- 1 名前:名無しのオプ [2007/01/27(土) 12:53:42 ID:BgfVgGNL]
- 国内ミステリーの読了報告、感想などお寄せ下さい。
【前スレ】 『読みました』報告・国内編Part.3 book4.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1138283365/l50 『読みました』報告・国内編Part.2 book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1097703488/ 『読みました』報告・国内篇 book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/984575251/ なお海外作品は、海外編のスレッドにお願いします。 『読みました』報告・海外編Part.3 book4.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1141910665/l50
- 324 名前:名無しのオプ [2007/06/23(土) 23:04:14 ID:IbeEm7/V]
- また「読み応え」w
本の評価これしかないのか
- 325 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/24(日) 08:59:27 ID:UgLeLVMs]
- なんだかかわいそうになってくるよなw
- 326 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/24(日) 16:32:48 ID:r0sUjV6K]
- >>324
言い回しで叩くのは止めたが良いよ じゃあ他の人がそれ使ったら荒らしなのかってことになる
- 327 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/24(日) 17:12:30 ID:5g5MDMWu]
- コピペ元で反論したらいいじゃん。
それ誰がコピペしたやつだぜ。本人に言いたければ最悪板でやって。 ってかそもそも「荒らし」ということを324は言ってないんだがなw
- 328 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/06/24(日) 21:33:13 ID:TdYWdYY2]
- 久々に森博嗣「すべてがFになる」を読んだ。
95年の執筆という点を考慮すると、バーチャル・リアリティに対する洞察や ウィルスの問題等のいまだに難題となって事項にも言及されているのは、 作者のキャリアが活かされており、今読んでもさすがという感はある。 ただし、携帯電話が普及していない(登場人物の台詞には出て来る)等、 時代の変遷を感じさせるものはあり、現在では本作のクローズド・サークルは成立 し得ないものとなっている。 また、ミステリという観点からは、タイトルに関する謎解きが非常にわかり難いもの であり大衆向き読物としては問題があること、機械的なトリックのスケール感と奇抜さは ある程度評価し得るとしても、人的なトリックに関しては、 見て・調べてわからないはずがないものであり、この犯人キャラが、 なぜこんな雑な犯罪が成立し得ると考えたのか疑問を残すものとなっている。 第1作ということもあって、後にアホなミスオタを熱狂させることになる、 ワトスン役萌絵の露出は色々な面でやや抑え気味。
- 329 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/06/24(日) 21:35:52 ID:TdYWdYY2]
- 木彬光「死美人劇場」を読んだ。8篇を収録。
大好評な収録作品全話講評いってみよう!! 「血ぬられた薔薇」 収録作品中で一番のボリュームながら、内容は都会スリラーといった類の作であり、 見るべきものはない。 「原子病患者」 ちょっとヤバいネタではあるが、時事(第五福竜丸事件)に絡めたトリックが巧く 決まっている。オチも妙にリアルで見事。 「恐しき馬鹿」 タイトルは2ちゃんねらーのことにあらず(w、 探偵小説に多用されるエイプリルネタである。 死体発見時の混乱した状況をもっと丁寧に描かないと説得力を持たない展開と言い得る。 「魔笛」 差別用語濫発、今ならこのままでは到底無理ぽな作。 耳なし芳一(なぜか「保一」と表記されている)風の怪談仕立てながら 殺人トリックは「刑事コロンボ」でも使用されていた近代的なものである。 ただし、笛に関するトリックはオールド・ファッション、かつ、展開そのものに無理有り過ぎである。
- 330 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/06/24(日) 21:37:08 ID:TdYWdYY2]
- 「盲目の奇蹟」
今もあるマネービルネタ、神津探偵談には珍しい経済ネタでもある。 殺人(狙撃)トリックは、最早、「名探偵コナン」ちゅーか、「探偵学園Q」ちゅーか、 トンデモ過ぎる漫画レベルである。 「目撃者」 熱海の住宅街の夜から始まる語りは惹き込むものがあるだけに、 その後、ストーリーの肝心な部分を偶然性に頼り白けさせるのが惜しまれる。 「冥府の使者」 これも探偵小説にはありがちなアムネジアネタ。 謎の女を巡るミステリアスな出だしながら、御都合主義な展開で特に見るべきもの無し。 「死美人劇場」 表題作でありながら、出来はいまイチ感が強い。 トリックは、鮎・清張先生風だが、短編ゆえか細かくは書き込まずあっさりと 流されている。 本作も戦後の廃墟化した映画館を舞台にした怪奇探偵小説風の出だしはおもろいだけに、 その後の適当な展開が残念。
- 331 名前:名無しのオプ [2007/06/24(日) 22:55:37 ID:OHTONs+Z]
- 今野敏『隠蔽捜査』(新潮社、2005)【8点】
都内で起こる連続殺人事件の被害者は、過去の少年犯罪者たち。 保身第一の上層部・マスコミ対策に神経をすり減らす警察庁のキャリア竜崎。 しかし家庭内でも問題が起こり、しかも現場でささやかれる被疑者の身元が・・ 警察庁総務課の課長という、これまでにないキャリアを主人公に据え、 警察庁の上司や警視庁刑事局との熾烈な駆け引きを描くのがおもしろい。 焦点も「変人」竜崎の手腕の発揮ぶりと家庭問題に限定し、 連続殺人事件はあくまで材料にすぎないが、実に緊迫したストーリー展開。 続篇も出たようなので楽しみ。
- 332 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/25(月) 08:57:48 ID:nkcduJch]
- 「F」って、出たのは最初だけど四作目じゃなかったっけ。
- 333 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/25(月) 10:44:21 ID:Ru/AybyB]
- 確かに携帯電話がこれほど普及すると、それ以前の過去の推理小説を読むと、
