- 228 名前:名無しさんだよもん mailto:sage [2008/09/21(日) 20:42:16 ID:PLNvzxW+0]
- 『ああ、きっと僕は誰かを利用した』
声が流れ込む。 ――自覚は無かった。 どちらかが恭介だ。どちらかが、僕。 死んだ兄の名を付けられたエレクトロニカの奇人の怪音が鳴り響く。 僕はそれを振り払いたいがために無造作に肘を伸ばした。すると、耳鳴りが止み、 扉にぶつけたと思った腕が、不思議なことに向こう側へするりと抜けていた。 手を伸ばした先は空間、……ベルトコンベアのあるこの廊下より、ずっと涼しい。 僕はもう、大して驚いてない。 ただ飛び込んだ先で頭を打つこともあると思い、半身になって飛び込んだ。 どさっ 充分とはいえないものの受身を取って着地。 すぐに立ち上がると周りを眺めた。 月明かりを反射する夜の湖面のように光るタイルの先に、その姿はあった。 クド。……それに真人だ。 格子状に差し込む蛍光灯がふたりを陰鬱に見せる。
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