- 104 名前:既にその名前は使われています [2011/03/06(日) 14:04:26.65 ID:DlpULCzZ]
- 豪快に水をきる音と、立ち上る湯気
見事に茹で上がった、それでいて形をくずさないトマトに ぷつり、という風に串をさす もし品質の良いトマトなら、これでも原型をとどめたまま その差し入れた穴から、少量のソースが流れ出るはずだ。 トマト特有の青い香りと、生のトマトからは想像できない甘い香りが 調理するものの鼻をくすぐる 三四つトマトの刺さった串を、ステーキを焼くためのソースに浸し その芳醇でスパイシーな旨味を茹でたトマトの甘みと馴染ませる。 誰もが一度は頬を緩めるであろう、肉厚のあるステーキのような風格が あの瑞々しいトマトにそなわる、素晴らしい瞬間だ。 まさに、ナイフを入れる直前の、高級ステーキのような香りも、辺りに漂い始める。 やや頬を染めたような、ステーキソースと馴染んだトマト串を 最後はゴミ箱に捨てる。そもそも、トマトを煮て串に刺すなんて まともな人間の考えることではない。
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