「その当時の」と念頭に置いとかないと違和感はある。 昭和三十年代の推理小説で、電話そのものが、下宿人とか中流以下の家庭には また普及していなかったのを、昭和五十年代以降に読んだ時のような。
- 334 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/25(月) 21:05:26 ID:alWYpwvj]
- 高橋克彦『パンドラ・ケース よみがえる殺人』
(1988→1991、文春文庫)【8点】 最初に死んだ大学サークルのメンバーの13回忌にあわせ、集まったメンバーたち。 開かれたタイムカプセルには、干乾びた指とある事件を告発するような新聞記事が。 雪深い民宿でひとり、またひとりメンバーが殺されていく。犯人は誰なのか。 いわゆる「吹雪の山荘モノ」だが、メインは70年代に青春を送った男女の 回顧物語。たぶん作者の70年代に対する強烈な印象が原点だろう。 塔馬双太郎・チョーサク・アリサという作者のレギュラーキャラがメンバーの 中にいるので、これ以降の作品を読んだことのある読者は真相にたどりつきやすいかも。 犯行がやや綱渡り的なのと粗いのが不満だが、物悲しい終盤も含めて、水準以上の良作。 昭和は遠くなりにけり。
- 335 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/26(火) 03:23:19 ID:peR1r62/]
- 多島斗志之『龍の議定書』(1985→1988、講談社文庫)【7.5点】
中華人民共和国と台湾とを和解させようとする「S2キャンペーン」。 華僑劉偉南から話しを持ち込まれた大手広告代理店の塔原は、孫文を題材に 着々と計画を進めるが、孫文狂言誘拐説やフリーメーソン暗躍説など、 次第に国際謀略に巻き込まれていく。果たして事件の真相は? とりあえず孫文の死にまつわる仮説は興味深く読んだ。どこまでオリジナルなのかは 分からないが、作者の独創だとしたらこれは大したものだと思う。 素っ気無い文体と深みのないキャラは、このデビュー作ではややマシな方だが、 物足りなさも覚えるのは確か。また『密約幻書』や『バード・ウォーズ』のような どんでん返しが弱いのも確かだが、まずまずの佳作。
- 336 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/29(金) 05:03:48 ID:Trri0FNu]
- >>331のレビューが面白そうだったんで読んでみたけど、
こりゃもはやミステリーじゃないな。警察小説とも言いがたい。 ある種のサスペンスはあるけど、一種の「サラリーマン小説」か、 また、若者を題材にしたのが「青春小説」なら、これは「中年小説」。 中年世代の人生というのがこの作品のメインテーマ。
- 337 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/29(金) 09:02:57 ID:nSlTmY91]
- 最近のミステリを読んだことないんだろうな
- 338 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/29(金) 09:50:52 ID:WigZGm33]
- >>336の中ではミステリーという言葉が、かなり狭い範囲の作品を指すものなのでは
- 339 名前:336 mailto:sage [2007/06/29(金) 18:34:52 ID:LtjDc+Sv]
- 作品自体はそれなりに面白かったよ。
文章がこなれてないのと人物造形が単純なのが弱点かな。 >>331の人も言ってるように事件は単なる小道具でしかない。 主題はあくまで人間ドラマ。 社会派っぽさやサスペンスの展開は松本清張あたりを思わせないでもない。 上で警察小説とも言い難いと書いたけど、まあ現代型警察小説なのかも知れない。
- 340 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/29(金) 21:10:19 ID:jYEyRGv0]
- 話題になった本で、なにを今さら
- 341 名前:名無しのオプ [2007/06/30(土) 11:09:24 ID:39Av0ymQ]
- お前ら人の感想にあーだこーだいちゃもん付ける暇があったら
自分の感想書けよ
- 342 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/06/30(土) 11:28:44 ID:JROSqj8e]
- 高橋克彦『聖豹紀 バンドネオンの豹』
(1996→2000、講談社文庫)【5点】 地球征服を狙う魔人サーベル・タイガーは、アガルタの古代機械を 手に入れるためトルファンに。アガルタの戦士ジャガー、ネモらは それを阻止しようとトルファンに集結するが、そこには恐ろしい敵が。 冒険小説「バンドネオンの豹」の続篇。 まあ、少年向けと作者が言い切っているだけあって、正義対悪の対決パターン。 それでも前作はナチスとか地底王国アガルタとか伝奇要素だけは楽しめたが、 今回はサイキックな戦闘がメインで少々退屈。いかにも少年少女向けの ロマンスらしきものもあるが、現代の少年少女はどういう感想をもつのだろう。
- 343 名前:名無しのオプ [2007/06/30(土) 17:37:57 ID:FT5+1l5J]
- 最近のミステリーがそんなに凄いのか?
- 344 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/01(日) 11:29:25 ID:4ERKdwCn]
- 本多孝好『MISSING』(1999→2001、双葉文庫)【7.5点】
小説推理新人賞受賞作「眠りの海」ほか、死にまつわる「喪失」を テーマとした短篇集。いわゆる「推理小説」とみた場合は物足りなく、 きわめて普通小説に近いが、広義の意味でなら、 まあミステリー小説の範疇(「瑠璃」以外)。 個人的には、老人ホームの老人が女子高生を尾行させるのはなぜか、 という「蝉の証」がいちばんおもしろかった。
- 345 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/02(月) 02:02:50 ID:kzqDk+Z7]
- 海渡英祐『積木の壁』(1981→1985、徳間文庫)【6点】
経営コンサルタントを名乗り企業の調査を行う調査員岩岡。 自らの独立のきっかけとなった、ある企業の合併問題に調査を進めるうち、 恋人の紀子が何者かに殺害される。現場のマンションに残されたマッチ箱の 中のキーは? そして手帳に記された「he」「she」は何の符牒なのか? 思ったよりは古臭くないが、いかにも地味な社会派推理小説。 展開は逢坂剛の岡策モノのような感じだが、けれんはほとんどない。 トランプのクイーンやマッチ箱のキー、手帳の符牒など思わせぶりな要素は 若干あるものの、真相はきわめて拍子抜け。真犯人も予想の範囲内にとどまる。 ただ文章は読みやすく確かであるから、地に足の着いた堅実な推理小説ではある。 もっとも出てくる女がすべて主人公に好意を持つというのはいかがなものか。
