- 1 名前:DNS未登録さん [04/08/12 11:14 ID:/AkPuV+R.net]
- ifyuki.zive.net/index.html
アクセスできる?
- 68 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:47:16 ID:???.net]
- 僕は、学校では、あまり目立たないほうだった。クラスの連中とは、ほとんど話さななかったし、
ただ毎日登校して、下校する、そんな毎日を繰り返してた。部活もやっていなかった。 母さんは、僕がまだ小さい頃に家を出て行ったらしい。気づくと僕は、父さんと2人暮らしだった。 そんな僕の、いちばんの楽しみは、インターネットだった。 僕は、インターネットでは、誰とでもすぐに会話することができた。 今日も学校から帰ったら、すぐにパソコンの電源を入れた。 そして、いつものサイトに行き、チャットを開いた。「○○市の高校生専用」というチャットだったけど、 僕はまだ、市内の中学3年だった。といっても、誰にもわからないし平気だった。 チャットは、まだ誰も入っていなかった。 ひとりROMしていたけど、たいして気にもしていなかった。それに、最近では、いつもの事だった。 しばらくすると、常連の「ルン」がやってきた。 《 がち、オヒサ☆ 》 《 ルン、おひさー 》 これがいつもの挨拶だった。 そう、僕のハンドルネームは「がち」。「ルン」は、たぶん高校生だろう。 「ルン」の話すことといったら、彼氏についての相談ばっかだった。間違いなく女だった。 そのうちに「けん」や、「ぷるるん」もやってきて、常連がそろった。 〜つづく〜
- 69 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:48:18 ID:???.net]
- いつものように、くだらないない会話をしていたけど、そのうちに、今までずっと、ROMだったやつが
入ってきたみたいだった。 ハンドルネームは、「魔幽大使」。 (ぷっ、こいつ、馬鹿じゃねーの。)僕はそう思った。きっと中1くらいのガキなんだ。 僕たち常連の考えは、みんな同じだったらしくて、誰も無視して、そのまま仲良く会話していた。 すると、その魔幽大使が言った。 《 おまえたちが。だれかわたしはわかっている。おまえたちは。そのうちのろわれて。しまうだろう 》 全部ひらがなだ。まったく、どこのくそガキなんだよ。でも、僕たち常連は、この程度の荒らしには慣れていた。 みんなは、無視していたけど、その魔幽大使は、調子に乗って、わけのわからない呪文を書き始めた。 それでもみんなは、しばらく無視を続けていた。でもさすがに、だんだん頭にきだした。 でも、やつに話しかけることは、絶対にしない。僕は、第2の集合場所に移ることに決めた。 〜つづく〜
- 70 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:48:56 ID:???.net]
- 第2の集合場所っていうのは、つまり僕のパソコンのことだった。
僕は、Windowsにウェブサーバーを入れていて、CGIでチャットを使えるようにしていた。 チャットのタイトルは、「がちの部屋」。ちょっとかっこ悪いかもしれないけど、僕は、気に入っていた。 そして、荒らしが来たときなんかに、いつでも常連のみんなを、ここに誘導できるようにしていた。 僕は準備ができると、“第2に飛ぶよー”と言って、みんなに教えた。そしてメッセでIPアドレスを みんなに送った。みんなは、“おっけー”、“らじゃ!”と、すぐに了解して、少しずつ移動してきた。 そして、みんなが移動を終えると、「○○区の高校生専用」チャットは、魔幽大使ひとりになった。 “ざまあみろ!”僕は口に出して言った。さすがに、第2の集合場所は、こいつにはわからない。 そのあとは、また、みんなで楽しく雑談して終わった。 〜つづく〜
- 71 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:49:37 ID:???.net]
- ある日、学校から歩いて帰ってると、女子商の生徒2人が話しながらバスから降りてきた。
