- 419 名前:で、WがPとQという2点以上を含むとすれば、
Pだけを共通解とする多項式の集合としてのイデアルJは、明らかにWを共通解とする多項式の集合としてのイデアルI(W)を含んでいるから、I(W)は極大にはなれないからだ。 次に、素イデアルのほう。これは、「Wが図形として既約であることと、I(W)が素イデアルであることが同値」というふうに現れる。Wが既約というのは、Wがイデアルの共通解として定義される図形2つに分解されない、ということをいう。 別の言い方をすれば、WがW1とW2の合併で表されるならW1とW2は一方が他方を含む、ということ。既約じゃないものを可約と言って、可約な例を見るほうが話が早いかもしれない。 例えば、h(x, y)=xyという多項式とすると、h(x, y)=0の解は、xy=0だから、直線x=0と直線y=0を合併したものとなる。これは、多項式h1(x, y)=xの解と、多項式h2(x, y)=yの解をそれぞれ意味するから、h(x, y)=xyの解集合は2つの図形(直線x=0と直線y=0)に分解してしまう。 こういうのは可約であって、既約ではない、ということ。そして、「これ以上、図形が分解しない」ような解集合Wと「素イデアル」が対応する、ということになるのである。これは、まさに整数における素数に対応する性質と考えられるだろう。 ここまでくると、極大イデアルと素イデアルの違い(それは、整数のイデアルでは違いがなかった)がはっきりしてくる。極大イデアルは空間の1点1点に対応するもので、素イデアルは「これ以上、分解しない図形」に対応するもの、ということなのだ。 (1点も「これ以上分解しない図形」なので、当然、極大イデアルは素イデアルの一種となることもわかる)。 つづく [] - [ここ壊れてます]
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