- 346 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/07/07(土) 23:39:13 ID:YNTMW1dj]
- 蘇部健一「六とん2」を読んだ。
最近「3」も刊行されたが、なぜか積読にしてしまっていた作品集。 蘇部先生らしいバカミスモードは相変わらず全開とはいえ、 「六枚のとんかつ」「動かぬ証拠」と比較すれば、展開やオチのパワーダウンは 否めないものがある。 グループA 「最後の事件」「三色パンの秘密」「甘い罠」 この3作はバカミスとしてそれなりに面白い。 最初の作はあまりにバカバカし過ぎる絵オチが笑える。 グループB 「午前一時のシンデレラ」「行列のできるパン屋さん」「姿なき目撃者」「読めない局面」 半下石シリーズの三篇だが、どれも出来は今ひとつである。 そもそも古畑風のダンディな半下石は、意外にまともな長編ミステリ向きのキャラ なのである。 グループC 「誓いのホームラン」 モデルは元巨人の河合。泣かせる美談と見せて…ラストがなかなか効いている。 「地球最後の日?」 このラスト(絵オチ)? 「叶わぬ想い」 ビターな絵オチは良いのだが、するとそれ以前に問題が出て来る。 フェアプレー厳守とまで言わぬまでも、もう少しぼかして書く必要があるのではないか? 「きみがくれたメロディ」 正直に書くが、蘇部先生がこういうものを書いては駄目である。
- 347 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 00:43:21 ID:18mnzNc2]
- 久間防衛大臣の辞任問題が新聞紙上を賑わしている。しかし、ここまで愚かな内閣だとは思わなかった。
そもそも総理の実力もなく人選ミスばかりしている安倍首相。松岡農水相の自殺も腑に落ちないが、今回の「しょうがない」発言も国民を馬鹿にしているとしか言いようが無い。 辞任は当然であろう。 そもそも世界で唯一の核被爆国であり、核の悲惨さを訴えなければならない国の立場にあるべき防衛大臣が、なんたる無責任発言をしてしまうのだろうか。こいつも大臣の器ではないなあ。 どうみても落とした側のアメリカ側に立って物を言っているとしか思えない。アメリカは戦争を仕掛けたのは日本であり、戦争終結を早めるのには核爆弾が効果的だったと、考えているかもしれないが、 アメリカ国民は、核の悲惨さを何処まで認識しているかも疑わしく、20世紀の偉大なる発明の一つに核爆弾をリストアップしているほどだ。 またアメリカの識者までが、原子爆弾を日本に投下したことにより、戦争の犠牲者をこれ以上出すのを食い止められたと、トンチンカンなことを言っているのだ。だから日本が中心になって、 核廃絶を訴えたところでアメリカは、何処まで核問題に真剣になっているか疑問符がつくのである。 んな中で、防衛大臣という要職につく人が、被爆者遺族を逆なでするようなことを平然と言って、けして許されるものでは無いだろう。 本当に安倍内閣は瀕死の重傷と言ってしまってもいい状態である。 ところで、防衛庁が何時の間にか、ドサクサにまぎれて防衛省に昇格して、長官が大臣になってしまった。 これでますます憲法第九条の改憲が現実味をおびてきそうだが、なんか気づかない間に、どんどんときな臭くて保守的な国家になっていく。それで、まさか宮内庁までが宮内省にならないだろうなあ・・・・・。 ああ、コワ! 主権在民は何処へいく!
- 348 名前:いまのところ0点 [2007/07/08(日) 09:12:50 ID:GFoUElmI]
- 志水辰夫『行きずりの街』(1990→1990、新潮文庫)【0点】
読み中。読み続けるべきか思案中。 私(主人公)は40代の塾講師。十数年前、東京の名門女子校を 女生徒との交際が発覚し、退職を余儀なくされた。十数年ぶりに かつての学校を訪れた私は、十数年前の事件の裏とともに、 事件に巻き込まれていく(はずだ)。 ・・と、ここまで読んで0点。 (はずだ)と書いたのは、だいたい四分の一読んでるのに まだ事件が起きていない。主人公は何が目的なのかよくわからないが 東京の街やら、かつて勤めていた女子校やらを歩き回っているだけ。 とにかく全然盛り上がらない。 この小説は某書店で、店員お勧めの小説として平積みになっていたし 1990年の「このミス」で1位にもなったミステリーらしいが、 本当かよ! と思うほどつまらない。 「このミス」、1990年はよっぽど不作の年だったんだろうな。
- 349 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 09:20:41 ID:gjrJ7Ijs]
- ページめくってすぐ死体が転がってないと駄作認定か
そもそも読みおわってないなら書き込むなよ チラシの裏にでも書いてろカス
- 350 名前:いまのところ0点 [2007/07/08(日) 09:20:56 ID:GFoUElmI]
- 現代ミステリーのお約束の構成。つまり早く事件を起こして
読者を引き込んでいく、というストーリーになっていない。 それに名門女子校を舞台にしたミステリーならば、たとえば 学園を巻き込んだ大スキャンダルが背景に・・とか、 女子校生とのエロチックな濡れ場とかを期待するが、 そんなもの全然ない。 誰を面白がらせようとしているのか、読者に対するサービス 精神がまったく感じられないんだ。 主人公は魅力の感じられないうらぶれた40男で そいつが靴をすり減らして、東京の街を歩き回っている、 というストーリーがここまで延々続いている。 綾辻行人が「うらぶれた刑事が、靴をすりへらして歩きまわり しょぼくれた事件の真相を明らかにしていく。・・こんな ミステリーは読みたくない。」 といった趣旨のことを言ってミステリー批判をしていたが、 この小説は綾辻の批判にぴったり当てはまる。 ものすごくつまらない。
- 351 名前:いまのところ0点 [2007/07/08(日) 09:23:07 ID:GFoUElmI]
- >>349
そういうのは、ふつう駄作だろう。 映画でも開始5分で観客の心をがっちりつかみ、 盛り上がらせられなければ駄作、というのはお約束だぞ。
- 352 名前:名無しのオプ [2007/07/08(日) 09:35:43 ID:DhwEgtia]
- GOTHで一貫して登場してるのは神山樹と森野夕でおk?
何か最後の話で気になる表現(乙一特有の詰めの甘さ)があった。
- 353 名前:名無しのオプ [2007/07/08(日) 09:50:18 ID:Fb/0eHQq]
- 現代ミステリーのお約束の構成
エロチックな濡れ場を期待 サービス精神 綾辻 映画でもお約束 釣りかなんかだと思ったらただの馬鹿だったか
- 354 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 09:55:11 ID:hgE125M7]
- >>348
少なくとも全部読めよ。 『読みました』報告・国内編Part.4、だぜ。
- 355 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 09:55:31 ID:gjrJ7Ijs]
- >>353
シーッ!