僕は、その話に、なんとなく耳を傾けていた。すると、“その魔幽大使がさぁー・・・”と、ひとりが言った。 今確かに魔幽大使と言った。ってことは、この2人のうち、少なくとも1人がうちのチャットの常連だ。 僕は2人の顔を急に確かめたくなった。反対側の歩道に渡って、それから、チラチラと、わからないように 2人の方を見てみた。2人とも、けっこうかわいかった。僕は、なんだか嬉しかった。 その夜、また、いつものように「○○市の高校生専用」にみんな集まっていた。話していると、やがて この前の魔幽大使の話になった。 《 あいつ、きっとガキだよな 》 と僕が打つと、 《 だよね。わたし、今日ガッコーで話してたのよ。 》 と、「ぷるるん」が答えた。 僕は、(ぷるるんは、もしかしてあの2人のうちのひとりなのかも・・・。) と思った。そこで僕は、 《 でもさ、バスの中とかで話したりしてて、実は後ろの席にいたりしてね。 》 と謎かけてみた。すると、 《 あ、やばw 》 《 がち、するどいっ☆ 》 と、「ぷるるん」が言ってきた。 ほかの連中は、 《 やだー 》 とか、《 こわーい 》 とか、ふざけていた。 たぶん間違いない。あの2人のうちのひとりは「ぷるるん」だったんだ。 〜つづく〜
- 72 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:50:08 ID:???.net]
- 次の日は土曜だった。僕は、夕方からみんな待っていたが、なかなかチャットに来なかった。
すると、「けい」という見慣れないハンドルネームの奴が入ってきた。 僕は、 《 けいさん、おはつです 》 と打ってみた。 「けい」は、 《 はじめまして。どうぞよろしく 》 と答えてきた。 僕は続けて、 《 高校生? 》 ときいてみた。 すると「けい」は、 《 じつは。ちゅうがく3ねんなんです。》 と打ってきた。 《 へぇ、そうなんだ 》 、《 なんでここに来たの? 》 と、僕が打つと、 《 わたし。かれもいないし。ひまだし 》 と打ってきた。女なのか? でも、チャットではネカマが多いし、この程度の会話では信用できなかった。 それにしても、この、全部ひらがなと丸だけの打ちかたは・・・。 僕は、すぐに魔幽大使を思い出した。それで、ストレートにきいてみた。 《 きみ、まさか魔幽大使じゃないよね? 》 〜つづく〜
- 73 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:51:02 ID:???.net]
- すると「けい」は、しばらくなにも言わなくなった。でも、やがて
《 すいませんでした 》 と打ってきた。 やっぱりそうだ、こいつ女だったのか、まったく! 僕は心で罵ったけど、丁寧に、こう打った。 《 もう済んだことはいいよ、でも、みんながイヤな思いをするから、二度としないでね。 》 すると、 《 はい。ありがとう。もう。ぜったいに。しないので 》 と、答えた。 (案外、素直だよな。)僕はそう思った。 《 なんなら、ここの常連になっちゃえば?きみが中学生ってことは内緒にしておくから。 》 同じ中学生だった僕は、なんとなく「けい」を仲間に入れたくなっていた。 「けい」は、 《 うれしいです。ありがとう 》 と、答えた。僕はおもわず、 《 実は僕も中3なんだ。でも、みんなには内緒だよ。 》 と、教えてしまった。 「けい」は、 《 そうだったんだ。じゃあ。もしかしたら。わたしたち。おなじがっこうかも 》 と、打ってきた。 《 もしかしたら、そうかもね。 》 と、僕は答えた。 そのあと僕は、「けい」に、第2の集合場所のこと、メッセが必要ってことも教えた。 「けい」は、 《 すごくあたまいいね。 》 と言った。 僕は、いつも夜9時くらいにみんなが集まることも教えた。「けい」は最後に、 《 がちさん。なかまにしてくれて。ありがとう。こんや。いきます 》 と言って、チャットから出た。 僕は、うちの仲間が増えて、満足していた。それに女の子みたいだし。 でも、「けい」は全部ひらがななので、読むのが疲れる。 それに、またあの調子で打たれたら、みんなに気づかれてしまうかも。そう思うと、僕はひやひやした。 とにかく、僕はリターンを押し続けて、ログをずっと下までさげた。そして、僕もチャットを出た。 〜つづく〜
- 74 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:51:59 ID:???.net]
- 夜になると、言ったとおりに「けい」は、やって来た。
