- 18 名前:天之御名無主 [2010/09/19(日) 18:35:44 .net]
- >>16
西遊記は何百年もかかって完成した作品だから、その間に内容的な 進化はあったろうね。それがfoolの二人から三人へのバリエーション 拡大かもしれない。 ユーモアのある道中記という点では、日本では成立時期の比較的近い 義経記とのアナロジーを感じる。弁慶の、義経や同輩、追跡する吉野の 僧兵らとのユーモアあるやり取りは「婆娑羅」を思わせる。その点で 孫悟空にも「婆娑羅」を感じる。 そして義経記の中盤以降の義経が精彩を失い、無力な主人と化して 行く点でも、西遊記が、愚かで無力な主人と賢くパワフルな従者という 構図と共通する。 「婆娑羅」とはサンスクリットでvajra、これには金剛石の意味もある。 少林寺についての著書のある Meir Shaharはvajrapaniのイメージは 孫悟空から借りて来たものだというが、vajrapaniこそ、孫悟空の 原型ではないか? 孫悟空は神秘の石から生まれたとされているが、それがvajraであった としてもそう、おかしくない。 そしてvajrapaniは日本語で執金剛神であるが、vajrapaniが孫悟空の 原型であるとして、それがヘレニズム時代の Greco-Buddhismから 発したガンダーラのvajrapani像にはっきりとヘラクレスの面影が 現れているのを見れば、孫悟空像の先祖はヘラクレスではないかと。 en.wikipedia.org/wiki/File:Buddha-Vajrapani-Herakles.JPG en.wikipedia.org/wiki/File:VajrapaniAndMonks.jpg これから見れば、ヘラクレスが孫悟空となり、日本に来て弁慶に なった可能性もある。三者の共通点は棒を武器とする点だから。 ヘラクレスの異常な生誕、狂気、栄光と挫折、みじめな最後もかなり 婆娑羅だし、河神アケローオスと対決して勝利した逸話も西遊記の 内容とも関連している。 西遊記の背景にヘラクレス伝説があった可能性も感じるんだな。
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