- 356 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 11:20:29 ID:2XtCTL47]
- >女子校生とのエロチックな濡れ場とかを期待するが
ねーよw
- 357 名前:名無しのオプ [2007/07/08(日) 11:28:51 ID:7Sl2Rh7I]
- つまらんのだけは同意だな
- 358 名前:いまのところ0点 [2007/07/08(日) 16:51:28 ID:rfznVRZL]
- そう言われたので、もう少しだけ読んでみた。
その感想は・・ ↓ ヘドが出そうなくらいつまらん。 こんなものを1位にするとは「このミス」も落ちたものだ。
- 359 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 17:09:33 ID:SHQsGtVZ]
- >>358
>こんなものを1位にするとは「このミス」も落ちたものだ って、「行きずりの街」が1位取ったのは「このミス」4年目のことだぞw おまえ、ひっこんでたほうがいいな。
- 360 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 17:10:40 ID:aWAcjcN1]
- >>358
アンチシミタツ粘着乙 もうわかったよ
- 361 名前:いまのところ0点 [2007/07/08(日) 18:14:14 ID:FeVnDuku]
- ひっこんでいるべきは沁みた痛のほうだろう
フッフッフッ
- 362 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 18:19:43 ID:g1m5k64T]
- >>361
もうわかったよ。あらすじだけにしておけばいいものをw
- 363 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 18:24:39 ID:Mf6rIgCb]
- >>361
なんだ、「あらすじごめん」くんかあw >ひっこんでいるべきは沁みた痛 解説してくれw
- 364 名前:いまのところ0点 [2007/07/08(日) 18:29:42 ID:FeVnDuku]
- ならば説明してやろう。
主人公に魅力全く無し。さえない四十男でこいつがどうなろうが 知ったことではない、という気にさせる。 事件が起きない。もう四分の一読んでるのに誰も死なない。 このまま誰も死なないんじゃないか? 主人公もただ歩き回っているだけ。その理由もわからない。 まあ、こんな四十男の理由なんか知りたくもないがw
- 365 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 18:32:26 ID:H9lzcOS2]
- 小説読むの向いてないってだけだな
女子校が舞台というだけで濡れ場期待してミステリ読むようなアホだし
- 366 名前:名無しのオプ [2007/07/08(日) 18:32:45 ID:7Sl2Rh7I]
- つか>>361>>364は別人だろ
ID違うしコピペだし
- 367 名前:いまのところ0点 [2007/07/08(日) 18:56:05 ID:FeVnDuku]
- ↑フッフッフッ
ID入れ替えのトリックを見破れないおまいは、ミス板から 去るがよい。
- 368 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/08(日) 19:04:05 ID:f5vEOsUj]
- まあ、沁みた痛み、ならわかるがなw
- 369 名前:名無しのオプ [2007/07/08(日) 20:15:11 ID:nFlJ3NBY]
- 今年の横溝賞作品、だれか読んだ人いたら、コメント頼みます。綾辻先生が
激賞したとかで、気になるんだが
- 370 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/11(水) 18:07:27 ID:CXE64tVv]
- >>369
週刊文春で千街がレビュー書いてた。首挽はあんまり評価高くなかったな…
- 371 名前:読後感 mailto:sage [2007/07/12(木) 20:27:56 ID:8aRcyThm]
- 「寝台特急『出雲』+−の交叉」深谷忠記(勁文社)
健康食品を騙った詐欺事件が発覚し、推薦文を書いた美緒の父親の 同僚の大学教授に非難が及ぶ。そんな中被害者達の急先鋒だった 女性が殺害された。警察はこの大学教授を容疑者とみたが、 彼もまた死体となって見付かるのだった。果たして真犯人は一体――。 久々に某スレからのセレクト。 読殺まで大分かかった。トラミスは肌に合わんのかなぁ。 アリバイ崩しかと見せかけてフーダニットかと見せかけてやっぱり アリバイ崩しだった。トリックは良く出来ていたし解明の過程も ミステリーの定石に則った形で手堅い造りであった。 でもイマイチカタルシスを感じられないんだよなぁ。 若輩者にはまだトラミスは敷居が高いのかも。
- 372 名前:名無しのオプ [2007/07/14(土) 00:54:57 ID:Tl9BmzRW]
- 湊かなえ「聖職者」(短篇、2007)【8点】
第29回小説推理新人賞受賞作。 ある中学教員(女)の「語り」形式の短篇。 学期末のホームルームで女教師が淡々と語りだし、徐々にある事件の 顛末が明らかになるという趣向。選評でもいわれているとおり、 文章が安定していて伏線の張り方もなかなか上手い。 ここ10年の同賞受賞作の中では疑いなくトップクラス。 すでに先輩の永井するみよりも力はあると思う。長篇を読んでみたい。 >>348 そこまで読んでおもしろくないなら、シミタツとは相性悪いのでは? 無理に読まないほうが。 >>369 現在読んでます。東北の寒村、マタギ、五百羅漢、生き埋めの伝説など 道具立ては、ばっちり。逆さまの死体も出てきます。
- 373 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/14(土) 00:59:27 ID:629Fw3oo]
- >>371
読殺ってなに?
- 374 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/14(土) 01:17:29 ID:eY0VWBn6]
- >>373
気違いはスルーで
- 375 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/14(土) 01:39:03 ID:629Fw3oo]
- >>374
了解
- 376 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/07/14(土) 23:00:22 ID:ef5V60/r]
- 新田次郎「アルプスの谷 アルプスの村」を読んだ。
山岳小説のマエストロの軽い紀行エッセイという先入観に囚われて 今までノーマークな作であったが、60年代初頭におけるヨーロッパアルプス旅行は 正に「冒険談」そのもの、現代ほどに都市化・俗化が進行していない時代でもあり、 観光地とはいえ、状況によってはそこは死と隣り合わせの世界なのであるということが わかる。 同行者が語呂から「異端者の谷」と称したエタンソンの谷踏査シーンなどは、 山岳冒険小説のワンシーンのまんまである。 一流の小説家らしい風景描写の美麗さは読む者を魅了して離さないが、 適宜、気象に関する客観的なコメントが挿入されるのは、いかにも気象庁勤務者で あったこの作者らしく、良きコントラストを成しているのが、かえって面白い。 また、人や風物に対する所感が驚くほどストレートに綴られており、 この作者、意外に「難しい人」なのかと思わす部分も多い。 小説に関しては、「ユーモアが無い」「女性に関する描写が弱い」等の批判がある作者 ではあるが、本作に関しては、一部例外(チューリッヒ行きの列車で乗り合わせたピザな シシリー女等)を除いて女性(特に若い女性)に対する優しい眼差しの数々が印象に 残るものがある(例えば、作者にサインをせがむショートパンツ姿のベルギーの ガールスカウトたちとの出会い等)、 大氷河(メールドグラース)でのエピ。 『・・真紅のキルティングコートを着た女に出会った。二人は霧の中で言葉を交わした。 「どっちへ行ったらいいでしょうか」女が心細そうに私に訊いた。 「私の後へついて来るがいい」 もう心配のないところに来ていた。ちょっとした下り斜面があり、そこで女の手を 取ってやった。その青い眼の女の手はひどくやわらかで、つめたかった』 「私の後へついて来るがいい」って、イエスか?(w このくだりは、新田先生は笑いを狙ったところであろうか?