《 こんばんわ 》 みんなは、思い思いに 《 おはつー 》 とか、《 やぁ!》 とか答えた。僕は、すかさず 《 僕の知り合いの「けい」です、みんなよろしくねー! 》 と、フォローした。 すると、「けん」が、 《 なんだ知り合いだったのか、じゃあ、第2も教えないとなー♪ 》 と言った。 僕は、 《 うん、もう教えてあるから大ジョブ 》 と言った。 突然、「けい」が、 《 おんなのこです。 》 と打った。そのとたんに「ぷるるん」や「ルン」が 《 へー!どこどこ、がっこーどこー? 》 とか、《 うちも知りたーい 》 とか言ってきた。 僕は、まずいと思い、あわてて、 《 けい、言わなくていいんだからね。 》 と打った。 《 はい。》 と、「けい」が答えた。 それを見て「ぷるるん」が、 《 なーんか☆2人☆あやしくなーい? 》 と打った。 「ルン」も 《 だよねー♪だよねー♪ 》 と打ってきた。 〜つづく〜
- 75 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:52:43 ID:???.net]
- 僕はちょっと焦った。でも、まるで本当に彼女みたいに言われたので、内心、うれしくなった。
でも「けい」は、どう思っているんだろう。僕は、思いついた。 《 これから、みんなで第2に行こうよ! 》 思った通り、みんなは、面倒くさがって、 《 別にここでいいよ 》 とか、 《 2人で行けばぁ 》 とか打ってきた。 僕は、 《 そっか、しょぼーん 》 と打つと、「けい」が 《 わたし行く。 》 と、打ってきた。「けい」の、はじめて漢字を使った発言だった。 「けん」が 《 あーあ、やってらんないよー 》 と言った。 するとみんなも、2人で行ってしまえと言い出した。 思っていたとおりの展開になった。みんながヒューヒュー言う中、 《 けい、第2に行こうか? 》 と僕は誘った。 「けい」は 《 うん、いいよ。 》 と答えた。 なんか急に、前からずっと友達だったような「けい」の言い方が、うれしかった。 僕はさっそく「がちの部屋」のアドレスを「けい」だけに教えた。 〜つづく〜
- 76 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:53:25 ID:???.net]
- むこうのチャットを出て、「がちの部屋」で待っていると、すぐに「けい」が入ってきた。
《 こっちのチャットは。かわいいよね 》 と言った。 《 そう、うちの常連は、どうやら女が多いみたいだからね。 アンケートとったら、このデザインになっちゃったんだ 》 と、僕は答えた。 それから、 《 こっちのチャットは誰にも見られてないから、なにを言っても平気だよ 》 と僕は打った。 すると、「けい」は、 《 こんど。じっさいに。あわない? 》 と打ってきた。 なんか急に積極的だったので、僕はとまどった。 僕の正体がバレてしまう。だけど、彼女にも会ってみたかった。 どこの中学か訪ねると、隣町の中学だった。ちょっと考えてから僕は、 《 いいけど、じゃあ○○公園知ってる? 》 ときいてみた。 彼女は 《 うん。しってる。これからあう? 》 と言ってきた。 これからって、もう夜の11時だっつーの。こいつ、不良なのか。 〜つづく〜
- 77 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:54:26 ID:???.net]
- 僕はちょっと後込みした。でも、ナメられるのがいやだったので、
《 いいけど、けいは大丈夫? 》 と打った。 すると、 《 わたしは。だいじょうぶ 》 と、打ってきた。僕は、 《 じゃあ、これから行くけど、10分くらいかかるかも 》 と、答えた。 彼女は、 《 おっけー 》 と答えたかと思うと、すぐにチャットから出てしまった。 おいおい、マジなのかよ。僕は半信半疑だった。どうしようか、外は寒そうだし。でも、ゆっくり考えている時間もなかった。 僕は、おもいきって、公園に行ってみることにした。 僕は、父さんにわからないように、そっと部屋の窓から家を出た。そして、歩いて公園についた。 公園には、街灯がついていたけど、暗かった。 入り口から入ろうとすると、すぐ左に人影を感じた。“うわっ” 僕はおもわず声をあげてしまった。 〜つづく〜
- 78 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:55:06 ID:???.net]
- そこには、黒いジャージ姿の、髪の長い女の子が立っていた。
