- 586 名前:膳宅 mailto:sage [2019/06/11(火) 17:53:20.74 ID:jzLm+cER.net]
- 唐突だが、俺は『技は見て盗め』というのを、言葉としても感覚としてもまるで信じていない。
これはいろんな靴の職人さんと接しているうちにそう考えるようになった。 なぜなら、靴の職人さんは基本、後輩に『よく教える』からだ。あまりにも皆が『よく』教えようとするものだから、ここはこうした方がいいと一人が言えば、別の職人さんがいやいやこうだろと言い出したりして、 教えるべき新人そっちのけで喧嘩が始まることもままあったw なんでよく教えるのかと言うと理由は二つ。 一つは新人さんの怪我の防止。わりと靴作りというのは怪我をしやすい。それも下手をしたら取り返しのつかない大怪我につながることもある。せっかくの新人さんが怪我でリタイアなど、これほど馬鹿らしいことはないだろう。 もう一つの理由が、革というのは生き物みたいにその時によって状態が違ってしまうから。気温、湿度、血筋の入り方、なめし方。もちろん革の種類によっても。 だから口でいくら教えても、最後は直接その革をどれだけ触ったのかという経験がものを言う。いくら教えても教えすぎということがない。基本を押さえたら後は本人が頑張ってその革に『適応』していくしかないのだ。
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