- 39 名前:名無しさん@恐縮です [2019/08/20(火) 21:46:47.76 ID:7+DOZZNT0.net]
- 本拠地、札幌ドームで迎えたソフバン戦
先発有原が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「栗山無能」の声 無言で帰り始める選手達の中、主将中田は独りベンチで泣いていた 北海道移転で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・ それを今の日ハムで得ることは殆ど不可能と言ってよかった 「どうすりゃいいんだ・・・」中田は悔し涙を流し続けた どれくらい経ったろうか、中田ははっと目覚めた どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した 「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」中田は苦笑しながら呟いた 立ち上がって伸びをした時、中田はふと気付いた 「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」 ベンチから飛び出した中田が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった 千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにファイターズ讃歌が響いていた どういうことか分からずに呆然とする中田の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた 「中田、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った中田は目を疑った 「す・・・稲葉さん?」 「なんだ中田、居眠りでもしてたのか?」 「こ・・・金子コーチ?」 「なんだ中田、かってに金子さんを引退させやがって」 「新庄さん・・・」 中田は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた 1番:中田 2番:中島 3番:中島 4番:中島 5番:中島 6番:中島 7番:中島 8番:中島 9番:中島 暫時、唖然としていた中田だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった 「こりゃ勝てねーわ・・・」 中島からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する中田、その目に光る涙は悔しさそのものだった・・・ 翌日、ベンチで冷たくなっている中田が発見され、吉村GMと名称栗山は病院内で静かに息を引き取った
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