の曇りも無い言葉が、深雪の意識に染み渡ってゆく。
「ごめんな、深雪──」
 謝らないで欲しかった。謝られたら、余計に惨めになるから──
「今のままじゃ、深雪をお嫁さんにもらうわけにいかないよな」
 恭也のはにかんだような笑みは、深雪の心を熱くした。
 そんな言葉を憶えていたなんて──
 嬉しさと恥ずかしさと、悔しさでまた泣いてしまった。

364 名前:夕菜の中の人 mailto:sage [2006/11/23(木) 13:28:06 ID:Wiee+zf5]
今回は以上です。
サブキャラ三人の絡みを続けたおかげで、夕菜が置き去りに……。
タイトルに異議あり! ですねぇ(´・ω・`)






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