- 205 名前:考える名無しさん [2017/10/04(水) 00:15:25.01 0.net]
- “「ここから先、おまえは一人で進んでいかなくてはならない」と顔のない男は私に告げた。
「方向も道筋もわからなくても?」 「そういうものは必要とはされない」と男は乳白色の虚無の中から低い声で言った。 「もう川の水は飲んだのだろう。おまえが行動すれば、それに合わせて関連性が生まれていく。 ここはそういう場所なのだ」 それだけを言うと、顔のない男はつばの広い黒い帽子をかぶりなおし、私に背中を向けて舟に戻っていった。” ― 村上春樹 『騎士団長殺し』 第2部 遷ろうメタファー編 (2017)
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