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【産経】拉致問題で日本はまた北朝鮮にだまされた 編集委員・大野敏明[12/21]



1 名前:ロンメル銭湯兵 ★@\(^o^)/ mailto:sage [2015/12/22(火) 21:09:02.04 ID:CAP_USER.net]
 北朝鮮が日本に対し、「拉致被害者を含む全ての日本人について全面的な調査を行う」と約束したストックホルム合意がなされたのは
昨年の5月である。当初、調査は数カ月で終了し、拉致被害者の一部は年内にも帰国する可能性があるとされた。それを受けて
日本政府は北朝鮮に対する制裁の一部を解除するという“ご褒美”まで用意した。

 「拉致問題は解決済み」としてきた北朝鮮が全面調査を約束したのだから、一定の成果が期待され、期待が実現する後押しとして、
制裁の一部解除が行われたということだろう。

 しかし、その後、日本の問い合わせに対し北朝鮮は、「調査は継続中」と答えるだけで、日朝の協議も昨年10月以降途絶えたままになっている。

 要するに今回もまた日本は北朝鮮にだまされたのである。北朝鮮はなぜだましたのか。その前になぜ北朝鮮は調査を約束したのだろうか。
恐らくは競売に付されていた日本の朝鮮総連本部の問題があったからであろう。

 北朝鮮系の金融機関の破綻にともなう、東京都千代田区の朝鮮総連本部の競売問題は二転三転しながら、結局は落札した
所有者が転売し、転売先があらためて朝鮮総連に貸与する形で、元の通り朝鮮総連が使用している。転売先から貸与されたのは
今年の1月である。北朝鮮としては朝鮮総連ビルの売却問題が不透明なうちは「全面調査」をいい、これまで通りの使用が確実になった
段階で、「知らんふり」を決め込んだのではないか。そう考えるとつじつまが合ってくる。

 日本政府はこうした一連の北朝鮮のやり方にまんまとはめられた、といっていいだろう。しかし、それでも制裁の解除はしたままである。
なぜか。再び制裁をすれば、北朝鮮にだまされたことを認めたことになってしまうというメンツの問題があるからだろう。

 拉致問題は長い。被害者の家族はどんどん高齢化する。毎年、家族のだれかが被害者である家族の顔をみないまま亡くなっていく。
本当に時間がない。日本の各地では署名活動が行われ、集会が開かれ、一刻も早い問題の解決を決議している。しかし、何も解決しない。
解決しないどころではない。「調査する」という言葉に踊らされて、時間を空費している。何というむなしさだろう。

 いまの日本には北朝鮮に突き付けるカードがない、だから拉致問題は進展しないのだ、という意見がある。正しいだろう。しかし、
カードがなければカードを作るのが政治である。まともな交渉で何とかなる相手ではない。

 「拉致問題は安倍内閣の最重要課題」と首相は言った。「安倍政権で解決しなければ私の使命は終わらない」とも言った。
ではなぜカードを作らないのか。朝鮮総連本部という格好のカードをどぶに捨て、制裁を解除したままで、問題が解決するとでも
思っているのだろうか。そしてこのまま今年も終わっていくのである。政治家も官僚も人ごとだと思ってはいないか。

 「北朝鮮拉致と『特定失踪者』」(展転社)の著者、荒木和博氏によると、外務省には時間が経過して、拉致問題がうやむやに
なってしまうことを願っている者がいるという。その点に関しては北朝鮮と利害が一致しているという。

 集団的自衛権も大事だ。1億総活躍社会もいいだろう。だが、北朝鮮に拉致され、救いを求めている被害者を見捨てるような国に、
集団的自衛権だの、1億総活躍社会だの言う資格があるのだろうか。

(おおの としあき)

産経ニュース 2015.12.21 09:47
www.sankei.com/column/news/151221/clm1512210009-n1.html






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