- 1 名前:132人目の素数さん [04/01/12 23:45]
- 以下
フィボナッチ数列 F(1)=1,F(2)=1,F(n+2)=F(n+1)+F(n) リュカ数列 L(1)=1,L(2)=2,L(n+2)=L(n+1)+L(n) としましょう。マニアックなのでも結構です。
- 244 名前:風あざみ [04/12/26 23:42:53]
- 命題
P,Qを以下のような整数とする。 (P,Q)=1かつ数列U_nはU_0=0、U_1=1、U_(n+2)=PU_(n+1)-QU_nを取ると n→∞ならば|U_n|→∞となる。 このときM≡1 (mod K)となるパラメーター(P,Q)の強Lucas擬素数が無数に存在すること。 (強Lucas擬素数の定義はRibenboimの「素数の世界」のP91〜P92を参照ください。) 証明ではRibenboimの「素数の世界」のP40〜P49のIV1〜IV30とヤコビの記号の基本性質 LとNを正の奇数とすると (-1/L)=(-1)^{(L-1)/2}、(2/L)=(-1)^{(L^2-1)/8}、(N/L)=(L/N)(-1)^({(N-1)/2}{(L-1)/2}) となることを既知とする。
- 245 名前:風あざみ [04/12/26 23:43:25]
- 準備として、補題を二つ示す。
補題1 任意のmをとる。 n≧γ(m)なる任意の自然数nに対して、U_{n+θ(m)}≡U_(n) (mod m) となるような0以上の整数、θ(m),γ(m)が存在する。 特に、(m,Q)=1のときは、γ(m)=0となる。 証明 {U_0,U_1}、{U_1,U_2}、…、{U_(m^2),U_(m^2+1)}とm^2+1個の組を考える。 |Z/mZ×Z/mZ|=m^2だから、U_i≡U_j (mod m)、U_(i+1)≡U_(j+1) (mod m) となるような自然数、iとj(0≦i<j≦m^2)が存在する。 U_(j+2)≡PU_(j+1)-QU_j≡PU_(i+1)-QU_i≡U_(i+2) (mod m) 同様に、U_(j+3)≡U_(i+3)、…、U_(j+k)≡U_(i+k) (mod m)となる。 よって、n≧iなる自然数nに対して、U_(n+j-i)≡U_(n-i+j)≡U_n (mod m)となる。 特に(m,Q)=1のとき QU_(j-1)≡PU_j-U_(j+1)≡PU_i-U_(i+1)≡QU_(i-1) (mod m) (Q,m)=1よりU_(j-1)≡U_(i-1) (mod m) 同様に、U_(j-2)≡U_(i-2) (mod m)、…、U_(j-k)≡U_(i-k) (mod m) したがって、任意の整数n≧0に対して、U_(n+j-i)≡U_(n-i+j)≡U_n (mod m)となる。 (m,Q)=1のときγ(m)=0、θ(m)=j-i そうでないときγ(m)=i、θ(m)=j-iとおけばよい。 証明終
- 246 名前:風あざみ [04/12/26 23:44:47]
- 補題2
mを任意の自然数とする。 以下のような0以上の整数α(m)とβ(m)が存在する。 s≧β(m)、t≡1 (mod α(m))ならば、U_(st)/U_s≡1 (mod m)となります。 (IV15よりU_(st)/U_sは整数である) 証明 m=Π[pはQを割り切る]{p^a}*Π[qはQを割り切れない]{q^b}と書く。 以下mの素因数のうち、Qの素因数であるものをpそうでないものをqとする。 補題1よりn≧γ(p^a)なる任意のnに対してU_{n+θ(p^a)}≡U_n (mod p^a) γ(p^a)のうち、最大になるものをw、θ(p^a)たちの最小公倍数をvと置くと n≧wなる任意のnに対して、U_(n+v)≡U_n (mod p^a) したがって、g≡1 (mod v)となる自然数gに対して、U_(gw)≡U_w (mod p^a)となる。 U_gのqの指数cを取る。 補題1より任意のnに対して、U_(n+θ{p^(b+c)})≡U_n (mod q^(b+c)) θ{p^(b+c)}たちの最小公倍数をv’とすると、U_(n+v’)≡U_n (mod q^(b+c)) よって、g’≡1なる任意の自然数g’に対して、U_(g’w)≡U_w (mod q^(b+c)) vとv’の最小公倍数をα(m)、wをβ(m)とする。 sをs≧β(m)なる整数、tをt≡1 (mod α(m))となる自然数とする。 U_s*{U_(st)/U_s}≡U_s (mod p^a) (P,Q)=1だからIV24より(U_s,Q)=1だからU_sとpは互いに素 よってU_(st)/U_s≡1 (mod p^a) U_s*{U_(st)/U_s}U_(st)≡U_s (mod q^(b+c)) {(U_s)/q^c}{U_(st)/U_s}≡U_s/q^c (mod q^b) U_s/q^cとqは互いに素だから、U_(st)/U_s≡1 (mod q^b) よってU_(st)/U_s≡1 (mod m)となります。 証明終
