- 6 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 [2017/09/17(日) 00:12:44.82 ID:pt0MY4Jl.net]
- 小野さんは小さい頃、家の事情でばあちゃんに預けられていた。
当初、見知らぬ土地に来て間もなく当然友達もいない。 いつしか小野さんはノートに自分が考えたすごろくを書くのに夢中になっていた。 小野さんはばあちゃんにそれを見せては 「ここでモンスターが出るんだよ」 「ここに止まったら三回休み〜」 小野さんのばあちゃんはニコニコしながら「ほうそうかい、そいつはすごいねぇ」と相づちを打っていた。 小野さんはそれが何故かすごく嬉しくて、何冊も何冊も書いていた。 十数年前、小野さんのばあちゃんは死んだ。 89歳の大往生だった。 遺品を整理していた母から小野さんは「あんたに」と一冊のノートをもらった。 開いてみるとそこには小野さんのばあちゃんが作ったすごろくが書かれてあった。 モンスターの絵らしき物が書かれていたり、何故かぬらりひょんとか妖怪も混じっていた。 小野さんは「ばあちゃん、よく作ったな」とちょっと苦笑していた。 小野さんは最後のあがりのページを見た。 「あがり」と達筆な字で書かれていたその下に 「俊之くんがグランプリで優勝しますように」 小野さんは人前で初めて泣いた。
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