- 1 名前:ねこ名無し ★@\(^o^)/ mailto:sage [2017/08/23(水) 18:11:29.75 ID:CAP_USER.net]
- この連載でも過去に取り上げたことのある中国のシェアエコノミーについて、今週も取り上げてみたい。
朝鮮半島では、米韓軍事演習の再開を巡って緊張感が高まっているというなかで、いかにものん気な話題のようだが、経済力は国力の「源」であり、未来の国と国との関係を決定づける重要な要素であることは言うまでもない。 日本ではよく、「外国との『経済関係』を優先して日本の重要な問題で妥協することなど許されない」といった表現が使われるが、経済力を失った日本をどの国が重視し、どの国が恐れるというのだろうか。 そもそも防衛予算はどうやって組むのか。海を守る海防の費用はどうやって捻出するのか。 実際、東シナ海で海上保安庁が受けているプレッシャーのほとんどは、中国海警局に所属する船が急速に新しく、また大型化していることではないのか。その背景にあるのが潤沢な資金であることは言をまたない。 そうした現実を無視した議論が、ここ数年、本当に日本の外交を後退させてしまった。 その意味では中国が後発のメリットを最大限利用して新たな分野に切り込んでゆく変化を絶対に見逃してはならないのである。 なかでも中国は今後、日本と同じく高齢化社会を迎え、人口動態にも不安を抱える。 そうした時代にあって従来型のライフスタイルが維持され続ける−−たとえば、都市住民のほとんどがマイカーを所有して乗り回し、自動車がいまと同じように未来も売れ続けるといった−−とは考え難い。 早晩、弱ってゆく社会に見合ったライフスタイルが必要になると考えるのが自然である。 その発想に立ったとき、中国社会に猛烈な勢いで浸透するシェアエコノミーは、将来、日本が輸入しなければならないビジネスモデルになるかもしれないのだ。 もちろん発想そのものは古く、決して珍しいものではない。だが注目すべきはその浸透度なのだ。 そこで紹介したいのは8月9日に『瀋陽日報』が紹介した記事である。タイトルは、〈ついにシェア自動車にBMWが登場! 1キロメートル当たり1・5元 ガソリン代は不要…… それでもまだ車を買いますか?〉である。 瀋陽でシェア自動車を展開する企業が、とりあえず1500台を走らせるそうだ。 シェア自動車の世界にも高級車が投じられるようになった背景は、当然のことながらシェアが人々の間に定着したからだ。実際、北京でも瀋陽に先駆けてアウディが投入されている。 現在、同社の管理下にある駐車場は瀋陽市内に1400カ所、22万台分があるという。 車の使用料は1キロメートル当たり1・5元(約25円)だが、上限は1日200元(約3300円)と決して高額ではないので、タイトルにあるように、マイカーへの需要はなくなりそうだ。 AIの進化により自動運転の時代が視野に入ってきただけに、このシェアエコノミーが未来で化学反応する可能性は高い。そして今度は日本が後発のメリットを生かす時だ。 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。 『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。 www.zakzak.co.jp/soc/news/170823/soc1708230005-n1.html www.zakzak.co.jp/soc/news/170823/soc1708230005-n2.html www.zakzak.co.jp/images/news/170823/soc1708230005-p1.jpg カーシェアが進化する中国社会。マイカーがなくなる日が訪れるかもしれない(AP)
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