■頓挫したマレーシアの日本百貨店 マレーシアの首都、クアラルンプール最大の繁華街にある百貨店「ISETAN the Japan Store」。 CJ機構が約9億7000万円(49%)、三越伊勢丹ホールディングスの現地子会社が10億1000万円(51%)を出資して、 2016年10月にオープンしました。
2016年にオープンした「ISETAN the Japan Store」 引用:Getty Images for ISETAN MITSUKOSHI しかし、現地の物価からかけ離れた価格設定などで苦戦し、売上は目標を下回り、赤字が拡大。 こうしたことから2018年6月末でCJ機構が三越伊勢丹側に全株式を売却、三越伊勢丹側が単独で再建を図ることになりました。
オープンからわずか1年半での事実上の撤退、その理由を政府関係者はこう解説します。
「機構が発足した当初は、まず投資の実績をつくることが優先されました。 the Japan Storeの案件はCJ機構の社長(当時)と三越伊勢丹の社長(当時)が懇意だったため、 三越伊勢丹にお付き合いいただいたのです」 「三越伊勢丹の社長が代わり、プロジェクトに区切りをつけることになりました」
株式の売却額は非公表ですが、「投資額を大幅に下回る」といいます。
■実績ゼロの官製映画会社
「クールジャパン」をめぐる問題は“映画”でもおきています。
日本のコンテンツをハリウッドで映画化することを目的につくられた 「株式会社All Nippon Entertainment Works(ANEW)」という映画企画会社がありました。 CJ機構が設立される前の2011年10月、経産省所管の官民ファンドである 産業革新機構から22億2000万円(100%)の出資を受けて設立された会社です。