- 1 名前:ラストボーイスカウト@空挺ラッコさん部隊ρ ★ mailto:sage [2012/12/04(火) 17:48:22.87 ID:???0]
- アルプス最高峰、モンブランのトンネルを車で走ったことがある。約4千円の通行料より、時速50〜70キロ、
車間150メートルという厳格な規制にたまげたものだ。1999年の火災事故(死者39人)の教訓と聞いた ▼フランスとイタリアを結ぶ細穴は、12キロ弱の対面通行である。高速道から入るとノロノロ運転の感覚で、 遠くのテールランプをにらんでの10分が長い。閉所に弱い当方、名峰の胎内に限らず、トンネル内ではあらぬ悪夢が 胸をよぎるのが常だが、頭上を案じたことはついぞなかった ▼中央自動車道笹子(ささご)トンネルの天井崩落は、3台を巻き込み、9人が亡くなる惨事となった。130メートルにわたり 300枚ものコンクリート板が落ちる、前例のない事故である ▼崩れたのは全長の3%。7秒で抜けられる距離で、ひと息の差が生と死を分けた。前触れもなく、前途を絶たれた人の 絶望に胸が詰まる。渋滞していたらと思うと、なお恐ろしい ▼開通以来35年、外は地圧と水、内は排ガスや振動にさらされてきた。老朽化という時限爆弾が、天井裏に 埋め込まれていなかったか。秋に点検済みとはいえ、最上部のボルト周辺は目視のみ。打音検査なら劣化が分かったかもしれない ▼「中高年」に入るインフラは、入念な手入れが欠かせない。悲劇を口実に、道路予算が野放図に復活しては困るが、 命を守る策はむしろ「コンクリから人へ」だ。今の日本には、蓄えたものを細く長く使う、倹約の哲学がほしい。それを劣化とは呼ばない。 ソース:www.asahi.com/paper/column20121204.html
|
|