- 447 名前:文責・名無しさん mailto:sage [2020/06/25(木) 07:17:31.14 ID:KWHmy8vp0.net]
- 産経抄 6月25日
何でも望みをかなえよう。神様が申し出たらどうするか。トランプ米大統領だったら、迷うことなく秋の大統領選での再選を願うだろう。 ギリシャ神話のミダス王は、欲にかられてとんでもない褒美を所望した。手の触れるものがすべて黄金に変わってしまう魔法である。喜びもつかの間、食べ物まで黄金になって、空腹に音を上げる。 ▼「王様の耳はロバの耳」のモデルになったのも、ミダス王である。演奏くらべに余計な口出しをして、今度は神の怒りを買い、ロバの耳をつけられてしまう。秘密は理髪師に知られてしまった。黙っていられなくなった理髪師は、地面に穴を掘ってぶちまける。「王様の耳は…」。 ▼トランプ氏も同じ悩みを抱えている。けっして表に出てはならない秘密が、暴露されてしまった。中国や北朝鮮との外交交渉における、大統領の言動である。内幕本を出版したのは、前米大統領補佐官のボルトン氏だった。政権の主要閣僚は、記述内容を全面否定している。 ▼もっとも理髪師と同じく、著者が大統領と常に行動を共にしていた人物だけに、反響は大きかった。さらにトランプ氏のめいが、家族内のスキャンダルを暴く著作の出版を進めている。大統領選後には、トランプ氏に解任された元FBI長官の回顧録がテレビドラマ化される。 ▼「天下を取るときは黒幕は必要ない…よき家老がついていたやつは天下を取れません…しかし、天下を取ってから、維持しようとする段階で黒幕が必要になってくる」。歴史家の会田雄次がある対談で指摘している。 ▼ミダス王は、魔法とロバの耳、両方の問題を自力で解決した。トランプ氏の場合、ホワイトハウス内で目を光らせる、黒幕のような存在が必要だったのではないか。
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