- 377 名前:名無しのオプ [2007/07/14(土) 23:15:43 ID:a+WsLb/c]
- 読後感の迷走ぶりを見るに付け、書斎さんの偉大さが浮かび上がるなぁ。
- 378 名前:名無しのオプ mailto:犯人の色恋沙汰に巻き添えくらった村人たち [2007/07/15(日) 16:54:53 ID:oDBRtVbF]
- 大村友貴美『首挽村の殺人』(2007、角川書店)【6.5点】
友人杉の死の真相を調べるため、岩手の無医村に赴任した医師滝本。 過酷な間引きの伝承が残り、「おつかいさま」の儀式を続ける寒村。 やがて雪中で逆さに埋まった死体が発見され、さらに凶暴な赤熊も出没。 閉鎖的な東北寒村に、伝承をなぞるかのような連続殺人事件が横行する! 第27回横溝正史賞受賞作。 完全なクローズド・サークルではなく、外界との行き来も自由で警察が捜査。 現代的な高齢化問題や町村合併・産業廃棄物問題も絡めており、単なる 山村モノにはしていない。作者が岩手県滝沢村在住ということで、東北山村の 生活やマダギの習俗などはなかなか詳しくリアリティがあり、読み応えがある。 しかしこうした舞台設定であれば当然期待される血族のドロドロや、過去の 因習などの要素が連続殺人事件の真相と乖離しており、肩透かしをくらう。 犯人像や動機もなんだかなあ。(メール欄)カワイソス。 (´・ω・`)
- 379 名前:読後感 mailto:sage [2007/07/15(日) 17:51:11 ID:OOluksoE]
- >>377
氏ね!!!
- 380 名前:読後感@読殺魔 mailto:sage [2007/07/15(日) 18:54:49 ID:wPbW+85n]
- 6年目にして初めて騙られました。
以後トリップ付けます。
- 381 名前:読後感 ◆VkkhTVc0Ug mailto:sage [2007/07/15(日) 18:56:24 ID:wPbW+85n]
- 訂正。
もうやり方も忘れていました。
- 382 名前:名無しのオプ [2007/07/15(日) 19:19:37 ID:bC7T6StZ]
- >>372
そこまでするだけの存在感もないし、もう消えてもらってもいいんだけどねえ。
- 383 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/07/15(日) 23:14:35 ID:LVTnCUbt]
- 半村良「雨やどり」を読んだ。
新宿の盛り場を舞台にした独自の哀愁に富んだ連作集。 冒頭に意外やSFミステリ的展開となる「おさせ伝説」が収録されている。 (ゆえに本作は、新宿という地の日常に足が着いた感じで書かれた他の収録作品と 比較して異色であるとは言える。SFも書く作者であること、 そもそも当初から連作を意図したものではなく、各編がばらばらに雑誌に掲載された 故であろう) 直木賞受賞作である表題作「雨やどり」は、ラストに来てこの「タイトル」が効いて来る 佳作であるが、新宿人生物語とでも称すべき「新宿の名人」と 「新宿の男」(本作には「雨やどり」の主人公であり、連作のメーンキャラである仙田 という人物がなぜか登場しない) シリーズメーンキャラ集合による「昔ごっこ」(雑誌掲載時の「新宿西部劇」という タイトルの方が内容に沿う感がある)もそれぞれに独自の哀感があって面白く読める ものとなっている。 昨今では、こういった大人の読物をとんと見かけなくなったのは残念至極である。
- 384 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/07/15(日) 23:16:15 ID:LVTnCUbt]
- 蘇部健一「届かぬ想い」を読んだ。
これもタイトルと表紙(手を繋いだ美少女と若い父親と思われるイラスト)で 敬遠していた作なのだが、良い意味で裏切られた。 さすが蘇部先生ダークなねたをしっかりとかましてくれるものである。 ただし、新書上下2段組200頁にも届かない作ではあるが、メーンストーリー上は 無駄な描写も多いやに見える。 出版上の問題であろうが、誤解して投げ出される恐れがあるし、作品的にはもっと 刈り込んで書いて欲しかったものである。 メーンなねたは、タイムパラドックスというSFねたながら、奥底にある作品テーマは 父娘の愛と言え、これが正にキーになって来るわけである。
- 385 名前:読後感 ◆Y7Vs9ZO5ao mailto:sage [2007/07/15(日) 23:48:20 ID:NlTBjLVg]
- ウンコー!(゚∀゚)!
- 386 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/16(月) 00:23:34 ID:s3uD/Rou]
- まんまと引っかかった感じ?
