- 2 名前:文責・名無しさん mailto:sage [2012/05/05(土) 07:47:13.50 ID:b3hQifZW0]
- 産経抄 5月5日
今年の大型連休もあっという間にこどもの日までたどりついた。あと1日 しか休みがないとがっかりするか、もう1日あると喜ぶか人生いろいろだ が、一般的には後者の方が前向きでいい。まあ、「まだあるのか」とうん ざりする小欄は論外だが。 ▼まもなく連休は明けるが、企業の人事部や大学の学生課は、この時期、 もっとも神経を使うという。4月1日から右も左もわからずがむしゃらに 突っ走ってきた新入社員や新入生は、連休でふとわれに返り、自分の選択 は果たして正しかったのか、これで良かったのかと迷う。 ▼誰しも多かれ少なかれ経験する「五月病」だが、最近はちょっと欠勤し たかと思ったらすぐ辞めてしまう新人がかなりいる。バブル期には考えら れぬほど厳しい就職戦線を勝ち抜いてきたにもかかわらずに、だ。 ▼人生いろいろだから放っておいてもいいのだが、年寄りの経験則から言 うと、「もう少し我慢してみたら」とつい説教したくなる。気楽な稼業の 記者だってトロッコ(キシャもどきの意味)から一人前になるまで10年 はかかる。 ▼毎夜、高視聴率を稼いでいる「ニュース7」のキャスターを務め、今や NHKの顔となった武田真一アナウンサーの話も参考になるかもしれない。 彼は、二十数年前に筑波大学に入学したが、「数日間、泣き暮らしていた」 と母校の広報誌に語っている。当時の大学は駅までバスで40分もかかり、 店もろくにない荒涼としたところだった。 ▼「寂しい思いをして得たことが学生時代に一番学んだこと」という武田 氏は、NHK入局後も上司に「怒られまくって」一人前になった。絵に描 いたような順風満帆な人生なんてつまらない。ゆっくり行こうよ新人諸君。
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