- 1 名前:首都圏の虎 ★ mailto:sage [2020/04/02(Thu) 20:12:01 ID:Z0+3ErpW9.net]
- 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マスクの着用が当たり前になっている。安倍首相が4月1日に表明した全世帯への布製マスク配布方針には、驚きも広がった。だが、品不足はまだ続く。建築・都市環境工学、とりわけ人の周りの空気環境の研究を続ける村上周三・東大名誉教授にインタビュー、改めてマスクの功罪と正しい使い方について聞いた。
■マスク、自分自身への感染防ぐ効果は限定的 ――会議や会合でマスク着用が義務付けられることが増えています。街を行く人もマスク姿が多くなりました。 自分への感染を防ぐためにマスクを着けている人が多いと思います。水道水の安全性に不安があるときに、ペットボトル、プラスチックによる海洋汚染が問題になってからはマイボトルを持ち歩く人が増えました。しかし、空気の場合、自分用の空気を持ち歩けません。そこで空気に含まれる危ないものを吸わないようにいわばペット空気の代用としてマスクを着けているものと想像します。私の場合もそうですが、マスクを着けていると安心感があります。でも実は、本人への感染防止効果は限定的です。 ――マスクでは感染を防げない、という声は、以前からありました。 私たちはマスク着用時の空気の流れを数値流体力学の手法を用いて分析しました。北九州市立大学の白石靖幸教授がコンピューターによるシミュレーション解析を行ったところ、マスクを着けた場合、吸っている空気のうち、マスクを通して吸引している空気は少量、マスクの顔への密着度がよくない場合は約1割で、横の隙間から吸っている空気が大半、約9割に達するという結果が出ました。空気には、なるべく抵抗の少ないところを通るという性質があるからです。 ――マスクを着けても、吸っている空気の大半は、マスクを通っていないのですか? そうです。一般に使われるマスクのフィルター効果は限定的ということです。もともとマスクに期待されている機能は、吸い込み空気に含まれる汚染物質の除去です。花粉症の防御の場合には、花粉のサイズが大きいのでフィルターの捕集効果を十分に期待することができます。 しかし、ウイルスはずっと小さいですからフィルターの捕集効果が通常のマスクにあるかというと、疑問です。ましてや、今回のシミュレーション解析でわかったように、マスクを着けていても人はマスクの脇から空気を吸っているとすると、フィルター効果に期待するのは現実的ではありません。 ■マスク着用は他の人々のため、マスクの功罪 ――そうなると、マスクを着けても意味がないことになりそうです。 いいえ、大きな意味があります。それは、自分が吐き出す空気に含まれる飛沫が拡散するのを防ぐということです。自分が吐き出す空気、これを吐き出し気流といいます。吐き出し気流は流体力学の言葉ではジェットと呼ばれます。ジェットは拡散しにくくまっすぐに進みます。そして、マスクと顔の脇の隙間を通らずにマスクを通過します。咳やくしゃみをしたときに出る飛沫は比較的大きく、マスクでも十分捕集できます。 マスクには、もし自分が感染している場合、自分から出る飛沫に伴う周囲の人たちへの感染防止効果があります。新型コロナウイルスは、感染しても無症状な人が多く、自分で感染していると知らないままウイルスを拡散させているケースが多いとされています。マスクの着用は、本人のためというよりは社会のためで、公共財としての空気の清浄維持に通じるものなのです。 ――では、マスクを着けている本人にとって、いい点はない? マスクを着けると、吐き出した空気は拡散されにくくなりますので、それを再び吸う割合、再吸収率が高くなります。冬場の寒いときに再吸収率が高くなることは、温められ、湿度も適度にある空気を吸うことになり、のどを保護できるという利点があります。冬場に冷たく乾燥している空気を吸うとのどをやられることがありますが、のどがイガイガしなくて済みます。火事のときには濡れタオルを顔にあてて逃げるといい、と言われますが、それは濡れタオルには煙の中の粉じんを捕集し、熱気流を冷却する効果があるからです。 全文はソース元で 東洋経済オンライン / 2020年4月2日 18時0分 https://news.infoseek.co.jp/article/toyokeizai_20200402_341569/ https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toyokeizai/toyokeizai_20200402_341569_0-enlarge.jpg
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