- 882 名前:<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん [2008/03/04(火) 15:51:34 ID:NiRZmatK]
- 中国調達の現実:如何に不良を出荷させないか
誰も知らない中国調達の現実(1)−岩城真 ご存知のように、いまや日本の商品市場は、中国からのモノの調達抜きでは成立しなくなっています。 いえ、その重要性は商品市場だけでなく、日本経済全体に深く関わっているといってもいいでしょう。 中国から仕入れたモノに問題があれば日本の社会全体が震撼する事態になり得ることは、 先ごろの冷凍ギョーザをめぐる事件が証明してくれた通りです。このように、中国からモノを調達したり 仕入れたりすることはきわめて重大な意義をもつことなのですが、中国調達の現場というか、 それがどのようなプロセスで行われているのか、担当者は何を考えながらその実務に従事しているのか、 ということはあまり知られていないようです。 ◆私が筆を執る理由 というわけで私は、中国調達バイヤーの端くれの一人としてそのあたりを広くお伝えしようと考えました。 社会的責務を感じて・・・と格好よくいえればいいのですが、私は一企業の調達バイヤーにすぎませんから、 大上段に振りかぶるつもりはありません。 ただ、中国から調達されたモノに関わる事故や事件が起こるたびに、「中国からモノを調達するのはやめろ」 「品質もろくにチェックしないで仕入れているのか」などと、調達の実際を踏まえない無責任な議論が すぐに沸き起こるのは如何なものかという気もしますので、機械部品の領域ではありますが、 中国調達バイヤーの視点からも情報発信させていただこうと考えた次第です。 私が中国調達に携わるようになったのは2000年で、初めて中国に出張したのも2000年の11月でした。 だからキャリアはまだ7年にすぎないのですが、その頃のことから話をはじめたいと思います。 ◆衝撃を感じた中国の見積り 当時の中国調達をめぐる環境は、実は今から思えば、いろいろな意味で恵まれた時期でした。 その頃は、どのサプライヤーの見積りも日本より大幅に安く、コスト面だけならどのサプライヤーと 取引してもメリットがあったからです。そんな環境でしたから、バイヤーはサプライヤーの品質だけに 集中することができました。もちろん納期にも気を配る必要はあったのですが、 昨今のチャイナバブル以前のことですからサプライヤーの負荷は今ほど高くはなく、 納期管理は杜撰でしたが、企業トップのツルの一声でなんとでもなるというところがありました。 中国のサプライヤーの見積りを初めて見たときは、やはり衝撃を感じたものです。 従来の日本国内のサプライヤーや自社の加工費と比較して、その半額以下というレベルだったからです。 バイヤーと呼ばれる人はみな、自分の発注価格に自信を持っています。設定された条件では最安値で 発注しているという自負があるのです。もし、それを持たないバイヤーがいるとすれば、 彼は会社に対して不誠実だといわざるを得ないでしょう。 それまでも海外サプライヤーの見積りを見たことがありましたが、中国から入手した見積りは コンテナ単位で、ロットとしてはかなり大きなものでした。しかし価格は異様に安く、 当時の私は「そんな低価格で使用に耐えるものが作れる訳がない」と感じたものです。 実際、中国製品の品質面の問題は結構耳にしていたので、私は「如何に検査で不良品をピックアップして その出荷を阻止するか」という観点から、製作仕様書の「検査方法」や「合否判定基準」などの項目を 充実させる必要があると、直感的に思いました。それが初めて中国調達に関わったときの印象でした。 news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0304&f=column_0304_003.shtml
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