- 519 名前:神も仏も名無しさん [2020/06/17(水) 11:00:28.83 ID:honItnW5.net]
- ・仏教はインド型の唯名論。この唯名論の特徴は、基体としてのブラフマンつまり神と、現象世界との間にはっきりした区別はない。
基体つまり実体、と属性とのあいだにはっきりした区別がある説がインド型実在論。 空思想はインド型唯名論の典型であり、神としての基体の存在を認めず、基体と現象世界としての属性との本質的な区別も認めない。さらに現象世界も究極的には存在しないと考える。 ・我我が用いている言葉は、ほとんどの場合日常生活において妥当なもの。例えば本を見ていてこれは本であるということは一般的には正しい表現であり、一般常識にかなうことである。ヴァイシェーシカ学派などのインド型の実在論の考え方によれば、そしてこの限りでは西洋の実在論においても同様なのであるが、本という言葉を発することができるのは、対象物としての本というものが存在するからである。そして本というものが存在するから本という言葉も発することができると考えられている。 ≪このような考え方が部派仏教の一派である有部にもみられるがこの学派は仏教諸派の中では実在論に近い考えを有しているといえよう。≫ ところが、空の思想は言葉とその対象が正確に呼応するという考え方に対して根本的な懐疑を抱いた。 言葉と対象物とは明確な対応関係にないであろうと考えた。 空の立場ではどのようなものも当然ながら神もまた存在しない。 したがって、言葉は実在とともにあった、言葉は実在であった という表現は、インド大乗仏教の空思想の文献には見られない。 空では、神であり、神とともにあるような言葉、すなわちロゴス(論理、理、理性、スピーチ)は存在しない。 yomenainickname.blog.fc2.com/?mode=m&no=140
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