- 289 名前:無礼なことを言うな。たかが名無しが mailto:sage [2011/01/25(火) 14:04:14 ID:9bLaOJx3]
- 【内田篤人による朝日新聞コラム@】
■ 生き残るために考えた 日本代表に選ばれるようになって丸三年。初参加のアジア杯で不思議な感覚を味わっている。 これまでの国際試合より、余計な重圧を感じず試合に入れていて、プレー中の視野が広がっている。 成長できているのかどうか、自分ではよくわからないけれど、ドイツでもまれた経験は確実に生きていると思う。 鹿島からシャルケに移籍したのは昨夏。いきなり予想外の事態に出くわした。 クラブが準備してくれたすね当てが、とにかく大きい。僕の太ももくらいのサイズで、まるで野球の捕手の防具のよう。 走ると、ソックスの中でぐるぐる回転した。あわてて日本人サイズのすね当てを日本から取り寄せた。 それほど体格の違う相手と戦うのか、と改めて覚悟した。練習には、入れ替わり立ち代り練習生がやって来る。 南米、アフリカ、どこからでも来る。「新加入かな」と思っていると、数日で見切りをつけられ、また別の選手が来る。 常に初対面の選手がチームにいて、名前も覚える前に消える。Jリーグでは考えられない世界。思い知らされた。サッカーを職業にするとは、こういうことなのかと。 アジア杯のためにシャルケを離れる前、「代わりに新戦力を補強するぞ」とマガト監督から冗談交じりに脅された。リーグ戦で0-5と大敗した翌日、主力3人が「お前たちのロッカーは今日から別の場所」と通告されてセカンドチームに落とされたこともある。 少しでも気を抜けば忘れ去られる。そんな環境で、どう定位置を奪うか。まず考えたのは「内田はこういう選手」と同僚に理解してもらうこと。 紅白戦で、あえて執拗にオーバーラップを仕掛ける。「内田は攻撃的」とわかれば、周りも僕を使いやすくなる。MFと連携できなければ、サイドバックは機能しないから。 最初、負傷もあって出番は少なかった。先発に定着したのは秋の終わり。そして、ある試合をきっかけに、ぐっと信頼を深めることができた。
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