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【ペリ子や】ペリーヌ物語22【適当にね】



607 名前:名無しか・・・何もかも皆懐かしい mailto:sage [2018/01/08(月) 17:41:26.48 ID:???.net]
501 :名無しか・・・何もかも皆懐かしい:03/12/21 22:47 ID:???
「ねえペリーヌ、今度の日曜日さあ、ピキニ公園でボートに乗らない?」
ポールの誘いに、ペリーヌは困った顔で答えた。 「ごめんなさい、ポール。日曜日は都合が悪いのよ」
「ちぇっ、また仕事のお付き合いかい?残念だなぁ」
その言葉とは裏腹にポールはさして落胆した様子も見せずに、それじゃまたと言い残して帰っていった。
ペリーヌが彼の誘いを断るのは珍しいことではなかったし、ポールも断られることには
すっかり慣れっこになっているようだった。
(ごめんなさいね、ポール・・・)
ポールと違って、ペリーヌはせっかくの誘いを断ることにはいつまでたっても慣れることができずに、いつも申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

最近のペリーヌの休日は、確かに仕事上の約束で占められることが多かった。
重要な商談相手から会食に誘われれば、おいそれと断るわけにはいかない。
また取引先の中には若い男性も少なくない。彼らは商談の席でペリーヌと会う機会を重ねると、
必ずと言っていいほど彼女を個人的に食事に誘った。
彼女にとってはそれは仕事上の付き合い以上のものではなかったが、逆にだからこそ彼女は
なるべく誘いを受けるようにしていた。長い付き合いのポールにするように簡単に断りの返事をするわけにはいかなかったからだ。

「ねえバロン、わたし、なんだか疲れちゃった」
床石の上にだらしなく寝そべっているバロンの傍らに佇み、ペリーヌは老犬の背中をやさしく撫でた。
バロンは眠そうな目をペリーヌにちらりと向けたものの、体を起こそうともしないでまた目を閉じてしまった。
そんなバロンの様子を見ながら、ペリーヌはふと昔のことを思い出した。
そういえば、昔もよくポールに誘われては断っていた。その時ポールはいつもこう言っていた。
「ちぇっ、ペリーヌは姉ちゃんと違って美人だからなぁ」
ポールがそう言うと、傍にいたロザリーが決まって「余計な事言わないの!」と言いながら彼の頭をげんこつでこづいていたものだ。
そう、あの時はいつも傍にロザリーがいた。






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