- 105 名前:文責・名無しさん [2006/10/23(月) 23:49:07 ID:wEYKgnNM]
- 毎日新聞が今回のことを報道したことそのものは別にいいのではないかと思った。当初は。
産科の崩壊が叫ばれている中、通常のお産のことしか取り上げない記事が多いが、 今後更に周産期の死亡率を下げるには、今回のような難しい症例をなんとか救命 できないか、というのはいずれ必要な議論だと思うから。 (しかし実際には、お産でほとんど死ななくなったため、何かが起こると医療機関の 過失とされることが多くなり(特にマスコミ)、苛酷な勤務と相まって産科医が減少し、 そのため通常のお産でさえ支障が出ていて、難しい症例の救命までは手が回らない状況。) 今回の記事が、奈良の貧弱な医療を指摘し、そもそも脳出血のようなそれだけでも 対応が難しい疾患が、妊婦に起こった場合にどのように対応していくべきか、に注目 するならいい報道だったと思う。 でも今回の報道は「かわいそう」という感情をもとに、読者受けする(しかし的 はずれな)医療批判記事にしかなっていませんでした。 突然の不幸に対して、遺族が医療機関に文句の一つも言いたい、何かできなかった のか、と思うのは当然だと思う。 しかし、報道は理性的でなければいけない。 難しい病態になったこと、その病院では対応できない状態だったこと、近隣に搬送 できる病院がなかったこと、大阪へ搬送されたこと、1週間後に亡くなられたこと、 もしかしたらもっとよい手だてがあったかもしれないこと、こうしたことを分けて 論証すべきだった。 しかし実際には、赤ちゃんの写真を載せて、「お母さんが分かるのか、仏壇の前 だと不思議に泣き止むんです」。父晋輔さん(左)に抱かれる長男の奏太ちゃん」 なんてお涙頂戴の三流記事。 毎日新聞は比較的いい記事が多いと思っていたけど、今回は奈良支局が悪いのか、 それとも、それを素通りさせた本社が悪いのか、いずれにしても本当にがっかりだ。 こんな記事の内容で「スクープ」と言っている支局長には本当に残念だ。 同じネタでもっと社会を動かせる記事が書けたはずだ。
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