- 387 名前:名無しのオプ [2007/07/16(月) 00:34:44 ID:os65anWH]
- 森雅裕『あした、カルメン通りで』(1989→1993、講談社文庫)【6点】
マリア・カラスの札幌公演より15年後、タルガ・パルフェッタを プリマとする「カルメン」が再演された。そして、カラスゆかりの 十字架が盗まれた。カラスの晩年にまつわる秘密とは? 鮎村尋深シリーズ第2弾。前作は読んでいないが、視点人物の美術講師との 掛け合いは楽しい。ただ、登場人物の誰も彼もが警句を吐いたり、凝った言い回しを するので、若干鼻につく。推理小説としては「会話」による謎解きがメインなので、 謎が明らかにされていく、という過程のおもしろさは薄い。 また森氏のオペラに関する凝り性が、物語のおもしろさに直結しているとは 言いがたいのが残念だが、ココは読者によって大きく評価の分かれるところか。
- 388 名前:名無しのオプ [2007/07/16(月) 11:00:29 ID:JirC2U4f]
- >>380にモロにひっかかったのかw
- 389 名前:名無しのオプ [2007/07/17(火) 03:05:23 ID:+Zaytgm9]
- 三津田信三『首無の如き祟るもの』(2007、原書房)【8.5点】
戦中の奥多摩。ある旧家の儀式の最中、深夜の井戸から死体が発見。 そして戦後、次期当主の花嫁選びの儀式でまたも首無し死体の女性が。 村の伝承の首無しが跋扈しているのか?「如き」シリーズ第三弾。 まず「マジモノ」「マガドリ」に比べ、文章はずいぶん読みやすい。 (それでも普通からすれば読みにくいが・・・)そして、おなじみの 旧家の確執・血族・土俗要素・密室など本格要素のオンパレードで、 好きな人にはもうたまらない。ただ、「マジモノ」のあの真相が炸裂した 瞬間に較べれば、「うまくつくってあるな」とは感じるものの、 一歩及ばない。大小の技を組み合わせ、読者を幻惑させるという印象。 もっとも文章が読みやすくなった分、「マジモノ」よりも読書としての満足度 は高い。伏線もカンのいい読者は気づくだろうが、それが何を意味している かはなかなか分からないだろう。若干「つくりこみすぎ」かもしれないが。 話からすると「マジモノ」「マガドリ」よりも前の話のようだが、本書よりも 先に「マジモノ」は絶対に読んでいた方がよい。
- 390 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/18(水) 18:56:45 ID:TuI4UEMW]
- さとうふみや/天樹征丸『金田一少年の事件簿 雪霊伝説殺人事件』
(2007、講談社コミックス)【7点】 雪霊タカハシの伝説がある雪山に集められたはじめたち。 数日間をそこで過ごせば資産家の遺産が贈与されるというが・・ 吹雪の山荘に死体がひとつ、またひとつ! いつもの金田一少年。ただ、こういうCCモノであの手を使うと それだけで評価は低くなる。もちろん、いくつもの小技を用いて 独自性を出そうとしているが・・。密室状態からの死体の出現は 個人的にはおもしろいと思った。
- 391 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/18(水) 23:39:28 ID:TuI4UEMW]
- 高橋克彦『おこう紅絵暦』(2003→2006、文春文庫)【6.5点】
同心を夫にもつおこうを主人公とする短篇集。 ミステリーとしては小粒な話ばかりであるが、安心して読める。 もっとも『だましゑ歌麿』のような殺伐さはないので、 物足りなさも覚えるかもしれない。
- 392 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/19(木) 13:23:19 ID:jxniaunG]
- 加治将一『幕末維新の暗号』(2007年 祥伝社) 6点
歴史作家望月のところに送られてきた古写真、 それは通称「フルベッキ写真」と呼ばれる、 明治維新の立役者達が一堂に会しているといわれる集合写真で、 送り主はアマチュア歴史研究家で、彼によると、 この写真に明治維新の秘密が隠されているという。 そして自分はこの件で狙われているという。 望月はその送り主のアマチュア歴史研究家の老人に会うが、 のち、その老人は失踪し死体となる。 望月は弟子のユカとともに写真に潜む明治維新の謎の解明に とり掛かるが、現れてきたのは驚くべき「真相」だった・・・ この国の成り立ちを根底から揺るがしかねない「陰謀」があったのだ・・・ (評)このネタ自体はわりと有名なので知っている人にとっては どうということもない。また小説自体の作りもあまり上手くはなく、 歴史エッセイをただ小説形式にしただけという感じだ。 元ネタを全然知らない人にとってはちょっとびっくりするかもしれない。
- 393 名前:名無しのオプ [2007/07/19(木) 23:15:01 ID:YVkh+/gh]
- 加藤元浩『Q.E.Dー証明終了ー(27)』
(2007、講談社コミック)【6.5点】 最近はコマも大きくなり話もネタもパワーダウンしていたが、 今回はやや復調傾向か。陪審員制度を扱った模擬裁判は 展開がおもしろい。最後の主人公の台詞もかっこいい。
- 394 名前:名無しのオプ [2007/07/21(土) 05:02:53 ID:jn4ptl49]
- 青木知己『偽りの学舎』(2007、小学館)【7点】
元警察官僚の来生は、大手進学塾の依頼で講師として潜り込み、 脅迫状事件の調査を開始する。脅迫状の差出人は前教務部長深山。 しかし深山は2年前の社員旅行で焼身自殺を遂げていた・・・ 携帯配信ということもあってか、文章は簡潔で読みやすく、テンポも速い。 ミステリとしては4分の3くらいまではかなり地味な展開で、残り4分の1で ようやくエンジンがかかりだすといった印象。 ただ、トリック自体は小粒であるが、全篇に散りばめられた伏線が張り方は 念入りであり、きわめてフェアである。青木氏の短篇は数本読んでいるが、 今後も手堅い本格ミステリ作家として期待できそう。 もっとも本書に限れば複数の登場人物の言動に少なからぬ違和感を感じた。 とくに元キャリアで現在はペンションを営むという設定の来生は、 その人物設定と言動とがかなり乖離しており、最後まで馴染めない。 また青木氏の職歴に関係する進学塾という舞台も地味であり、展開的に読者を 牽引する力が弱い。短篇を読んでいなかったら、自分はおそらく序盤で読むのを やめていたと思う。
- 395 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/22(日) 10:50:57 ID:KF9MrRuL]
- 蘇部健一『木乃伊男』
「ああ…」 「なんということだ…」 「かわいそうに…」
- 396 名前:名無しのオプ [2007/07/22(日) 22:21:40 ID:UZW2eJ26]
- 柳広司『はじまりの島』(2002→2006、創元文庫)【7.5点】
ビーグル号の航海に博物学者として乗り込んだダーウィン。 ガラパゴス諸島に上陸中、宣教師が絞殺死体で発見され、乗員たちも 次々と殺傷される。犯人は島に徘徊するというスペイン人の銛打ちなのか? これまで読んだ中では、最も不自然でない舞台設定の孤島ミステリー。 連続する殺傷事件も、舞台装置と深く関係しており評価高し。 (ただその分真相にはたどり着きやすいかもしれない) また孤島での事件が、ダーウィン理論のある謎と関連していた、 という理解もおもしろい。文章も安定しており読みやすく、 よく出来た孤島+フーダニットの佳作。
- 397 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/24(火) 01:18:15 ID:52x/qz/A]
- 逢坂剛『牙をむく都会』(2003→2006、講談社文庫)【7点】
