- 164 名前:箱入り娘が届いたら 29/51 mailto:sage [2008/02/29(金) 21:44:02 ID:0Ka5/nCG0]
- 「あれがあの子の家?? なんであの子はダンボールを抱いてるわけ? 貴明、あんたには理由が分かるの?」
「いや、はっきりとは分からんけど…… でも、昨日の夜もシルファは俺が用意した客間には泊まらないで、あのダンボールの中に引き篭もってたな」 「そうだったの? でもどうしてなんだろう?」 そんなとこで寝たら風邪ひいちゃいそうだね……と、的はずれな心配をする愛佳。 話がずれるから姉は口挟まないで、と瞳で睨みつける郁乃。 「俺の想像でしかないけど。 シルファはこのダンボールに包まれてこの家に送られてきたんだよ。だから……」 そしてきっとシルファをあのダンボールに包み込んだのは、イルファさんやミルファの仕事なのだろう。 或いは珊瑚ちゃんか、瑠璃ちゃんなのかもしれない。 だから、あのダンボールは今のシルファにとってたった一つの”家”なのだろう。 「珊瑚さま……シルファお姉さま……どうして、シルファのことを捨ててしまったのれすか……? きっと、きっとシルファが無能だから……見捨てられてしまったのれすか……?」 そして、シルファの本当に帰りたい家は…… 「くすん……お家に帰りたいのです。珊瑚さまのお側に戻りたいのです……」 「あたし、シルファがなんでやる気無いのか分かった気がする」 ダンボールにしがみついて泣いているシルファの背中を見つめながら、郁乃がぽつりと呟いた。 「シルファは、その珊瑚って人から捨てられたと思ってるんだね。 持ち主に捨てられて、『他所でしっかりやれ』って言われても、そりゃあ納得できないだろうし」 「そうだねえ……」
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