- 385 名前:仕様書無しさん [2008/06/21(土) 14:53:30 ]
- 私が中学生だった頃の話。学校帰りに私の名前を呼ぶ声がした。
振り返ってみると、それはクラスの男子だった。 「これ・・・後で聞いてください」 差し出された手を見ると、当時はまだめずらしかったCDーRが握られている。 私が受け取ると、彼は逃げるように去って行った。 家に帰った私は兄のPCを黙って借り、CD−Rを再生した。 それは愛に関しての歌達だった。 ミスチルやラルクやグレイのラブソング。聞いているだけで胸がドキドキとしてくる。 そしてその最後には――――彼の告白が入っていたのだった。 「あなたの事が好きです。もしOKなら電話してください」 緊張しているのだろうか、声がわずかに震えている。 その時私の胸に何かが産まれ、それは電撃へと成長して私の全身を貫いた。 はじけるようにして自分の部屋に戻り、連絡網を探しだす。 それを持って、電話へと走った。受話器を持つ手がかすかに震えている。 私も緊張しているのだ。軽く深呼吸して気持ちを落ち着ける。 そして勇気を出して番号をプッシュ。コール音が鳴る。 プルルという音が永遠の時のように思える。早く出て、早く出てよ・・・。 ガチャリ。やっと相手が出た。私は最後の勇気を振り絞って言った。 「もしもし?JASRACですか?違法コピーしてる奴がいるんですけど」
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