その子は、腕を組み、なぜか後ずさりしながら、“がち?”“がち?”と、小声で確かめた。 “けいなのかよ?”僕は答えた。 “そう、そう” と言って、少しずつ僕に近寄ってきた。 僕よりちょっと背が高い、意外とかわいい女の子だった。 寒いので、ちょっと震えているようだった。 “それにしても、寒いよな。” 僕は言った。 道路を走る車のライトで照らされそうになった。僕たちは、おもわず草むらにしゃがみこんだ。 そのとき、顔がめちゃくちゃ近かった。「けい」は二重みたいでかわいかった。まつげも長かった。 僕は、ちょっと顔を離して言った。 “おれ、ほんとは「健二」っていうんだ、よろしくな。” すると、 “わたしも、ほんとうは真美っていうの。”と、言った。息が僕にかかった。 いつのまにか、真美は僕の腕を掴んでいたが、パッと離して、 “あっごめん”と、言った。僕は“べつに、いいよ。”と、答えた。 〜つづく〜
- 79 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:55:40 ID:???.net]
- “ところでおまえ、よくこんな時間に来られたな”と、僕が言った。
真美は、 “うち、お父さんいなくて、おかあさんも朝まで仕事なんだ”と、答えた。 “そうだったのか。どうりて簡単に出られたわけだ”と、僕は言った。 “健二くんも、よく来られたね”と、真美が言った。 僕は、 “ぜんぜん、普通だから”と、偉そうに答えた。 “じゃあ、寒いし、これからおまえんち行くか?” 僕は、さも不良っぽく言った。 すると、真美は、 “うーん・・じゃあ、いいよぉ。”とすこし鼻にかかった声で答えた。 僕は真美の言葉が信じられなかった。僕は、心臓がドキドキしていた。 僕たちは、道路を渡って、その先の橋を渡った。そして、少し歩くと、真美のうちに着いた。 真美のうちは2階建てのアパートの、2階の一番手前だった。 “失礼しまーす”と口をとがらせて言いながら、僕は真美のうちにあがった。 〜つづく〜
- 80 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:57:14 ID:???.net]
- ちょっと見ると、どうやら右奥が真美の部屋のようだった。
真美は、台所で手を洗った。僕は、台所の床に座り込んで、 “おれ、女の子の家に上がったのは初めてなんだ”と、言った。 真美は、 “そうなんだぁ”と、言いながら、奥の部屋でなにやらカチャカチャと音をたてて、 やがて、クッションを持って、こっちに戻ってきた。そして、 そのクッションを腹に抱いて、僕の横に座った。 肩と、おしりの部分が触れているのがわかった。 しばらく、ふたりは黙って座っていた。 真美の顔を見ると、真美もこっちを見た。でも僕はすぐに顔をもどした。 すると、真美もまた下を向いた。そんなことを何回か繰り返したけど、 けっきょく、ふたりとも、黙ったままだった。 〜つづく〜
- 81 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:57:56 ID:???.net]
- ふと見上げると、台所の時計は、もう12時だった。
それを見て、僕は急に眠気がさしてきた。 僕は立ち上がって、“そろそろ帰るから。またな、真美。”と、言った。 真美は、 “そう・・じゃあ送るよ。”と言って、立ち上がった。 “バカ、ひとりで帰れるよ。”と言って僕は立ち上がり、玄関のほうを向いた。 すると真美が、袖を掴んできて、“バカじゃないもん。”と、言った。 “ああ、ごめん。”と言って、僕は真美の家を出た。 外は寒かった。 僕は走って家に帰った。庭の窓から部屋に戻ってそのままベッドに潜り込んだ。 “すーぅ、はぁー。”僕は深呼吸した。 まみが僕の横に座ったとき、いいにおいがしたのを思い出した。 女の子っていいにおいだなぁ。 僕はそんなことを思いながらいつのまにか寝ていた。 〜つづく〜
- 82 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 17:58:47 ID:???.net]
- 次の日、学校の帰り、僕は、真美のことをずっと考えていた。
