- 465 名前:('A`) mailto:sage [2012/01/20(金) 22:27:46.33 0]
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――幻覚だと分かっているのに、たまらなくつらい。 こうもつらいのは、障害者・『可愛そうな人』代表選手となった雪歩に、現に向けられている、薄氷を踏むような あの笑顔こそが偽りだと思えるから。みなの本心は、こちらだと思えるからである。 伊織「で、そうやって泣きそうな顔で、誰かがやさしくしてくれるのを、慰めてくれるのを待ってるわけ。……死んでもあんたみたいにはならないんだから」 貴音「これは、なんというもののけでしょう……面妖な形状をされています……」 千早「プロデューサーはただでさえ、私のプロデュースで忙しいんです。妻として、手助けどころか、手間を掛けさせるなんて、資格がないのでは」 小鳥「社会のお荷物ですよね。生きてる価値あるんでしょうか。そのくせ結婚なんてするなんて」 やよい「うっうー! 不幸がうつっちゃいますから、あっちいってくださーい!」 真 「一緒にダンスもできない雪歩なんて、ボクに女の子らしいこと教えてくれない雪歩なんて、なんかもう興味ないです」 美希「ミキね、変わったんだよ。キラキラしたくて、ハニーのために、変わったんだよ。なのに………雪歩はひどいの」 春香「私、千早ちゃん、真、伊織、やよい、美希、亜美、真美、あずささん、貴音さん、響ちゃん、 律子さん、社長、小鳥さん、そしてプロデューサーさん……みんなで、765プロの仲間だもんね!」 雪歩「はぅ……こわい……あなた、誰ですか? こ、こっち見ないでください……ひぃぃ、助けてくださぃ、プロデューサー……かいぶつが」 雪歩「ぁ……(……765プロにいた頃の私が、今の私におびえてる………)(…全部、美希ちゃんの言う通りだったんだ)」 P 「ど、どうした雪歩? 痛みが引いたのかい」 ぬきとった雪歩のショーツ片手に、Pが動きを止める。 雪歩「……ほんとうは…」 喉の痺れは いつの間にか、しゃべれる程度には収まっていた。 雪歩「…ほんとはあの時、遭難して、死んじゃって、私、萩原雪歩はいなくなったんです……」 少女の様子から、さすがのPも悟った。雪歩を蝕んでいたのは、肉体的な苦痛ではなかったことを。 すっかり幻肢痛のしわざだと思い込んでいた自分にばつが悪くなるが、それどころではない。雪歩がおかしい。息をのむ。
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