- 436 名前:411続き mailto:sage [03/12/29 00:26]
- 校門には黒塗りの高級車がとまっていた。黒スーツを着た運転手奴隷がドアをあけて待っていた。
玲子様が先に乗り込み、運転手がドアを閉める。 「おい、お前は向こうに廻って自分で乗れ」 そういわれたので右側に廻って車に乗った。エンジンの音も静かに走り出す。 しばらく僕も玲子様も運転手も無言だった。 「お嬢様、その男子は……」 しばらくして運転手が玲子様に話しかけた。 「うん、私の奴隷だ。今日学校から借り受けた。よろしく面倒みてやってくれ」 「そうですか、かしこまりました」バックミラーの向こうの運転手と目が合った。 「おい、名前は」僕は名前を答えた。 「そうか、いい名だ。私は観音寺家にお仕えしている運転手奴隷杉岡だ。特に玲子お嬢様の足代わりでな。お前もよくお嬢様にお使えするんだぞ」 「はい、よろしくお願いします。杉岡……さ…ま?」僕はどうやって名前を呼べばいいのかわからなかった。 「いや、杉岡………さんでいい、一応年上だからな」 「わかりました」ああ、なんかキリッとした顔の人で、なんだかいい人みたいだ。よかった… しばらく間があいたあと、杉岡さんが僕に聞いた。 「もしかして、お前、お嬢様の下のお世話とかしているのか?」 ええっ!! 突然何を聞いてくるんだ、この人。 「杉岡!」 「…はい、してます」 玲子様が怒鳴ったのと、僕が返事をしたのは同時だった。 「お前は何を聞いているんだ!」 玲子様が大きな声を出す。 言ってはいけなかったのか? そう思って玲子様の顔を見ようとしたら。脇に置いてあった鞄をぶつけられた。痛い 「ほう、それはそれは」杉岡さんのなんだか笑いをこらえたような声が聞こえる。 「馬鹿杉岡! 包茎! 短小! お前なんか首だ!」 玲子様は長い間わめいておられた。 少し車の中は暗かったのでよくわからなかったのだが、玲子様のお顔が少し赤かったような気がした。 玲子様どうしたんだろう… 車はやがて観音寺家の敷地に入った。
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