- 300 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 mailto:sage [2009/01/23(金) 02:47:16 ID:GsgRfu1N]
- 紙にも印刷できる半導体インク、米研究者が開発
米国の研究者が新種の半導体インクを開発した。このインクが実用化すれば、企業は折り曲げられる コンピュータディスプレイや小売業者の在庫管理に役立つ安価なセンサータグを製造できるようになるだろう。 米PolyeraのCEOを務めるフィリップ・イナガキ氏によると、同社は研究者が発見した新しい素材を用いて、 負の電荷を帯びることができる溶性の半導体インクを開発したという。Polyeraは米イリノイ州スコーキに 拠点を置く特殊化学製品メーカーであり、フレキシブルな電子機器やプリントされた電子機器のための 各種素材の開発を手掛けている。 従来の半導体は、基本的に2種類に分かれる。正の電荷を帯びるP型と、負の電荷を帯びるN型だ。 Xeroxの研究所が2004年に開発したものも含め、これまでの半導体インクは正の電荷しか帯びることが できないものがほとんどだが、今回開発された新しいインクはN型だ。この半導体インクは Polyeraの研究者 とドイツの化学薬品企業BASFの子会社BASF Future Businessの研究者が共同で開発したもので、その 詳細についてはNature誌で発表されている。 「(P型とN型)両方が揃えば、より高速で、より信頼性やエネルギー効率の高い回路とプロセッサを 製造できる。これは非常に重要なポイントだ」とイナガキ氏は電話取材に応じ、語っている。 同氏によると、新しい半導体インクは調整を加えたインクジェットプリンタを使って、プラスチックの薄い フィルムや、さらには紙まで、柔軟性のあるさまざまな素材に印刷できるという。 「最終的な目標は、新聞紙のように印刷できるようにすることだ。そうなれば、本当に高速で、なおかつ 非常に安価だ」とイナガキ氏。 それが実現すれば、ほとんどの消費財に安価なRFIDタグを印刷できるようになり、小売業者は在庫を 管理しやすくなるはずだ。 「このインクのおかげで、それなりの性能を備えたRFIDタグが大いに活用されることになるだろう。 今より複雑で便利なフレキシブルディスプレイも実用化されるだろう。実際に折り曲げられるような ディスプレイだ。そして、新しいタイプのセンサー技術も実現するだろう」とイナガキ氏は語っている。 Polyeraの最高技術責任者(CTO)を務めるアントニオ・ファケッティ氏によると、同社は新素材の設計に 当たり、製薬会社が新薬の調合を見つけるのと同じような手法を用いたという。「新しい分子を見つけよう というわけだ」と同氏。 今回の場合、ファケッティ氏は核に電子を含まない分子を開発し、それを負の電荷のトランスポータとして 機能させたという。「この分子が非常に効率的に電子を運んでくれる」と同氏は説明している。 また同氏によると、この分子は溶剤で融解できるため、インクとして使うことが可能だ。同社は「ActivInk」 というブランド名でこの技術を商品化する計画という。 イナガキ氏によると、新しいインクの製造は非常に簡単なはずという。同社は、電子機器メーカー各社が この柔軟性に富む、印刷可能な新しいプロセッサ技術を使って、さまざまなデバイスの開発に役立てて くれることに期待している。 「われわれはこの分野でまだ非常に初期の段階にいる。初めての製品がようやく登場しようかというところだ。 だが現在の半導体技術と同じくらい大きな何かを生み出せる可能性を秘めている」とイナガキ氏は語っている。 www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/22/news094.html
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