家に帰ると、さっそく、「○○市の高校生専用」チャットを開いた。でも、まだ4時だし、誰も来ていなかった。 僕は、「がちの部屋」を起動した。真美が来たら、すぐに移動しようと思った。 台所に行って冷蔵庫からジュースを持ってきて、マンガでも読むことにした。 ベッドで横になってしばらくマンガを読んでると、まえに、「けん」とチャットしたときの事を思い出した。 『・・・だから、本当は、おまえのWindowsは、サーバーをやっちゃダメなんだ・・』 『へぇ・・・』 『・・・いいか、Linux っていうのは・・・』 『うん、うん・・』 『・・そのライナスって人が・・・・』 『へぇ・・・』 『・・だろ、それには、アパッチとか・・・』 『ほう、ほう・・』 「けん」はとても詳しかった。高校でコンピュータークラブに入っているらしい。 結局5時になっても、誰も来なかった。僕はパソコンの電源を切った。 〜つづく〜
- 83 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 18:13:55 ID:???.net]
- 非常に有意義なごーるでんうぃーくですね。
- 84 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 19:55:30 ID:???.net]
- 夜になって、またパソコンをつけてみた。チャットに行くと、「けん」と「ぷるるん」が来ていた。
僕は「けん」にきいてみた。 “がち: けん、このまえの Linux の件だけどさ、どうすればいいのかな?” “けん: おっ、食いついてきたね!今度の日曜日、秋葉原行くんだけど、なんなら、がちも行く?” “がち: 秋葉原に?” “けん: パソコンやパーツを見にだよ!” “がち: へぇ・・・” “けん: へぇじゃねーよ、お前、Linux やりたいんだろ?” “がち: あぁ、そうなんだけどさ・・・” “けん: 一万くらい、持ってこいよ” “がち: な、なんで??” “けん: もちろん、Linux 用のパソコンを買うためだよ!” “がち: またパソコン買わなきゃなんないの?” “けん: そうさ、だって別のOSなんだよ?今のWindowsを消してもいいわけ?” “がち: なるほどぉ・・・。でも、Linux って、一万円でできるの?” “けん: もちろん、中古のパソコンだけどさ、そのくらいでOKなんだよ” “がち: ほほぉ・・・” 僕たちが、そんな会話をしていると、それまで黙ってた「ぷるるん」が、 “あんたたち、そうとうオタクね!!”と打ってきた。 そのうち、「ルン」もやってきた。 “なによ、ちんちん、けがけがって。”と、「ルン」が言った。 “へんな縦読みすんなっ!”と「けん」が言った。 女の子が増えてきたので、僕とけんは、Linux の話はやめることにした。 〜つづく〜
- 85 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 19:56:31 ID:???.net]
- いつの間にか、11時になっていた。けっきょく、真美は来なかった。
みんなは、そろそろ寝ると言ってチャットを出て行った。「けん」が、 “じゃ、日曜日の10時、ラジオセンターの細い階段のとこで、たばこ吸ってるから”と言った。 “目印は?”と、きくと、“あそこは、おっさんしかたばこ吸ってないから、すぐわかるよ。”と言った。 “わかった。必ず行くよ” 僕たちは約束して、チャットを出た。 朝になって、僕はさっそく、父さんに話してみた。 “リナックスで勉強したいんだけどさ、リナックス専用に、中古のパソコンが必要なんだ。” “今度、友達といっしょに買いに行く約束したんだけど。だから・・それ買いたいんだけど。” 父さんは、“ふーん、それ、いくらなんだ?” と、きいてきた。 “一万円くらい” 僕が答えると、 “よし、わかった。それで、そのリナックなんとかってのは、英語の教材かなんかなのか?” と、父さんは、いいように解釈してたので、 “そんな感じ” と答えておいた。 父さんは、“真面目に続けろよ〜” と言って、僕に1万5千円くれた。ラッキーだった。 〜つづく〜
- 86 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 19:57:47 ID:???.net]
- 学校から帰って、うちに入ろうと鍵を取り出した僕は、急に、公園に行ってみたくなった。