大手広告会社・新聞社の依頼で「クラシック映画祭」「スペイン内戦60周年」の 企画を担当することとなった岡坂神策。その過程で岡坂は、終戦時の日本と ソ連との密約の存在をめぐり、戦後史の謎に巻き込まれていく・・・ 逢坂お得意のスペイン内戦史に関してはとくに目新しくはないが、 連載媒体がオッサン向け週刊誌であったため、昔のハリウッド映画の薀蓄が てんこ盛り。とくに前半はその傾向が強く、映画に興味がない人は結構タイクツ。 (自分は知らない人なりに楽しく読んだが・・) うさんくさい横山や、自己中な阿久津老人、小森のおばちゃまなど登場人物と 岡坂の掛け合いは楽しいが、やはり逢坂モノとしては若干散漫な印象を受ける。 小説としてのバランスを無視しても作者が薀蓄を語りたかったのだろう。 それでも終盤の展開は逢坂ならではのツイストが見られ、読後感もよい。 ところで最後まで読んでもタイトルの意味がよくわからないのですが。
- 398 名前:名無しのオプ [2007/07/24(火) 13:34:58 ID:52x/qz/A]
- 東野圭吾『夜明けの街で』(2007、角川書店)【7.5点】
派遣社員秋葉に惹かれ、不倫関係をもつに至った渡部。 徐々に深みにはまっていくが、秋葉の過去には殺人事件の影がちらつく。 「男」ではなく「夫」や「父親」になった中年サラリーマンの選んだ道は? ミステリー小説ではあるが、過去の事件はあくまで脇筋。 読みどころは主人公渡部がどんどん秋葉に引かれていく葛藤。 「中年リーマンが過去にワケアリの派遣社員と不倫する」といった シンプルな物語をここまで読ませるのは、さすがに東野。 秋葉の造形が、いかにも中年のオッサンが好きそうなところもよい。 ただ、本篇終了後の「番外篇」は物語の余韻を損ないはしないだろうか。 アレによって読後のもやもやを払拭させるのが狙いかもしれないが。 推理小説を期待してはいけないが、物語として愉しめた。
- 399 名前:名無しのオプ [2007/07/26(木) 10:17:19 ID:k+64fi7K]
- 大村友貴美『首挽村の殺人』(2007、角川書店) <92点>
まさに現代に蘇った横溝正史の作品。 しかしながら現代的テーマを古典的舞台に巧みに織り込んだ作風は、 ある意味では横溝を越えています。 選考担当の鮎川氏も絶賛したという新人の傑作です。 採点は100点満点で92点。−8点は、もっともっと厚くしてほしかったから。 第2作が久しぶりに待ち遠しい。
- 400 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/26(木) 19:52:42 ID:O7fhWNW9]
- 突っ込みどころが多過ぎて困る
- 401 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/26(木) 21:37:14 ID:TNYlsEH3]
- すべての行に突っ込みたいと鮎川先生もおっしゃっています。
- 402 名前:399 [2007/07/26(木) 23:56:45 ID:k+64fi7K]
- 間違えました。
綾辻氏でした。 ハズカシー でも『首挽村の殺人』がおもしろいのは本当ですよ。
- 403 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/27(金) 02:15:30 ID:tqfLuAH6]
- 選評読んだけど、別に綾辻絶賛してなかったぞ?
- 404 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/27(金) 02:46:24 ID:ZXwRwqS3]
- なんという浮いたレス
工作員といわれてもしかたが無い寒さ
- 405 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/27(金) 06:36:53 ID:7vMKV7bD]
- 工作員と言うより本人じゃあるまいかと
- 406 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/27(金) 10:24:34 ID:eWXjnGXp]
- 他人の感想にグダグダ言う奴らは何なの?
たかが個人の主観なんだから放っとけよ 報告もせんとレスの無駄遣いして荒らしと変わらん
- 407 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/27(金) 10:44:05 ID:7vMKV7bD]
- はいはい、正義の味方でちゅか
- 408 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/27(金) 11:35:55 ID:/FwYRZBV]
- ボケたらツッコムのはむしろ礼儀だと思います
- 409 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/27(金) 13:47:40 ID:HCZsb7Zg]
- >>378
>>399 アヤツジは絶賛してないの?65点と92点だと、結構評価に差があるんだが。
- 410 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/07/27(金) 13:56:10 ID:eWXjnGXp]
- 人によって評価が変わるのは当然のことじゃん
- 411 名前:名無しのオプ [2007/07/27(金) 21:06:21 ID:HCZsb7Zg]
- >>403 創作版によればこういう意見も。
815 :名無し物書き@推敲中?:2007/07/23(月) 20:21:10 北村は「『首挽村』はないな。横溝のパクリだし」と思って選考会に臨んだ。 しかし、綾辻が猛烈にプッシュし、大賞受賞。
- 412 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/07/28(土) 20:09:44 ID:3VA4mKZg]
- 久々に織田作之助の作品集「夫婦善哉」(6篇を収録)を読んだ。
相変わらずの面白さであった。 ミステリ的には収録作品中の「世相」に注目、あの阿部定事件をネタに 作者がマジで創作を意図していたことがわかるが、早逝もあって実現しなかったのが 惜しまれる。作者の優れたストーリーテリングを以ってすれば、 正に稀代のクライム・ノヴェル足り得たのではなかろうか… また、ミスオタには夫婦のなんともいえない腐れ縁を情緒豊かに描き上げて間断 するところがない表題作「夫婦善哉」、故郷大阪の上町にまつわる想い出をリリック に綴った「木の都」等を熟読し、是非、ミステリに耽溺している己の身の虚しさを 省みるきっかけとして欲しいものである。 読み捨てな「ミステリ」の類とは異なり、ここには「人生」=人間の生き様が描かれて おり、短編ながら長編に匹敵するボリューム感を以って読む者に迫って来るのである。 各人、心して読め!
- 413 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう [2007/07/29(日) 14:45:21 ID:jqLTru8I]
- 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(2004→2007、文春文庫)【8点】
僕こと「たっくん」と「マユ」の恋愛物語。 すでにアレ系ミステリーということはよく知られているが、 読後の気分は、 (´・ω・`)?→ (゚д゚)! →((((゚Д゚ ;)))ガクブル 自分は気持ちよく騙されて再読とあいなりました。
- 414 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう mailto:sage [2007/07/29(日) 16:15:49 ID:A7Wlgh5k]
- アレ系?
