367 名前:現代数学の系譜 雑談 [2024/12/07(土) 15:04:18.58 ID:t45qOUBr.net] >>345 追加 渕野昌,「Forcing入門」, fuchino.ddo.jp/kobe/forcing-LN-2015.pdf より Forcing入門渕野昌(Saka´eFuchino) 2017年03月20日 本稿はまだ未完の部分を多く含み,Forcing 入門と言いながらforcing についての記述のところまで至っていない.Forcing の理論のあらましについては,上で述べた2015年の神戸大学での講義の資料として作成した“Anoutline of independence proofs by forcing” (fuchino.ddo.jp/kobe/forcing-ss15-outline.pdf) も参照されたい. 目次 PartI 集合と論理学 P12 3 形式論理上の公理的集合論 数学を展開するための枠組についての数学的考察を超数学とよび,そこで具体的な対象や有限的な記号列操作のみを考察する,という立場を,確定的立場という(14) 注 (14) 確定的立場 (“finitary standpoint”, ヒルベルトの用語では , ,finiter Standpunkt“) は過って「有限の立場」と訳されることが多いが,原語の形容詞 , ,finit“ は (有限性をある意味では内包しているとしても) 「有限」という意味ではない(ドイツ語の「有限な」という形容詞は , ,endlich“ である) 英語の“finitary” という語も有限的な(finite) とは異なる.ドイツ語の , ,finit“ に対応させるために作られた造語である. P13 関数記号と関係記号をいくつか集めて固定したものLを言語とよぶ. P16 上で導入された証明の概念が数学的証明 (我々が現在までに数学的論証として用いたすべての論理的な推論や,我々が未来に数学的論証として用いる可能性のあるすべての論理的な推論)をすべて網羅していることの(間接的な)保証は,次の節で論じることになる(ゲーデルとヘンキンによる)完全性定理により与えられる.上で導入された述語論理と証明の体系K∗ の上に,第1節で数学の日常語のレベルで導入した集合論の公理系を,次の言語Lεにより,15ページの意味でのLε-理論として再導入することができるようになる. P17 以下のLε-文の集まりを公理系ZFCとする(21): 略す P20 5 ZFC でのクラスの扱い この“クラスX”があたかもLε-項として表現されたオブジェクトであるかのように扱かう. フォン・ノイマン=ベルナイス=ゲーデル集合論(NBG)は,このような意味でのクラスを実際に体系のオブジェクトとして扱かうことができるようなZFCの保守拡大である.現在,集合論では主にNBGでなくZFCをベースとする議論が行なわれるのだが,ことの一つの大きな理由として,NBGが有限の公理からなる公理系を持つことから,系15.7に対応する性質をうまく記述できないことが挙げられる.クラスに対する同等性や包含関係や集合算も集合に対するものと同じように導入することができる: 略す つづく