そのまま歩いて行ってみた。公園について、あたりを見回したけど、誰もいなかった。 僕は、道路を渡って、橋の向こうの、真美のアパートのほうを見てみた。でもアパートは見えなかった。 そのまま、本屋に行って、Linux の本を買った。ちょっと高かったけど、なんとなくわかりやすそうな本が あったので、それに決めた。うちに帰って、部屋に戻ると、いつものように、パソコンの電源を入れて、 チャットを開いた。チャットも、誰もいなかった。さっそく、買ってきた本を見てみた。 しばらく本を読んでいると、チャットの、入室のベルが鳴った。画面を見てみると、「ぷるるん」だった。 《 ぷるるん、はやいねー 》 僕が言うと、 《 がちに、ききたいことがあるんだけど・・ 》 《 なに? 》 と答えると、 《 がちって、男だよね? 》 と、きいてきた。 《 なんだよ、いまさら。そうだよ。》 と、僕は言った。 《 わたし、女の子だよ。 》 と「ぷるるん」が言った。 《 わかってるよ! 》 僕は答えた。 《 わかってない!! 》 「ぷるるん」が言った。 《 なんだよ、なんかあったの? 》 と、僕はきいてみた。 《 ううん、なんにもないよ・・ 》 と「ぷるるん」は答えた。 僕は、しばらく返事に困っていると、「ぷるるん」は、 《 また今晩来るからね☆ 》 と打ってきた。 《 うん、待ってるから 》 と答えた。 《 うん、待っててね☆ 》 と言った。すると、 突然、ログが流れ出して、あっという間に、2人の会話は見えなくなった。 そして、ぷるるんは退室した。 「ぷるるん」は、きっともう少し、やさしい言葉遣いで接してほしいんだと思った。 でも、いまいち、女のことはよくわからない。 父さんが、「女心と秋の空〜♪」と風呂で歌っていたのを、思い出した。 〜つづく〜
- 87 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 19:59:03 ID:???.net]
- 夜になって、チャットは、また、いつものメンバーになった。
今日はみんな、和やかに話していた。すると、「けい」が入室してきた。 (真美だ!)僕は、すぐに打った。 《 けい、ひさしぶり!! 》 《 みなさん、こんばんわ 》 と真美が打った。 《 おっひさー! 》 と「けん」が答えた。 《 おーぅ!けいちゃーん! 》 と「ルン」が答えた。 順番的に「ぷるるん」だったが、「ぷるるん」は打たなかった。 5秒くらいシーンとした。 でもその後、 《 みなさん、どうも。 》 と真美が答えた。 僕は、とにかくうれしかった。みんなで、5分くらい雑談したあと、僕は、 《 けい、第2に行こうよ 》 と打った。 《 はい 》 と真美が答えた。 そのとき、 《 なんで????? 》 と「ぷるるん」が打ってきた。 《 なんでって? 》 と僕は打った。 《 がちって、なんで、そうなの???? 》 《 ねぇ、なんで??? 》 《 がち、なんで??? 》と「ぷるるん」が打った。 僕は、困ってしまった。なんか、僕に怒っているみたいだった。 〜つづく〜
- 88 名前:DNS未登録さん mailto:sage [2006/05/03(水) 20:01:11 ID:???.net]
- 《 わたし、帰ります 》 と真美が打った。
《 ばいばい 》 「ぷるるん」が言った。 「けん」が、 《 がち、ぷるるん、お前ら何かあったのかよ? 》 《 あ、けい、またねー! 》 と、打った。 「ルン」が、 《 ぷるるん、どうしたん? 》 と、打った。 なんか、いやな空気になってきたので、僕はとりあえず メッセで真美に送った。< xxx.xxx.xxx.xxx 真美、10分後くらいに待ってる。健二 > すると、真美から返ってきた。< うん、あとでいくね。 > 《 わたし、がちと2人で話したい 》 と「ぷるるん」が言った。 《 あちゃー・・・ 》 「ルン」が言った。 《 じゃ、そーゆーことで俺は帰るよん 》 「けん」が言った。 二人っきりにされたらマズい。僕は、 《 けん、待ってくれ。 》 《 ね、ぷるるん、自分勝手すぎない?みんな、いやなムードになってるんだよ? 》 と打った。 《 わたしも、いやな気持ちにさせられたもん 》 と「ぷるるん」は答えた。 《 あーあー、こりゃ大変だわー、がち、ちゃんと答えろよー、そりじゃ、あたいはこれで。 》 と言って、「ルン」は退室してしまった。 《 じゃあ、またな ALL 》 と言って、「けん」も退室してしまった。 けっきょく、二人っきりになってしまった。 〜つづく〜 (この話はフィクションです)
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