- 729 名前:名無しのオプ mailto:sage [2010/06/14(月) 14:42:42 ID:e6zRJu89]
- 「し…しようか?」
僕がボソッと呟くと、彼女はすかさずこちらを振り返った。 「な、何云ってんのよ…馬鹿じゃないの!」彼女の目には明らかに軽蔑の色があった。 「え、いや、その…」ショッピングセンターの中の小さな花屋は外の蒸し暑さが嘘のように 涼しかったが、僕は背中に冷たい汗を感じた。せっかくの彼女との初デートなのにまずいこと言ったかな…。 少し離れたところで薔薇を見ていた僕の母親くらいのおばさんも、僕らの会話が聞こえてたらしく、 チラリ横目で見ている。 「もう、恥ずかしい。わたしたち中学生よ」彼女は足早に店から出て行った。僕も慌てて後を追った。 その時、僕は自分が読めなかったその花の名前――赤紫や青紫の葉っぱが丸くいっぱいについた花の名前を ようやく思い出していた。
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