- 8 名前:ニューノーマルの名無しさん mailto:sage [2021/04/08(木) 09:39:52.05 ID:z98wlWhq0.net]
- https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f4/Allium_ochotense%2C_Hokkaido_Japan_K3100010.jpg
ギョウジャニンニク(行者葫、学名:Allium victorialis subsp. platyphyllum)はネギ属の多年草。 北海道や近畿以北の亜高山地帯の針葉樹林、混合樹林帯の水湿地に群生しており、そのほとんどの繁殖地は国立公園などの自然保護区である。 キトピロなどとも呼ばれる(後述)。ヨーロッパ産の基本亜種A. victorialis subsp. victorialisは、ヨーロッパの多くの高山に広く分布している(#生息亜高山地域参照)。 長さ20 - 30 cm[6]、幅3 - 10 cmの葉[6]で強いニンニク臭を放ち[6]、地下には外周が網状繊維からなる鱗茎を持つ[7]。葉は根生、扁平で下部は狭いさやとなる。全体的に緑色で、茎の部分は赤い。 初夏、花茎の頂端に、白色または淡紫色の小花を多数つける。種子のほかにも不定芽でも増殖する。生育速度が遅く播種から収穫までの生育期間が5年から7年と非常に長いことから、希少な山菜とされ、市場流通量は少なく高値で取引される傾向にある。 ギョウジャニンニクという名前の由来は、山にこもる修験道の行者が食べたことからとも[6][7]、逆にこれを食べると滋養がつきすぎて修行にならないため、食べることを禁じられた[※ 1]からとも言われている。 キトビロ、ヤマビル(山蒜)またはヤマニンニクなどの別名がある。キトビロ(もしくはキトビル、キトピロ)がさらになまって、ヒトビロ、ヒトビルというような発音になることもある。 北海道では、この植物を俗に「アイヌネギ」と呼ぶことがある。アイヌの人々の間ではオオウバユリの根(トゥレㇷ゚)とともに重要な位置を占める食料であった[9]。 アイヌ語における呼び名はキト (kito)、またはプクサ (pukusa) である。「キトピロ」をアイヌ語として紹介している文献・サイトもあるが、信頼できる文献で、キトピロを正式なアイヌ語として紹介している文献はない。 (たとえば知里真志保『分類アイヌ語辞典植物編』などを参照。)知里真志保はkitoの語源が「祈祷蒜」としているが、kitoを含むアイヌ語地名が各地に見られ、pukusaを使用する地域でもkitoが出現する地名が見られることから、kitoの方がより古い語彙であると考えられる。 よってキトビロのキトは日本語起源というよりも、アイヌ語起源である可能性が高い。ビロは、日本語の「ひる(蒜=ネギ・ニラ類を指す古語)」がなまったものと思われる。 古く「あららぎ」と呼ばれた、とも伝えられているが、この言葉は一般的にはノビルを指すと解釈される。ギョウジャニンニクは本州では山深くにしか育たないため、往時の日本人にとっては認知度の低い食材であったと推測できる。
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