- 415 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう [2007/07/29(日) 17:23:11 ID:GTXpntZe]
- 『生きいそぎ』志水辰夫の短篇集。ラストの作品にグッときた
- 416 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/07/29(日) 22:17:23 ID:+FyRraIQ]
- 逢坂剛「禿鷹の夜」を読んだ。
神宮署の悪徳刑事、禿富鷹秋(通称ハゲタカ)シリーズの第一弾である。 一部で人気があるシリーズながら、大藪春彦作品を読み慣れた目には、 はじけ方が足らず物足りないものがある。 また、解説にあるとおりハメットの世界を逢坂流に描くことを意図したもの であるとすれば、視点が定まらない点が印象に残るだけであり、到底、成功しているとは 言い難いものがあり、もっと禿富の行動のみに焦点を絞って書き込んでゆけば、 東京人であり作品の舞台となる東京を描く筆致には定評がある作者だけあって、 臨場感があり、迫力溢れる作に仕上がったのではないかと思われるのが残念だ。 個性的ではあるものの、渋六興業のメンツもアウトローにしては優し過ぎで、 こちらはキャラ面から迫力不足、これが日本のヤクザと南米マフィア(マスダ) との対決に悪徳刑事が絡むという本来は緊迫感ある物語を間延びした印象にしてしま っている感がある。
- 417 名前:てつや mailto:sage [2007/07/30(月) 19:44:52 ID:Ha/LIpw3]
- 三津田信三「首無の如き祟るもの」 ・・・かなり面白かった
北村薫「秋の花」 ・・・まあまあ面白かった 山口雅也「play」 ・・・普通 東野圭吾「放課後」 ・・・まあまあ面白かった 歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」 ・・・普通 大沢在昌「天使の牙」 ・・・面白くなかった 竹本健治「闇のなかの赤い馬」 ・・・普通
- 418 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/08/04(土) 16:42:46 ID:4keRLVJ6]
- 桂望実「県庁の星」を読んだ。
かなり売れ、大幅に脚色されたとはいえ映画化もされた作品である。 県庁職員が地元スーパーに派遣されるという設定とその後の展開は、 まさに現代において成立し得る冒険でありファンタジーである。 ただし、映画で柴咲コウが演じた若きヒロイン(パートタイマー)は、 原作では40半ばのバツいち、成人の子有りというロマンの欠片も無い設定、 (ただし、映画でも気が強くしっかり者だが、性根は優しいという内面のキャラは しっかりと活かされていたやに思う) 映画には登場しないあいちゃんという女性キャラが絡み、映画版以上に詳細に 役所と民間の発想の相異を細かく書き込んだ前半は非常に面白く読めるのだが、 県庁さんの活躍により、まさに現代のファンタジー化してしまう後半は、 県議会シーン等を取り入れ、やや辛口のラストへと脚色した映画の方が優れているやに 思う。 また、主語を省略した独自の文体に読み辛い部分があるのは難である。
- 419 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/08/04(土) 17:38:02 ID:UFm6mGwq]
- とりあえず読んだ本をミステリ板に書き込んでしまう書斎さんの
ずうずうしさには頭が下がります。 これからもがんばってください。
- 420 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/08/04(土) 19:28:48 ID:H0SFYKr1]
- 大きな口をきくのは、書斎以上の読後感を書いてからだ。
- 421 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/08/04(土) 19:40:00 ID:6xayODUB]
- >>420
ピントがずれた書き込みの上を行くのはかなり難しいやに思う。
- 422 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/08/05(日) 15:57:49 ID:BZ/vfDND]
- 蘇部健一「六とん3」を読んだ。
今風なんだろうが、幼女のイラストの表紙がなんとも… 内容にも全く無関係なのもどうかと思う。 大好評につき全話講評いってみよう! 「もうひとつの証言」 絵によるオチが効いている。刑事捜査としては問題有りなのだろうが、 コロンボ警部あたりが使いそうな手である。 「アリバイの死角」 作者あとがきには、あまりに下品という理由でラストの絵がカットされてしまった とあるが、その分、オチのインパクト(?)が薄れてしまった感があるのが残念。 文章による謎解きではなく絵で落して欲しいネタであった。 「生涯最良の日」 占いブームネタをシニカルに書いた作だが、既にミステリの枠外の作となってしまって いるのが残念。 「×××殺人事件」 作者らしいバカミスだが、それ以上のものではないという感じの作。 「殺ったのはだれだ!?」 和洋双方の典型的名探偵ものの文体模写が巧く、趣向は活きているかと思う。 「瞳の中の殺人者」 最後の絵を見るまでもなくオチが読めた。ミステリとしてもっと工夫が必要だった作 である。
- 423 名前:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas [2007/08/05(日) 15:59:25 ID:BZ/vfDND]
- 「死ぬ」
まさにシニカルの極致。黒パンの「生きる」の世界の対極に位置する世界だ。 「嘘と真実」 前作「死ぬ」も同様であるが、蘇部健一=単なるバカミス作家と思っていると、 良い意味で裏切られる作だ。 ミステリか否かはともかくとして、世相を巧く斬った問題小説と言い得る。 本作を読んでいて、ふと思うたのだが、蘇部先生は年甲斐も無く長澤まさみのファンなの であろうか? 「栄光へのステップ」 少し面白くし過ぎようとしているきらいもあるが、絵オチが巧く活きたバカミス としては楽しめる。 「秘めた想い」 作者あとがきによれば、「届かぬ想い」「叶わぬ想い」に続く想いシリーズの掉尾を飾る 作品(?)とのこと、いずれもタイム・パラドックス・ネタで面白く読ませ。 ビターなオチが効いた良作に仕上がっている。 「赤い糸」 作者あとがきによれば、「六とん2」の収録作品中では「きみがくれたメロディ」が 一番人気だったそうであり、本作のような作に対する需要は存在し、書かざるを得ない という面もあるのだろうが、やはり蘇部先生にはこの手のものを書いて欲しくはない。 作品集の最後は、やはり十八番のバカミスで締めて欲しかったものである。
- 424 名前:名無しのオプ mailto:sage [2007/08/05(日) 17:39:10 ID:na2qkFMa]
- 書斎さんの鋭い視点、さすがです。
ぜひ読まなきゃならない気になりました、その本。
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