- 217 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 mailto:sage [2019/11/23(土) 04:22:00.06 ID:qtbxXvtUp.net]
- 郡二郎は感慨深く微笑む
日本の山で間違った道に入り下っていくと、多くが沢に出てしまう。沢の真上には樹林がない。道があるように開けて見える。だから歩きやす そうに見える。しかし、沢は、ほぼ滝に出てしまう。断崖絶壁は装備を持って登る場合も技術が必要、下りの方がさらに難易度が上がる。 沢や滝は滑りやすく体温を奪う道迷いの最悪の結果は、この滝による滑落だ。道を間違えていると知りつつも、美しい風景に誘われるようにして 沢を降りてしまった。下っていく方に小さい赤い屋根の建物が見えた。迷った道は引き返す選択をしなかったのは、ルートファインディングに 自信がない笹薮に戻るよりも、テープの付いている道らしき踏み跡を辿ったほうがいいと思ったからだ。- 赤い屋根の小屋 -「あっ、小屋だ!」 俺は震える唇で呟いた。沢の岩苔で足を滑らせて小さな滝壺に落ち、かなり滝に打たれたため体温と体力も奪われていた。その時、岩にぶつけ 腰と膝と肩を痛めてしまった。小屋の近くに置いてあるドラム缶に縋り付いて倒れた。起き上がると、ドラム缶を押しのける反動を利用して小屋の 扉にしがみ付いた。
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