- 247 名前:風あざみ [04/12/26 23:49:42]
- さて命題を示す。
Kを任意の整数とする。 DをD=±(2^e)*h(hは奇数)と書く sやtを以下の性質を満たす素数とする。 s≡1 (mod 8h)、s≧β(8hf) t≡1 (mod α(8hK)*(s-1))、U_sはtで割り切れない。 tはsに対して十分大きいものとする。 U_(st)/U_sは求める強Lucas擬素数である。 証明 M=U_(st)/U_sとおく。 補題2よりM≡1 (mod 8hK) したがって、(D,M)=1となる。 (D/M)=(±1/M)(2/M)^e(h/M)=(M/h)=1 同様に(D/s)=(D/t)=1となるから よってIV30より M*U_s=U_(st)≡U_s (mod t) U_sとtは互いに素だから、M≡1 (mod t) (P,Q)=1だからIV30よりM≡M*U_s=U_(st)≡U_s≡1 (mod s) よってM≡1≡(D/M) (mod st) U_t|U_(st)=M*U_s IV26よりU_sとU_tは互いに素だからU_t|Mとなる。 よってMは合成数である。 M=2^r*d+(D/M)=2^r*d+1(ただしrは正の整数かつdは奇数)とかけるので、d≡0 (mod st) U_(st)≡0 (mod M)だからU_d≡0 (mod M)となる。 よってM= U_(st)/U_sは求める強Lucas擬素数である。 条件を満たす素数sとtは等差数列におけるDirichletの素数定理より無数に存在することがわかる。 よって、条件を満たすMも無数にある。 証明終
- 248 名前:風あざみ [04/12/26 23:55:37]
- さて命題を示す。
Kを任意の整数とする。 DをD=±(2^e)*h(hは奇数)と書く sやtを以下の性質を満たす素数とする。 s≡1 (mod 8h)、s≧β(8hK) t≡1 (mod α(8hK)*(s-1))、U_sはtで割り切れない。 tはsに対して十分大きいものとする。 U_(st)/U_sは求める強Lucas擬素数である。 証明 M=U_(st)/U_sとおく。 補題2よりM≡1 (mod 8hK) したがって、(D,M)=1となる。 (D/M)=(±1/M)(2/M)^e(h/M)=(M/h)=1 同様に(D/s)=(D/t)=1となるから よってIV30より M*U_s=U_(st)≡U_s (mod t) U_sとtは互いに素だから、M≡1 (mod t) (P,Q)=1だからIV30よりM≡M*U_s=U_(st)≡U_s≡1 (mod s) よってM≡1≡(D/M) (mod st) U_t|U_(st)=M*U_s IV26よりU_sとU_tは互いに素だからU_t|Mとなる。 よってMは合成数である。 M=2^r*d+(D/M)=2^r*d+1(ただしrは正の整数かつdは奇数)とかけるので、d≡0 (mod st) U_(st)≡0 (mod M)だからU_d≡0 (mod M)となる。 よってM= U_(st)/U_sは求める強Lucas擬素数である。 条件を満たす素数sとtは等差数列におけるDirichletの素数定理より無数に存在することがわかる。 よって、条件を満たすMも無数にある。 証明終
- 249 名前:風あざみ [04/12/27 00:16:01]
- >>246の
> g’≡1なる任意の自然数g’に対して、U_(g’w)≡U_w (mod q^(b+c)) は g’≡1 (mod v')なる任意の自然数g’に対して、U_(g’w)≡U_w (mod q^(b+c)) だな。
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